旧機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種
imageRUNNER ADVANCE DX 6860は、A4ヨコで毎分60枚の連続出力と、両面を一度に読み取るADFを備えたA3モノクロ複合機です。
請求書、申請書、会議資料などをまとまった量で印刷する部署や、紙の契約書・伝票を効率よく電子化したい職場に適しています。
カラー出力はできませんが、スキャンはカラーに対応します。
キヤノン公式サイトでは2026年9月29日時点で「在庫僅少」と案内されているため、導入時は本体の確保、保守対応、必要なオプションを同時に確認することが重要です。
imageRUNNER ADVANCE DX 6860の特徴
この機種の中心的な価値は、モノクロ文書を速く出力する性能と、大量原稿を取り込む性能を一台にまとめていることです。
A4ヨコの連続複写速度は毎分60枚で、A3は毎分32枚、B4は毎分35枚です。
ファーストコピータイムは2.9秒とされており、少部数のコピーを繰り返す場面にも、大きな印刷ジョブを流す場面にも対応しやすい設計です。
標準装備のADFは、原稿を一度通す間に表裏を読む両面同時読み取り方式です。
A4ヨコ、300×300dpiでは片面毎分135ページ、両面毎分270ページで読み取れます。
これは印刷速度とは別の数値であり、毎分270ページで印刷できるという意味ではありません。
原稿は64g/m²紙で250枚までセットできます。
高速機でもカラー出力には非対応
本機はモノクロ複合機です。
社内帳票、契約書、設計関連の文字資料など、黒一色の出力が中心なら能力を活かせます。
一方、提案書、販促物、色分けしたグラフを頻繁に印刷する職場では、別途カラー機が必要です。
なお、スキャナーはカラー読み取りに対応しているため、色の付いた原稿をカラーPDFやJPEGとして保存する用途までモノクロに限定されるわけではありません。
選定では「印刷はモノクロで足りるか」と「原稿はカラーのまま電子化したいか」を分けて考えると判断しやすくなります。
カラー出力の必要性が高い場合は、同等クラスのカラー機を含めて比較してください。
静音性と紙文書の扱いやすさにも配慮
キヤノンは、紙が内部部品へ当たる音、搬送経路での接触音、モーター駆動音を抑える構造を特徴として挙げています。
音の感じ方は設置場所や稼働量で変わりますが、執務スペースの近くに高速機を置く場合には確認したいポイントです。
ADFにはデジタル斜行補正、重送検知、異常搬送検知が搭載されています。
A6Rや、はがき・領収書・小切手などの不定形な小サイズ原稿にも配慮した設計です。
ただし、折れ、破れ、ステイプル針が残った原稿は事故の原因になります。
検知機能があっても、投入前の目視確認は省略しない運用が必要です。
主要仕様と処理能力
仕様を比べるときは、同じ6800シリーズの6870列と6860列を混同しないことが大切です。
以下はキヤノン公式仕様表のiR-ADV 6860列を基に整理しています。
共有仕様と機種別仕様が同じ表に併記されているため、速度、質量、リカバリータイムなどは対象列を確認しています。
| 項目 | imageRUNNER ADVANCE DX 6860 |
|---|---|
| 方式・出力色 | デスクトップ型A3モノクロ複合機 |
| 連続複写速度 | A4・B5:毎分60枚、B4:毎分35枚、A3:毎分32枚 |
| ファーストコピー | 2.9秒 |
| 読み取り/書き込み解像度 | 600×600dpi/1,200×1,200dpi(コピー時600×600dpi) |
| 本体寸法 | 幅620×奥行722×高さ937mm(ADFを含む) |
| 質量 | 約92kg(ADFを含む) |
| 電源・最大消費電力 | AC100V・15A・50/60Hz、最大1.5kW |
| メモリー・SSD | RAM 5GB、SSD標準256GB・最大1TB |
給紙構成によって設置寸法と使い勝手が変わる
手差しトレイは64g/m²紙で120枚です。
給紙カセットやペーパーデッキの容量は装着するオプションで変わり、2段カセットペディスタルでは640枚×2段、大容量カセットペディスタルでは2,850枚、サイドのペーパーデッキでは3,000枚という構成があります。
本体だけの説明と、オプション装着時の最大構成を混同しないようにしてください。
本体の機械占有寸法は幅942×奥行722mmですが、ペディスタル装着時の高さは1,188mmになります。
フィニッシャーやサイドデッキを追加すれば横方向のスペースも増えます。
カタログ寸法だけで配置を決めず、扉やトレイを開く保守作業域、紙を補給する動線、排紙を取り出す位置まで含めた現地下見が必要です。
用紙サイズと坪量は給紙口ごとに確認
最大A3の複写に対応し、SRA3や305×457mmの用紙も扱えますが、一部は手差しトレイ限定です。
対応坪量はカセットおよびデッキが52~256g/m²、手差しが52~300g/m²です。
封筒、はがき、厚紙、不定形紙は、サイズだけでなく、給紙口、紙質、表面加工、搬送方向まで確認してください。
「最大300g/m²」という値だけで、あらゆる厚紙やラベル紙を安全に通せるとは判断できません。
レーザー方式に適合しない用紙は、定着不良や紙詰まりの原因になります。
実際に使用する銘柄を販売店へ伝え、必要なら導入前に通紙テストを依頼すると安心です。
操作性とスキャン・文書連携
操作部には10.1インチのフルフラットなタッチパネルが採用され、基本操作は画面上のソフトキーで行います。
物理テンキーに慣れた利用者向けには、ハードテンキーがオプションで用意されています。
部署ごとに短縮ボタンや操作手順を整理しておけば、コピー条件や送信先の選択ミスを抑えやすくなります。
プッシュスキャンでは、FTP、SMB、WebDAVによるファイル送信と、SMTPによるメール送信に対応します。
出力形式はTIFF、JPEG、PDF、XPS、OOXML形式のPowerPoint・Wordです。
サーチャブルPDF/XPS生成や高圧縮PDF、暗号化PDFなども標準機能として案内されています。
大量原稿の電子化に向くADF
ADFは毎分270ページという両面読み取り速度だけでなく、250枚の原稿積載、小サイズ原稿への対応、斜行補正、重送検知がポイントです。
紙の請求書や申込書を日ごとにまとめて処理する業務では、一枚ずつ原稿台へ置く時間を減らせます。
読み取りガラスには汚れが付着しにくい処理が施され、画像処理によるスジ補正にも対応します。
ただし、最高速度はA4ヨコ、300×300dpiという条件の値です。
600dpi、カラー、混載原稿、送信先サーバーの応答速度などによって実際の完了時間は変わります。
細かい図面や小さな文字を保存する場合は、速度だけでなく、必要な解像度とファイル容量を試験してください。
アドバンスドボックスとクラウド連携
標準のアドバンスドボックスは、複合機内で文書を保存・共有するための領域です。
標準ディスク容量は16GBで、オプションにより最大480GBとされています。
SMBでは最大64クライアント、WebDAVでは最大3クライアントが同時接続できます。
共有領域として使う場合は、保存期限、フォルダー権限、バックアップの扱いを社内規程に合わせて決めてください。
uniFLOW OnlineやMEAPアプリケーションを組み合わせると、クラウド送信、文書の自動命名・振り分け、どこでも印刷などへ拡張できます。
有償サービスや外部クラウド契約が必要になる機能があるため、本体標準機能と追加契約を分けて見積もることが重要です。
セキュリティとネットワーク運用
複合機には、印刷データ、スキャン文書、宛先、ジョブ履歴などが集まります。
imageRUNNER ADVANCE DX 6860ではSSD暗号化機能が標準装備として案内されていますが、機能を搭載しているだけで運用上の安全が自動的に完成するわけではありません。
管理者パスワード、ユーザー権限、不要な通信機能、保存文書の期限を導入時に設定する必要があります。
標準のLIPS LXプリンター機能は、LPD、Port9100、IPP、IPPS、FTP、WSDなどのTCP/IPプロトコルに対応します。
利用しない方式を有効なまま残さず、社内のネットワーク方針に合わせて必要なものへ絞ることが基本です。
留め置き印刷と利用者認証を使い分ける
強制留め置き印刷を設定すると、パソコンから送った文書を本体内に保持し、利用者が操作パネルで実行するまで排紙しない運用ができます。
人事資料や契約書が排紙トレイへ放置されるリスクの低減に役立ちます。
シンプルログインによる個人認証も用意されています。
ICカードでのログインには、ICカードリーダーライターとMEAPアプリケーションなどの追加構成が必要です。
カードをかざすだけで使えるように見えても、本体価格だけでは完結しません。
社員証の規格、既存認証基盤、退職者アカウントの停止手順、カード紛失時の代替ログインまで設計してください。
スキャン送信は接続先側の更新も確認
メール送信ではSMTP認証とTLS通信、受信ではPOP通信時の暗号化などに対応します。
ただし、メールサービスやファイルサーバー側の認証方式は更新されることがあります。
導入時には使用予定のMicrosoft 365、メールサーバー、NAS、Windows共有などと接続できるかを確認し、古い設定例をそのまま適用しないことが大切です。
公式仕様表に掲載された対応OS名は発売時期の環境を含んでいます。
現在利用しているWindowsやmacOSで使う場合は、キヤノンが提供する現行ドライバーの対応状況を別途確認してください。
ネットワークを分離している職場では、印刷、スキャン、管理通信に必要な経路とポートも事前に整理します。
適する用途と選定時の考え方
本機が適するのは、カラー出力よりもモノクロ文書の処理量とスキャン速度を重視する職場です。
例えば、本部の総務・経理、学校や公共施設の事務部門、物流拠点、医療機関のバックオフィスなど、帳票を連続出力しながら受領書類を電子化する用途が考えられます。
毎分60枚という能力を活かすには、複数人のジョブが集まる共有機として配置する方法が現実的です。
一方、少人数で一日に数十枚しか印刷しない職場では、本体サイズ、導入費、保守体制が過大になる可能性があります。
公称速度だけで決めず、月間の印刷枚数、ピーク時間帯の待ち時間、原稿のスキャン枚数、必要な用紙段数を調べてください。
大量印刷と大量スキャンが同じ場所で発生する部署
定例会議前の資料、納品書、検収書などをまとめて印刷し、その後に回収した紙を電子保存する部署では、印刷と読み取りの両方が速い構成を活かせます。
A4だけでなくA3帳票を扱えるため、表計算の一覧表や図面の控えにも対応できます。
大容量給紙やフィニッシャーを追加すれば、紙補給や手作業の負担をさらに減らせます。
ただし、月間の推奨印刷枚数は今回確認した公式資料に明示されていません。
印刷量に対する適合性は、速度だけで断定せず、販売店へ現在のカウンター実績や繁忙期の最大ジョブを伝えて判断してください。
耐久性や保守部品の供給を根拠なく保証することもできません。
カラー出力や小規模運用が中心なら別構成も検討
写真入りの営業資料を日常的に出力する場合、モノクロの本機を導入してもカラー機への移動や外注が残ります。
モノクロ大量出力用とカラー用を分ける方法、一台の高速カラー機へ集約する方法の双方を、設置面積と総費用で比較しましょう。
印刷量が中程度なら、より小型のモノクロ機も候補になります。
カラー出力も必要な場合は、機能を分散させるか集約するかを先に決めます。
「高性能だから安心」ではなく、実際の仕事量に対して待ち時間、給紙、仕上げ、保守費のバランスが取れるかが選定基準です。
同シリーズ・比較候補との違い
同じ6800シリーズにはimageRUNNER ADVANCE DX 6870があります。
基本的な機能構成は共通していますが、6860はA4ヨコ毎分60枚、6870は毎分70枚です。
6860の質量は約92kg、6870は約94kgで、ファーストコピータイムも6860が2.9秒、6870が2.7秒です。
速度差が業務時間へ影響するかは、ピーク時に連続して出す枚数で考えます。
| 比較項目 | 6860 | 6870 |
|---|---|---|
| A4・B5連続複写 | 毎分60枚 | 毎分70枚 |
| A3連続複写 | 毎分32枚 | 毎分36枚 |
| ファーストコピー | 2.9秒 | 2.7秒 |
| 本体標準価格 | 2,830,000円(税別) | 3,410,000円(税別) |
従来シリーズとの比較は保守状況も含める
入れ替え候補を探している場合は、同サイト内のimageRUNNER ADVANCE DX 6765やimageRUNNER ADVANCE DX 6780の機種記事も比較材料になります。
型番が近くても出力速度、ADF、オプションの互換性、販売状況は同一とは限りません。
既存機からの更新では、今使っているフィニッシャーや給紙装置を流用できると決めつけず、新しい構成として確認してください。
ドライバー、アドレス帳、短縮設定、スキャン先、認証情報の移行範囲も販売店へ伝えておくと、設置後の停止時間を抑えやすくなります。
在庫僅少のため現行候補との同時比較が重要
キヤノン公式ページでは、本シリーズが在庫僅少と表示されています。
購入可能な本体が見つかっても、希望する納期やオプションをそろえられるとは限りません。
比較段階では、imageFORCE 6160、imageFORCE 6170の各機種ページも参照し、販売店に現行の提案機種を確認してください。
さらに高い処理能力が必要な場合は、imageFORCE 8186の機種情報も比較の入口になります。
ただし、これらを6860の単純な代替品と決めず、速度、電源、寸法、スキャン、仕上げ、価格、保守を個別に照合する必要があります。
構成・本体価格と見積もりの見方
imageRUNNER ADVANCE DX 6860のキヤノン公式の本体標準価格は、2,830,000円(税別)です。
商品コードは4963C001で、A4ヨコ毎分60枚、両面同時読み取りADF、LIPS LXプリンター、SEND、アドバンスドボックスを備えます。
ファクスはオプションです。
2021年7月の発売資料では6860の希望小売価格が230万円(税別)と記載されていましたが、現在の公式製品ページと価格表は283万円(税別)です。
公開時点のmachine_specsには現行公式価格を採用しています。
古い記事や発売時資料の価格だけで予算を組まないようにしてください。
本体価格だけでは導入総額にならない
感光体などの消耗品は本体価格に含まれず、キヤノンの価格表では別途保守サービス契約が必要と案内されています。
給紙ペディスタル、ペーパーデッキ、フィニッシャー、パンチャー、ファクス、ICカード認証、拡張SSDなどを加えると見積額は変わります。
機能名だけでなく、商品構成と取付料を明細で確認してください。
公式価格表には、キヤノンマーケティングジャパンが標準条件で作業する場合の搬入手配料36,000円、設置料30,000円、合計66,000円(いずれも税別)が掲載されています。
ただし、階段、段差、休日・時間外、遠隔地、クレーン、下見、既存機の搬出などは別料金です。
実際の販売店見積もりがこの金額と同じになるとは限りません。
リース料と保守料金は条件を分けて比較
リースの月額は、本体とオプションの合計、契約期間、料率、搬入費をリース対象に含めるかどうかで変わります。
そのため、本体標準価格から一律の月額を示すことはできません。
見積書では、物件価格、契約期間、月額、総支払額、中途解約の扱い、契約満了後の返却条件を確認します。
保守については、モノクロ一枚当たりのカウンター料金だけでなく、基本料金、最低利用料金、トナーの扱い、感光体や定着部品の範囲、訪問可能時間、休日対応、部品供給期間を比べます。
在庫僅少機では、本体を確保できるかだけでなく、希望する利用年数に対して保守を継続できるかを書面で確認することが重要です。
導入前に確認する項目
導入前の最優先事項は、在庫、構成、保守の三点を同時に確定することです。
公式サイトで在庫僅少とされているため、本体だけを先に押さえても、必要なファクスやフィニッシャーがそろわない可能性があります。
新品か中古か、保証開始日、設置後の保守窓口、交換部品の供給見通しを見積書や契約書で確認してください。
発売資料では6800シリーズが2021年7月16日から順次発売とされていますが、6860単体の正確な発売日は確認できなかったため、machine_specsのrelease_dateは空欄としています。
シリーズ発売時期と個別モデルの発売日を同一と推測していません。
設置・電源・搬入経路を現地で確認
- AC100V・15Aの電源を確保し、既存機器との回路共用可否を確認します。
- 約92kgの本体と追加オプションを置ける床面、保守作業域、放熱や通気の空間を確保します。
- エレベーター、廊下、扉、曲がり角、段差の幅と耐荷重を確認します。
- 給紙カセット、ADF、右側面、排紙部を開閉できる余裕を取ります。
- ネットワーク配線、固定IP、DNS、メール送信、共有フォルダーの情報を準備します。
本体寸法だけなら通過できても、梱包状態や搬入用具を含めると難しい場合があります。
階段作業や既存機の搬出があると追加費用も生じるため、契約前の現地下見が安全です。
運用開始前にテストする内容
- 利用中のA4、A3、厚紙、封筒などを実際に通紙する
- 両面原稿、領収書、小サイズ紙、薄紙のADF読み取りを試す
- PDFの画質、OCR検索、ファイル容量、保存先の権限を確認する
- WindowsやmacOSから両面・部単位・仕上げを指定して印刷する
- 留め置き印刷、認証、アドレス帳、管理者権限を確認する
- 停電・故障・ネットワーク障害時の連絡手順を決める
入れ替え時には旧機のSSDや保存文書、アドレス帳、ジョブ履歴の消去方法も確認します。
中古導入の場合は、累計カウンター、交換履歴、外装状態、付属品、初期化状況、保守加入の可否を追加で点検してください。
imageRUNNER ADVANCE DX 6860は、高速なモノクロ出力と両面スキャンを必要とする環境では有力ですが、在庫僅少という状況を踏まえ、代替機を含む複数案で見積もることが失敗を避ける近道です。
参考情報・出典
仕様・価格・保守条件は構成や地域で変わります。
正式な条件は最新の見積書をご確認ください。
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