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キヤノン

imageRUNNER ADVANCE DX 4935F

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

imageRUNNER ADVANCE DX 4935F
最大用紙サイズA3
カラー対応モノクロ
印刷速度35枚/分
発売日2023-10-13
希望小売価格(税別)1,850,000円(税別、本体標準価格)

新機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

imageRUNNER ADVANCE DX 4935Fは、A4モノクロ35枚/分の出力性能と、両面を一度に読み取れる自動原稿送り装置を備えたA3モノクロ複合機です。
契約書、請求書、申請書など、文字中心の書類を継続的に印刷しながら、紙文書の電子化も効率化したいオフィスに適しています。
コピー、プリント、カラースキャン、FAXを標準構成で利用でき、給紙や仕上げ機能は業務量に合わせて拡張できます。
本記事では4935Fの列と脚注を基準に、仕様、使い方、価格、比較時の注意点を整理します。

imageRUNNER ADVANCE DX 4935Fの特徴

4935Fの中心的な特徴は、毎分35枚のモノクロ出力と高速な両面スキャンを、一般オフィス向けのA3複合機にまとめていることです。
A4の連続複写速度は35枚/分、A3とB4は17枚/分で、社内資料や帳票を一定量まとめて処理する運用に向きます。
印刷はモノクロですが、スキャナーはカラー対応です。
紙の契約書や色付きの図表をカラーPDFなどで保存したい場合にも、印刷機とは別にカラースキャナーを用意する必要を減らせます。

標準の自動原稿送り装置は4935F専用の両面同時読み取り方式です。
64g/m²の原稿を250枚まで収容でき、A4ヨコ・300dpiの普通紙モードでは片面135ページ/分、両面270ページ/分とされています。
これは印刷速度とは別の「読み取り速度」であり、35枚/分という出力値と混同しないことが大切です。

紙文書の電子化に配慮した読み取り部

読み取りガラスには、糊、修正液、インクなどが付着しにくい防汚コートが施されています。
さらに、ゴミによるスジを検知して補正する機能を備えています。
汚れを完全に防止する仕組みではないため定期清掃は必要ですが、大量の帳票を読み取る現場では、再スキャンや画像修正の手間を抑える助けになります。
片面・両面が混在する書類を電子化する場合は、原稿サイズ、厚さ、折れや付箋の有無を確認してからセットすると安定した運用につながります。

モノクロ業務へ集中した構成

4935Fはカラー原稿を読み取れますが、コピーとプリントの出力はモノクロです。
社内規程、申請書、納品書、図面の控えなど、色を必要としない文書が大半を占める職場では、カラー機を導入するより用途を明確にしやすい構成です。
一方、提案書や販促物を日常的にカラー出力する部署では、同じ35枚/分クラスのA3カラー機 imageRUNNER ADVANCE DX C3935Fも比較し、カラー出力の頻度を基準に選ぶ必要があります。

主要仕様と用紙対応

本体はデスクトップ形式とされていますが、実際の導入ではペディスタルなどと組み合わせる床置き運用が一般的です。
4935Fの本体寸法はADFを含めて幅565mm×奥行722mm×高さ897mm、質量は約75kgです。
手差しトレイを開いた機械占有寸法は幅894mm×奥行722mmであり、本体幅だけを見て設置場所を決めると、通路や用紙補給の動線が不足する可能性があります。

項目 4935Fの確認値
最大用紙 A3。手差しではSRA3や320×450mmにも対応
連続複写速度 A4・B5:35枚/分、A3・B4:17枚/分
ファーストコピー 5.5秒
標準給紙 640枚×2カセット、手差し120枚(64g/m²)
用紙坪量 カセット52~256g/m²、手差し52~300g/m²
メモリー/SSD RAM 3.5GB、SSD 256GB(使用領域240GB)

用紙サイズには給紙口ごとの条件がある

A3、A4、B4、B5だけでなく、はがきや複数種類の封筒にも対応します。
ただし、305×457mmは第1カセットから給紙できず、SRA3やフリーサイズは手差しのみです。
封筒も種類によって利用できるカセットが異なり、カセット給紙ではアタッチメントが必要になる場合があります。
対応サイズ一覧だけで判断せず、普段使う用紙の寸法、坪量、給紙方向、月間枚数を販売店へ伝えて構成を決めてください。

厚紙対応は定着品質まで確認する

手差しは最大300g/m²までの仕様ですが、同じ坪量でも表面加工、紙目、含水率などで搬送や定着の状態は変わります。
名刺用紙、ラベル紙、特殊紙が「坪量の範囲内」という理由だけで必ず使えるわけではありません。
特殊用紙を継続利用する場合は、用紙銘柄と用途を示し、実機での通紙確認を依頼するのが安全です。
対応サイズの考え方は35枚/分のモノクロ機 imageFORCE 4135Fとも比較し、現行の業務に必要な条件を洗い出すとよいでしょう。

操作性とスキャン・FAX連携

操作部には10.1インチのフルフラット型タッチパネルが採用され、主要操作はソフトキーで行います。
物理テンキーを必要とする職場向けには、ハードテンキーがオプションとして用意されています。
コピー、プリント、スキャン、FAX、ボックス、アドバンスドボックスを標準構成で利用できるため、紙の出力だけでなく、受け取った書類を部門フォルダーへ保存する流れも一台へ集約できます。

プッシュスキャンの送信先はFTP、SMB、WebDAVに対応し、電子メールとIファクスではSMTP送信、POP3受信を利用します。
出力形式はTIFF、JPEG、PDF、XPS、OOXMLのPowerPoint・Wordに対応します。
実際に使える形式や付加機能は送信設定や権限によって変わるため、導入時に保存形式、解像度、ファイル名、宛先登録のルールを決めておくと運用が安定します。

端末からの印刷とモバイル利用

標準のLIPS LXプリンター機能は、有線LANの1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tに対応します。
OS標準プリント機能としてMopria Print、Apple AirPrint、IPP Everywhereにも対応していますが、該当機能を本体設定で有効にする必要があります。
Wi-Fiは標準ではなくオプションです。
無線運用を希望する場合は、無線LANボードの追加だけでなく、社内SSID、認証方式、端末分離、利用者権限まで確認してください。
単にWi-Fiへ接続できることと、安全に業務利用できることは同じではありません。

FAXを含む通信機能

スーパーG3 FAXは標準装備で、通信速度はSuper G3で33.6kbps、G3で14.4kbpsです。
一般加入電話回線などを前提とし、IP電話経由では正常に通信できないことがあるという注意書きがあります。
IファクスはSMTP送信とPOP3受信に対応し、SMTP認証やTLS通信にも対応します。
電話回線、FAX番号、受信文書の出力・転送方法を事前に整理してください。
FAX量が少なく、印刷速度を抑えたい場合は25枚/分クラスのimageFORCE 4125Fも候補になります。

セキュリティ機能と運用設計

4935Fには、利用環境を選ぶことで関連項目をまとめて設定する「おすすめセキュリティ設定」が用意されています。
環境が分からない場合は設問への回答から設定タイプを選べます。
ただし、この機能を実行するだけで組織のセキュリティ対策が完了するわけではありません。
管理者パスワード、不要な通信機能、アドレス帳の閲覧権限、保存文書、監査方法、廃棄・返却時のデータ処理まで、社内方針に合わせた設計が必要です。

メーカー価格表ではSSD暗号化機能、暗号化PDF、機器署名PDFなどが標準装備として示されています。
また、4935Fを含むシリーズはJBMIAのBMSecに適合しています。
機能の存在と適切な運用は別問題であるため、導入時の初期設定と定期的な見直しを保守窓口の範囲に含めるか確認しましょう。

認証と留め置き印刷

シンプルログインと強制留め置き印刷は、機能拡張ページで無償機能として案内されています。
強制留め置き印刷では、利用者が本体へログインして出力を指示するまでジョブを機内に保持でき、共有機の排紙トレイへ機密文書を放置するリスクを抑えられます。
ICカード認証には対応するカードリーダーライターとMEAPアプリケーションが必要です。
認証方式を選ぶ際は、社員数、カード規格、異動時のアカウント管理、ゲスト利用、障害時の代替手順も決めてください。

クラウド連携は契約範囲を分けて考える

uniFLOW Onlineを利用すると、Scan to Cloud、どこでも印刷、外部クラウドサービスへのシングルサインオンなどへ拡張できます。
これは有償サービスであり、外部クラウドストレージにも別契約が必要な場合があります。
本体標準機能、無償の認証機能、有償クラウドサービス、追加機器を見積書上で分け、初期費用と継続費用を確認してください。
クラウド保存を使う場合は、保存地域、アクセス権、保持期間、退職者アカウントの削除手順も社内規程へ反映する必要があります。

適するオフィスと使い方

4935Fが適するのは、モノクロ文書の出力が中心で、複数ページ原稿のスキャン量も多い事業所です。
総務・経理の帳票、士業の案件書類、医療・介護施設の内部文書、教育機関の配布資料など、文字中心のA4文書とA3資料を一台で処理したいケースに合います。
A4で35枚/分は、小規模拠点の軽量機より余裕を持たせつつ、45枚/分以上の高速機までは必要ない職場で比較しやすい速度帯です。

一方、カラー出力が日常的に必要な営業部門やデザイン部門、A4を数枚ずつしか印刷しない小規模拠点には、構成が過大または用途不一致になる可能性があります。
月間印刷枚数だけでなく、繁忙時間帯の集中、両面原稿のスキャン枚数、A3の利用頻度、FAX回線数、仕上げ作業を基準に判断してください。

大量スキャンを生かしやすい業務

両面同時読み取りADFは、契約書や申込書をまとめて電子化する業務で効果を発揮します。
カラー・モノクロともA4ヨコ・300dpiで片面135ページ/分、両面270ページ/分という仕様ですが、実作業時間には原稿準備、ファイル生成、送信、ネットワーク、保存先での処理も含まれます。
公称読取速度だけで処理時間を計算せず、普段の原稿を使ったデモで確認してください。
折れ、付箋、ホチキス、サイズ混在を取り除く前処理も運用手順に入れます。

速度を上げるべきケース

昼休み前や締め日に印刷が集中し、35枚/分では待ち行列が発生すると見込まれる場合は、上位速度帯も比較します。
選択肢として45枚/分クラスのimageFORCE 4145Fがあり、さらに集中出力が多い環境では60枚/分クラスのimageFORCE 6160も確認できます。
単純に速い機種を選ぶのではなく、利用人数、ピーク時のジョブ数、給紙量、保守条件をそろえて比較することが重要です。

同シリーズと関連機種の比較

iR-ADV 4900シリーズには4945F、4935F、4925Fがあり、4935Fは中間の速度モデルです。
公式仕様表では、4945Fと4935Fが両面同時読み取りADF、4925Fが両面反転読み取りADFです。
したがって、4935Fと4925Fの違いは出力速度だけではありません。
電子化する両面原稿が多い職場では、ADF方式と読取速度の差も導入後の作業時間に影響します。

モデル A4モノクロ速度 ADF 本体標準価格(税別)
iR-ADV 4945F 45枚/分 両面同時読み取り 2,080,000円
iR-ADV 4935F 35枚/分 両面同時読み取り 1,850,000円
iR-ADV 4925F 25枚/分 両面反転読み取り 1,460,000円

4935Fを選びやすい条件

4935Fは、25枚/分ではピーク時の待ち時間が気になる一方、45枚/分の上位機へ費用を掛けるほど出力量が多くない場合に検討しやすいモデルです。
4945Fと同じ両面同時読み取りADFを備えるため、出力速度を中間にしつつスキャン処理能力は重視したい職場にも合います。
ただし、公式仕様は最大値や所定条件での値です。
実際の処理量は両面設定、用紙サイズ、データ内容、ネットワーク、後処理によって変わります。

比較表で混同しやすい点

シリーズ表では共通値が結合セルで示される一方、ファーストコピー、出力速度、エネルギー消費効率、寸法などはモデルごとに異なります。
4935Fの値は、ファーストコピー5.5秒、A4・B5が35枚/分、A3・B4が17枚/分、エネルギー消費効率63kWh/年です。
上位4945Fの4.6秒や45枚/分、下位4925Fの本体奥行・高さを4935Fへ流用しないよう注意してください。
別世代の機種とも、名称の数字だけでなく標準機能、オプション、対応OSを同条件で比較します。

構成・オプションと価格

4935Fの商品コードは5971C001で、メーカーの本体標準価格は1,850,000円(税別)です。
両面同時読み取りADF、LIPS LXプリンター、SEND、アドバンスドボックス、FAXを含み、ブラックトナー1本が同梱されます。
一方、無線LANはオプションです。
メーカー価格表には、感光体などの消耗品が本体価格に含まれず、別途保守サービス契約が必要との注記があります。

標準価格はリース月額や導入総額ではありません。
給紙、仕上げ、認証、搬入設置、ネットワーク設定、既存機撤去などを追加すると見積額は変わります。
リースの場合は本体とオプションの価格だけでなく、契約期間、料率、中途解約条件、所有権、満了時の返却費用も確認してください。

給紙と仕上げオプション

標準は640枚カセット2段と120枚の手差しです。
追加給紙には640枚×2段の2段カセットペディスタル、A4を2,850枚収容する大容量カセットペディスタルなどがあります。
大量給紙モデルではA3やA4Rなどを本体側カセットまたは手差しへ割り当てる必要があるため、用紙構成を先に決めます。
中綴じ、ステイプル、針なしとじ、パンチは対応するフィニッシャー等が必要です。
冊子の部数、用紙枚数、綴じ位置まで販売店へ伝え、必要な組み合わせを確認してください。

保守費用は印刷実績に合わせて確認する

カウンター保守の料金は、本体標準価格から自動的に決まるものではありません。
モノクロの月間印刷枚数、最低料金、用紙・トナー・感光体の扱い、部品と作業費の範囲、訪問可能時間、遠隔監視、離島や遠隔地の条件などで契約内容が変わります。
見積書では、リース料と保守料を分けて確認し、想定枚数での月額・年額を計算します。
スポット修理を選ぶ場合も、部品供給、出張費、修理中の代替機について事前確認が必要です。

導入前に確認したいポイント

導入前には、仕様表の数値だけでなく、設置、ネットワーク、文書運用、契約条件を一つずつ確認します。
本体の占有寸法は幅894mm×奥行722mmですが、これは操作する人、給紙カセット、保守作業、排紙回収のための余裕を含みません。
オプションの2段カセットペディスタルまたは大容量カセットペディスタルを装着すると、4945F・4935Fの高さは1,145mmになります。
搬入口、エレベーター、曲がり角、床の耐荷重、電源位置まで現地調査の対象です。

  1. 月間枚数と最も混雑する時間帯を記録する
  2. A3、厚紙、封筒など常用紙を一覧化する
  3. 両面スキャンの枚数と保存先を確認する
  4. FAX回線と転送・保管ルールを決める
  5. 有線LAN、無線LAN、認証方式を設計する
  6. 給紙・仕上げオプションを実物の成果物で検証する
  7. リース、保守、搬入、撤去の費用を分けて比較する

ネットワークと端末環境の確認

標準の有線LANを利用する場合でも、固定IPまたはDHCP予約、DNS、SMTP、SMB、時刻同期、証明書、ファイアウォールの許可範囲を確認します。
仕様ページに掲載された対応OSは資料更新時点の情報であり、導入時のOS、ドライバー、業務アプリとの適合性は最新のサポート情報で再確認してください。
PS出力やLIPS Vを使う業務では、標準のLIPS LXだけで要件を満たすかを判断し、必要なら拡張キットを見積もります。
Mac、スマートフォン、基幹帳票が混在する場合は実データでの出力試験が有効です。

最終判断は総コストと業務適合性で行う

4935Fは、A4モノクロ35枚/分、A3対応、両面同時読み取り、カラー対応スキャン、標準FAXを一台にまとめたい職場に有力な構成です。
ただし、35枚/分という数字だけでは適否を決められません。
カラー出力の必要性、原稿読み取り量、追加給紙、仕上げ、認証、設置条件、保守対応を同じ表で比較してください。
導入候補を絞った後は、普段使うPDF、帳票、封筒、両面原稿を用意し、画質、所要時間、操作手順を確認します。
その結果と見積条件が一致しているかを点検してから契約することが、入れ替え後の行き違いを減らします。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-29)

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