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シャープ

BP-C533WD

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

BP-C533WD
最大用紙サイズA4
カラー対応フルカラー
印刷速度33枚/分
発売日2024-03-13
希望小売価格(税別)1,400,000円(税別)

新機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

BP-C533WDは、A4書類の出力と大量スキャンを一台に集約したい事業所に適した、シャープのデジタルフルカラー複合機です。
カラー・モノクロともA4タテ毎分33枚で出力し、両面同時読取原稿送り装置によるネットワークスキャンは片面65枚/分、両面130面/分に対応します。
最大用紙はA4なので、A3図面や見開き資料を等倍で扱う用途には向きません。
一方、請求書、契約書、申込書、カルテなどA4中心の職場では、読み取り性能と設置性を重視した有力な選択肢です。
ここでは対象機種末尾の「WD」に絞り、仕様、連携、セキュリティ、価格、導入条件を整理します。

BP-C533WDの特徴

BP-C533WDの中心的な特徴は、A4複合機の設置性と、大量原稿を処理するための読み取り性能を両立していることです。
メーカーの機種個別ページでは、コピー、ネットワークプリント、ファクス、ネットワークスキャン、無線LANを標準装備する構成が示されています。
インターネットファクスとCOCORO OFFICEはオプション対応です。

カラーとモノクロの連続複写速度はいずれもA4タテ33枚/分です。
速度がカラーかモノクロかで変わらないため、社内資料にカラー図表が混在していても運用計画を立てやすい機種です。
ウォームアップタイムは電源ボタンから16秒で、ファーストコピータイムはカラー6.7秒、モノクロ5.5秒です。
ただし、室温や本体の状態、画質安定化処理によって実際の待ち時間や連続出力は変動します。

本体はデスクトップ形式ですが、幅491×奥行610×高さ602mm、質量約40kgです。
家庭用プリンターのように小さな机へ気軽に置く機器ではありません。
排紙トレイと手差しトレイを伸ばし、操作パネルを最大角まで起こした機械占有寸法は幅679×奥行634mmとなるため、用紙補給や保守作業の空間も含めて設置場所を決めます。

両面原稿を一度で読み取るWDモデル

BP-C533WDは、A4からA6および所定寸法の名刺に対応する両面同時読取原稿送り装置を標準装備しています。
ネットワークスキャン時の公称速度は、A4タテ、200または300dpi、メーカー標準原稿などの測定条件で片面65枚/分、両面130面/分です。
表裏を同時に読むため、両面の請求書や申込書を継続的に電子化する部署ほど利点を生かせます。
原稿収容枚数は64g/㎡紙で100枚、名刺は0.2mm厚で25枚です。

A4業務へ割り切ることで選びやすい

複写原稿と複写用紙の最大サイズはA4です。
日常業務がA4、A5、はがき、封筒を中心に完結し、A3出力がほとんどない支店、受付、医療・介護事業所、店舗の事務室などに合わせやすい構成です。
反対に、A3の帳票、図面、新聞見開き、ポスター校正を扱う場合は、縮小や分割で代替できるかを確認し、無理があればA3機を選ぶべきです。

主要仕様と対応用紙

機種選定では、毎分の出力速度だけでなく、給紙量、用紙坪量、読み取り条件を一緒に確認します。
BP-C533WDの主要値は次のとおりです。
数値はメーカー公式仕様のBP-C533WD欄に基づき、同時掲載されているBP-C533WRの値とは分けています。

項目 BP-C533WDの仕様
方式・カラー デスクトップ型、フルカラー、レーザー静電複写機
最大用紙 A4
連続複写速度 A4タテ カラー・モノクロ各33枚/分
標準給紙容量 本体トレイ550枚+手差し50枚=600枚
最大給紙容量 オプション増設時2,400枚
メモリー・ストレージ 標準メモリー5GB、SSD 128GB
本体寸法・質量 幅491×奥行610×高さ602mm、約40kg
電源 AC100V、15A、50Hz/60Hz共通
TEC値 0.33kWh/週

給紙枚数は64g/㎡紙での値です。
SSDはオプションのストレージ拡張デバイスにより最大512GBまで拡張できます。
最大消費電力はオプションを含め1.45kW以下なので、同じ回路に接続する機器も確認しておくと安心です。

本体トレイと手差しトレイの違い

本体トレイは普通紙、厚紙、封筒に対応し、坪量は60~176g/㎡です。
手差しトレイは普通紙、厚紙、薄紙、特殊紙に対応し、55~220g/㎡まで扱えます。
ただし、ラベル紙、光沢紙、エンボス紙、OHP、封筒、はがきや106~220g/㎡の用紙は、条件によって正しく印刷できない場合があります。
実際に使う銘柄とサイズを販売店へ提示し、通紙確認を依頼するのが確実です。

スキャン速度とコピー読取速度を混同しない

片面65枚/分・両面130面/分は、200または300dpiで行うネットワークスキャンの公称値です。
原稿送り装置を使ったコピー時の読み取りは、モノクロ片面49枚/分、カラー片面33枚/分という別条件の値です。
データ量や解像度でも速度は変わります。
電子化件数を見積もるときは、保存形式、OCR処理、ネットワーク転送を含めた実際の作業で確認してください。

操作性とスキャン・モバイル連携

操作部には7インチのフルフラットパネルを採用し、ホーム画面を業務に合わせてカスタマイズできます。
コピー、ファクス送信、スキャンなどの直近ジョブを10件まで表示する「最近のジョブ」機能もあり、定型処理を再設定する負担を減らせます。
トナー残量、給紙トレイの状態、メンテナンス通知などはシステム情報画面で一覧確認できます。

スキャンのシンプルモードでは、自動設定により解像度、原稿の天地、白紙飛ばしなどを設定し、AIを使って解像度、階調数、圧縮率を判定します。
複数の領収書や写真を一度に読み取り、個別ファイルに分けるマルチクロップ/写真クロップにも対応します。
領収書の電子化では、切り分け後のファイル名や保存先まで含めた社内ルールを先に決めると、後工程の検索が楽になります。

保存形式とダイレクト操作

ネットワークスキャンはTIFF、JPEG、PDF、PDF/A、暗号化PDF、高圧縮PDF、XPSなどに対応します。
サーチャブルPDF、DOCX、XLSX、PPTX、TXT、RTFも仕様に記載されています。
BP-C533WRでは一部形式に拡張キットが必要という注記がありますが、その注記はWDには付されていません。
USBメモリーを挿すとスキャンまたは印刷の選択画面を表示でき、Office Open XML形式やPDFのダイレクト印刷にも対応します。
印刷結果はパソコン上の表示と異なる場合があります。

有線・無線・モバイルの接続

有線LANはギガビット対応、無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acを標準装備し、2.4GHz帯と5GHz帯を利用できます。
WPA3、Wi-Fi Direct、WPSにも対応します。
AirPrint、Chrome OSからの印刷、Sharpdesk Mobileなども案内されていますが、端末OSやアプリの対応状況は導入時点で確認が必要です。
オプションの2回線用有線LANアダプターを使えばネットワークを2系統に分けられますが、分離要件やルーティングを情報システム担当者と設計してください。

セキュリティと運用管理

複合機には、印刷待ちデータ、スキャン画像、アドレス帳、認証情報などが集まります。
BP-C533WDは保存データの暗号化、ジョブ完了後の実データ消去、IPアドレス・MACアドレスのフィルタリング、ネットワークポートの有効・無効設定、IEEE 802.1X、ユーザー認証、操作権限設定などに対応しています。
機能があるだけで安全になるわけではないため、管理者パスワード、不要ポート、ログ確認、廃棄時の初期化を運用手順に落とし込みます。

標準のプリントリリース機能では、同一ネットワーク上の対応複合機へ印刷データを送り、利用者が選んだ機器でログインして出力できます。
本人が操作するまで用紙が出ない運用は、共有スペースでの取り忘れ防止に有効です。
最大10台を1グループとして運用でき、親機はグループ内に最大3台まで設定できますが、対応条件は販売店へ確認してください。

ファームウェアを導入時点で確認する

シャープは2026年7月31日付のセキュリティ脆弱性に関するお知らせで、BP-C533WD/BP-C533WRの影響を受けるファームウェアバージョンを、上2~4桁目が「410」以前と案内し、対策ファームウェアを提供可能としています。
導入済み機、中古機、新規設置機のいずれも、現在のバージョンと対策適用状況を販売店へ確認してください。
本体をインターネットへ直接公開せず、ルーターやファイアウォールで保護し、初期パスワードを変更して監査ログを確認することもメーカーが示す対策です。

オプションのウイルス検知を要件で判断する

別売のウイルス検知キットBP-VD10は、Bitdefender社のスキャンエンジンを利用し、複合機への攻撃や接続機器への拡散リスク低減を図る機能です。
これはバックアップ、ネットワーク分離、端末側対策の代替ではありません。
USBメモリー利用や本体ストレージ機能を許可するか、外部から受信するファイルが多いかを確認し、自社のセキュリティ基準に沿って要否を決めます。

BP-C533WDが適する用途

BP-C533WDは、印刷枚数だけでなくスキャン枚数が多いA4中心の職場で価値を出しやすい機種です。
たとえば、請求書と納品書を日次で保存する経理、両面の申込書を処理する受付、契約書を案件別に登録する営業事務、紙資料を電子カルテや文書管理へ取り込む現場が候補になります。
100枚収容の原稿送り装置へまとまった原稿を載せられるため、一枚ずつガラス面で読む作業を減らせます。

一方、A3原稿を等倍コピーする部署、製本やステープルを多用する部署、大量のチラシを連続出力する部門では、A3機やフィニッシャー対応機を含めて検討する必要があります。
また、公称速度だけで「月に何枚でも適する」とは判断できません。
メーカー推奨月間枚数として確認できる数値は掲載せず、月間のカラー・モノクロ枚数、繁忙時間帯の集中度、原稿の状態を販売店へ伝えて選定します。

支店・店舗・受付での使い方

本社にはA3複合機を置き、支店や店舗にはBP-C533WDを配置する構成なら、現場のA4コピー、ファクス、スキャンを一台へまとめられます。
標準600枚の給紙量は用紙補給の回数を抑えやすく、必要ならオプション増設も可能です。
ただし、約40kgの本体を載せる台の耐荷重、転倒対策、来訪者が触れる場所での認証、無線LANの接続先を事前に決めてください。

ペーパーレス化では後工程まで確認する

高速スキャンが効果を発揮するのは、読み取った後の保存先と検索方法が整っている場合です。
サーチャブルPDFを使う場合も、文字認識の結果は原稿品質に左右されるため、金額や日付など重要項目の確認は必要です。
保存先のアクセス権、ファイル名、保存期間、バックアップ、原本を廃棄できる条件を定め、実際の帳票で一連の流れを試してください。

BP-C533WRや他機種との比較

同じシリーズのBP-C533WRは、カラー・モノクロとも毎分33枚で、基本的な出力速度はBP-C533WDと同じです。
大きな違いは原稿送り装置です。
WDは100枚収容の両面同時読取方式で、ネットワークスキャンは片面65枚/分・両面130面/分です。
WRは50枚収容の両面原稿自動送り装置で、片面40枚/分・両面18面/分です。
両面書類の電子化が多いならWD、スキャン量が少なく初期費用を抑えたいならWRという比較がしやすくなります。

比較項目 BP-C533WD BP-C533WR
A4連続複写速度 カラー・モノクロ33枚/分 カラー・モノクロ33枚/分
原稿送り方式 両面同時読取 両面原稿自動送り
ネットワークスキャン 片面65枚/分、両面130面/分 片面40枚/分、両面18面/分
原稿収容枚数 100枚 50枚
希望小売価格 1,400,000円(税別) 1,275,000円(税別)

A3が必要なら機種区分から見直す

A3を少しでも定常的に扱うなら、A4機を導入してから不便に気付くことがないよう、A3カラー機も同じ見積条件で比べます。
シャープの候補ではBP-41C26やBP-41C36の個別記事を確認し、最大用紙、速度、設置寸法、必要オプションを比較できます。
A3利用が年に数回だけなら本社機や外部出力で代替し、各拠点をA4機にする方法もあります。

他社A4カラー機との比較軸

メーカーを固定していない場合は、同じA4カラー複合機の候補としてRICOH IM C320F、Apeos C320、ECOSYS MA2600cwfxも比較対象にできます。
毎分速度だけで決めず、両面スキャン方式、原稿収容枚数、標準機能、ドライバー、保守拠点、消耗品の供給方法をそろえて比較してください。
BP-C533WDの強みは、とくに両面原稿の読み取り能力にあります。

本体構成・価格・保守契約

BP-C533WDのメーカー希望小売価格は本体1,400,000円(税別)です。
発売日は2024年3月13日で、価格と日付はメーカー発売資料でも確認できます。
この金額は本体の希望小売価格であり、搬入、設置、ネットワーク設定、追加給紙、専用台、ストレージ拡張、インターネットファクス、ウイルス検知キット、保守などをすべて含む総額ではありません。

標準給紙は550枚トレイと50枚手差しの合計600枚です。
追加給紙を構成すると最大2,400枚にできますが、給紙ユニットを積み上げる場合は専用台や取り付けキットを含めた構成確認が必要です。
メーカーの製品写真にもオプション装着例が含まれるため、写真と標準構成が同じだと思い込まず、見積書で形名と数量を確認してください。

リース料は契約条件で変わる

月額リース料は本体価格だけでは決まりません。
追加機器、搬入設定費をリース対象へ含めるか、契約期間、リース会社の審査、動産保険、支払条件によって変わります。
希望小売価格へ一律の料率を掛けた金額だけで判断せず、総支払額、中途解約の扱い、満了時の返却・再リース、移設時の手続きを確認してください。
現金購入とリースのどちらでも、保守内容は別に比較します。

カウンター保守は範囲を明文化する

カウンター料金や保守費用の単価は、公表された機種一律の価格として確認できないため、見積条件として扱います。
カラーとモノクロの単価、最低基本料金、トナー代、部品代、感光体、出張費、定期点検、障害受付時間、離島・遠隔地対応を確認してください。
スキャンは通常カウンター対象外でも、契約ごとに定義を確認します。
月間枚数だけでなく、カラー比率と繁忙時の出力集中を伝えると比較しやすくなります。

導入前に確認したいチェック項目

最後に、カタログ値を自社の運用条件へ置き換えます。
BP-C533WDは高性能なA4機ですが、最大用紙、設置空間、ネットワーク、保守のいずれかが合わなければ期待した効果は得られません。
メーカーの製品カタログと見積書を並べ、標準装備とオプションを区別して確認してください。

  1. 用紙:A3原稿の有無、封筒・ラベル・厚紙の銘柄、月間出力枚数を整理します。
  2. スキャン:片面・両面の比率、保存形式、OCR、保存先、ファイル命名を実帳票で試します。
  3. 設置:本体寸法だけでなく占有寸法、扉、階段、エレベーター、保守空間を測ります。
  4. 電源:AC100V・15Aの電源と、同一回路に接続する機器を確認します。
  5. 通信:有線・無線の選択、固定IP、VLAN、802.1X、メール送信、ファクス回線を設計します。
  6. 安全管理:初期パスワード変更、ファームウェア、不要ポート、ログ、廃棄時消去の責任者を決めます。
  7. 契約:本体、オプション、搬入、設定、リース、カウンター保守を項目別に比較します。

実機確認では自社の原稿を使う

デモが可能なら、一般的なコピー用紙だけでなく、薄い伝票、両面印刷された請求書、折り目のある原稿、名刺、カラー図表など、普段扱う原稿を持参します。
読み取り速度に加え、傾き、裏写り、白紙除去、OCR結果、ファイル容量、保存先へ届くまでの時間を確認してください。
原稿送り装置の対応坪量内でも、破れ、付箋、ステープル、強いカールがある紙は事前に整える運用が必要です。

見積書に残すべき内容

見積書には「BP-C533WD」という末尾まで含む形名、標準・追加給紙の構成、専用台、各種拡張キット、搬入条件、設定範囲、納期、保守受付、カウンター条件を記載してもらいます。
BP-C533WRとは出力速度が同じでも原稿送り装置とスキャン性能が大きく異なるため、形名の取り違えは避けなければなりません。
導入時にはファームウェア対策済みであることも確認し、設定値と管理者情報を社内の管理台帳へ残してください。

結論として、BP-C533WDは「A3出力は不要だが、両面のA4書類を速く電子化したい」という条件に合う機種です。
価格だけでなく、実原稿によるスキャン確認、必要オプション、保守、セキュリティ更新まで一つの導入条件として比較すると、選定の失敗を減らせます。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-29)

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