旧機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種
imageRUNNER ADVANCE DX 6870は、大量のモノクロ文書を速く出力し、紙原稿もまとめて電子化したい事業所に適したA3モノクロ複合機です。
A4ヨコの連続複写速度は毎分70枚で、両面同時読み取りADFを標準装備しています。
カラー印刷はできませんが、スキャンはカラー対応です。
大量帳票を扱う本部、物流・医療・教育関連の事務部門などで検討しやすい性能です。
一方、ファクスや各種フィニッシャーは標準とは限らず、必要な構成を見積もることが欠かせません。
メーカー公式サイトでは2026年9月29日時点で「在庫僅少」と表示されています。
新品導入では在庫と保守体制、代替となる現行機まで同時に確認しましょう。
imageRUNNER ADVANCE DX 6870の特徴
この機種の中心的な価値は、毎分70枚のモノクロ出力と、大量原稿を効率よく取り込める両面同時読み取りADFを一台にまとめたことです。
キヤノンの公式機種ページでは、コピー、プリント、スキャン、アドバンスドボックス、MEAP、ネットワーク、SSDを備える構成として案内されています。
一般的な中低速機よりも、複数部署から集中する出力や、締め時間前にまとまって発生する帳票処理に向く位置付けです。
印刷はモノクロ専用ですが、スキャナーはカラーで読み取れます。
カラー原稿をPDFなどに電子化しつつ、紙への出力はモノクロへ集約する運用が可能です。
カラー印刷が日常的に必要な会社では、別のカラー複合機との併用またはカラー機への一本化を検討してください。
高速出力だけでなくスキャン工程も短縮しやすい
標準のADFは、一度の搬送で原稿の表裏を読む方式です。
A4ヨコ、300×300dpiでは、片面読み取りがモノクロ・カラーとも毎分135ページ、両面同時読み取りが毎分270ページとされています。
原稿は64g/㎡紙で250枚まで積載可能です。
両面の契約書や申請書を大量に電子化する場面では、原稿を裏返して再投入する作業を減らせます。
デジタル斜行補正に加え、傾きを検知して搬送を止める異常搬送検知、超音波センサーによる重送検知も案内されています。
ただし、ホチキス針を外す、折れや付箋を直す、サイズが大きく異なる束を分けるといった原稿準備は必要です。
検知機能があることと、傷んだ原稿を無条件に通せることは同じではありません。
小サイズ原稿と静音性にも配慮
A6Rのほか、はがき、領収書、小切手などの小サイズ原稿をADFで読み取り、原稿サイズを検知して画像部分を切り出す機能が示されています。
経費証憑や店舗書類を集約する部署には実務的な利点があります。
また、紙の衝突音、搬送時の接触音、モーター駆動音を抑える設計も特徴です。
静音設計は無音を意味しませんが、連続出力が多い機械を執務エリアに置く場合の検討材料になります。
主要仕様と処理能力
imageRUNNER ADVANCE DX 6870の仕様を読む際は、同じ表に掲載される6860の列と混同しないことが重要です。
6870のA4連続複写速度は毎分70枚、A3は毎分36枚、B4は毎分40枚、B5は毎分70枚です。
ファーストコピータイムは2.7秒で、6860の数値ではありません。
書き込み解像度は1,200dpi×1,200dpiですが、コピー時は600dpi×600dpiです。
| 項目 | imageRUNNER ADVANCE DX 6870 |
|---|---|
| 方式・色 | A3対応モノクロ複合機 |
| 連続複写速度 | A4・B5:70枚/分、A3:36枚/分、B4:40枚/分 |
| ファーストコピー | 2.7秒(室温20~30度) |
| ADF | 自動両面原稿送り装置、250枚 |
| 本体寸法 | 幅620×奥行722×高さ937mm(ADFを含む) |
| 質量 | 約94kg(ADFを含む) |
| 電源 | AC100V、15A、50/60Hz |
| 最大消費電力 | 1.5kW |
用紙サイズと坪量には給紙口ごとの条件がある
最大A3のほか、仕様上は305×457mm、SRA3、B4、A4、B5、A5、A6R、はがき、封筒、ユーザー設定サイズなどに対応します。
ただし、305×457mmやA3などはカセット1非対応、SRA3や一部の用紙は手差しトレイのみという脚注があります。
用紙対応欄に名称があるだけで、すべての給紙口から使えるわけではありません。
対応坪量は、カセットとデッキが52~256g/㎡、手差しが52~300g/㎡です。
厚紙、封筒、特殊紙を常用する場合は、サイズだけでなく坪量、表面加工、通紙方向、推奨紙を販売店に確認してください。
詳しい条件はメーカー仕様ページでも確認できます。
設置寸法は本体幅だけで判断しない
本体の公称寸法は幅620×奥行722×高さ937mmですが、ADFを含む機械占有寸法は幅942×奥行722mmです。
さらに、2段カセットペディスタルまたは大容量カセットペディスタル装着時の高さは1,188mmとされています。
フィニッシャーやサイドデッキを追加すれば必要面積は広がるため、見積構成の外形図を基準に設置場所を決める必要があります。
操作性とスキャン・ネットワーク連携
操作部は10.1インチのフルフラットタッチパネルで、物理キーを抑えたハードキーレス設計です。
頻繁に使う処理を画面上で選ぶ運用に向き、従来型のハードテンキーはオプションとして用意されています。
部署ごとにコピー、スキャン送信、保存先を固定する場合は、よく使う手順を整理してからショートカットや個人設定を設計すると、機械の性能を日常業務へ落とし込みやすくなります。
プリンター機能はLIPS LXが標準で、TCP/IP上のLPD、Port9100、IPP、IPPS、FTP、WSDに対応します。
LIPS V、PS、PCLエミュレーションは標準機能と同一ではなく、用途に応じた拡張キットが必要です。
基幹システム、図面、特定フォント、PostScript前提のアプリケーションを使う場合は、出力言語とドライバーを契約前に照合しましょう。
共有フォルダーやメールへ送信できる
プッシュスキャンはFTP、SMB、WebDAVへのファイル送信と、SMTPによるメール送信に対応しています。
出力形式にはTIFF、JPEG、PDF、XPS、OOXMLのPowerPoint・Wordが示されています。
PDFの高圧縮、サーチャブルPDF/XPS生成、暗号化、機器署名なども公式の価格・仕様一覧で標準機能として案内されています。
ただし、導入時に送信先サーバーのアドレス、共有フォルダー権限、DNS、時刻、証明書、メール認証方式を設定しなければ利用できません。
古いサーバー名や個人アカウントへ依存した設定は、担当者の異動やパスワード変更で止まりやすくなります。
保存先は部署用アカウントと管理手順を決め、実際のネットワーク環境で送信試験を行うのが安全です。
クラウド連携は契約範囲を分けて考える
本体にはアドバンスドボックスがあり、標準のディスク容量は16GB、オプション時は最大480GBとされています。
さらに、uniFLOW Onlineを利用すると、Scan to Cloud、どこでも印刷、外部クラウドサービスへのシングルサインオンなどへ機能を広げられます。
ただし、uniFLOW Onlineや一部のファイリング機能、外部クラウドストレージは有償契約が必要です。
本体標準、無償設定、有償クラウドサービスを見積書で分けて確認してください。
セキュリティと文書管理
高速機は複数部署で共有されやすいため、出力速度だけでなく、誰がどの文書へアクセスできるかを設計する必要があります。
imageRUNNER ADVANCE DX 6870では、シンプルログインと強制留め置き印刷が無償の機能拡張として案内されています。
強制留め置き印刷は、PCから送ったジョブを本体に保持し、利用者が操作パネルからログインして実行する仕組みです。
人事資料や請求情報が排紙トレイへ放置されるリスクを抑えるのに役立ちます。
ICカード認証は有償で、カードリーダーライターやMEAPアプリケーションなど所定の構成が必要です。
カード認証を導入する場合は、社員証の規格、退職者カードの無効化、紛失時の代替ログイン、管理者権限を整理します。
認証を設定しただけで情報管理が完了するわけではなく、共有アドレス帳、ボックス、スキャン宛先の権限も合わせて確認してください。
保存データと送信経路を管理する
公式の価格・仕様一覧ではSSD暗号化機能が標準装備とされています。
また、PDFの暗号化や機器署名、ユーザー署名PDF/XPS生成も案内されています。
これらは保存データや電子文書の保護に利用できますが、パスワード運用、証明書の更新、管理者アカウントの保護が伴わなければ十分に機能しません。
SMB、FTP、WebDAV、SMTPなど、使用する送信方式だけを有効にし、使わない機能や不要な宛先は整理するのが基本です。
ネットワークを分離している会社では、VLAN間の通信許可、名前解決、必要ポートを情報システム担当者が確認します。
無線LANも標準仕様に含まれますが、有線と無線をどう使い分けるかは社内ポリシーに合わせましょう。
入れ替え・返却時のデータ処理も契約前に決める
本体のSSDやアドバンスドボックスには、留め置きジョブ、スキャン文書、宛先、設定情報が残る可能性があります。
導入時点で、入れ替えや返却時に誰が初期化を行うか、データ消去または媒体破壊の証明が必要かを決めてください。
消去作業が保守や撤去料金に含まれるとは限らないため、販売店・リース会社・保守会社の役割を契約書で明確にすることが大切です。
適している用途と向かないケース
適しているのは、モノクロの定型文書を大量かつ短時間に処理する組織です。
例えば、請求書や納品書をまとめて出力する本部、受付票や検査関連書類を扱う医療事務、伝票が集中する物流拠点、教材や試験資料を印刷する教育機関、複数部門の帳票出力を一台へ集約する企業が候補になります。
A4だけでなくA3やB4も使い、両面原稿の電子化件数も多い場合は、70枚機と高速ADFの両方を活用しやすいでしょう。
一方、月間の出力が少なく、ピーク時にも待ち時間がほとんどない事業所では、70枚機の能力を持て余す可能性があります。
省スペース性やファクス標準搭載を重視する小規模拠点なら、よりコンパクトなimageFORCE 4145Fなど、別クラスを含めて比較するほうが合理的です。
必要速度は月間平均だけでなく、最も混雑する時間帯の同時ジョブ数で判断します。
カラー出力が必要なら役割分担を確認する
imageRUNNER ADVANCE DX 6870はモノクロ出力機です。
カラーの提案書、掲示物、写真入り資料を社内で頻繁に印刷する用途には一台で対応できません。
高速なモノクロ機と中速カラー機を二台で運用するのか、カラー高速機へ統合するのかを、カラー比率、設置面積、保守窓口、停止時の代替手段から比較してください。
なお、モノクロ出力機でもスキャンはカラー対応です。
「カラー印刷ができない」と「カラー原稿を読み取れない」を混同しないようにしましょう。
紙文書の電子化が中心なら、出力色よりADFの速度、重送検知、保存形式、送信先との連携が選定の決め手になる場合があります。
大量印刷では後処理と給紙もボトルネックになる
本体が毎分70枚で出力できても、用紙補給、ステイプル、パンチ、冊子作成を人手で行えば全体の処理時間は伸びます。
大量の会議資料を作るなら、外付けフィニッシャー、紙折り、中綴じ、大容量給紙の必要性を成果物から逆算してください。
インナーフィニッシャー・L1は6870へ取り付けられない旨が公式資料にあるため、省スペース構成を前提にせず、対応する外付け構成と設置幅を確認する必要があります。
近い機種との比較と選び分け
同じ6800シリーズの6870と6860では、主に速度と価格を切り分けて考えます。
6870はA4毎分70枚、6860は毎分60枚で、2026年9月時点の本体標準価格はそれぞれ3,410,000円と2,830,000円です。
ADFはいずれも両面同時読み取りとして掲載されています。
したがって、スキャン速度だけを理由に6870を選ぶのではなく、出力のピーク負荷に毎分10枚の差が必要かを確認するのがポイントです。
| 比較項目 | 6870で見る点 | 判断方法 |
|---|---|---|
| 出力速度 | A4毎分70枚 | ピーク時の待ち時間と同時利用者数を測る |
| 出力色 | モノクロのみ | カラー比率と別機保有の有無を確認する |
| ADF | 両面同時・250枚 | 一回の原稿束と日次スキャン量を確認する |
| ファクス | ボードはオプション | 回線数、PC-FAX、受信転送の要否を整理する |
| 販売状況 | 在庫僅少 | 納期、代替機、保守可能期間を同時確認する |
旧世代・現行候補は同じ構成条件で比べる
既存機からの更新であれば、まずimageRUNNER ADVANCE DX 6780の利用状況を棚卸しし、必要な給紙段数、排紙オプション、FAX回線、ドライバーを洗い出します。
単に本体速度が近いだけでは、既存のフィニッシャーやアプリケーションをそのまま移行できるとは限りません。
新品の現行候補を含める場合は、同じ高速モノクロ帯としてimageFORCE 6170とimageFORCE 6160の個別ページも確認すると、在庫僅少機だけに絞らず比較できます。
比較表には本体価格だけでなく、必要オプション、搬入設置、保守、既存システムとの互換性を同じ行に並べてください。
さらに高い処理能力が必要な場合
集中印刷室や大規模拠点で70枚機でも待ち時間が解消しない場合は、より上位のimageFORCE 8186、imageFORCE 8195、imageFORCE 8105も比較対象になります。
ただし、高速化すると本体価格、寸法、電源、給排紙構成が変わり得ます。
月間平均枚数だけで上位機を選ばず、締め処理時のジョブ量、連続運転時間、停止時の業務影響を数値化して選びましょう。
本体価格・オプション・保守の考え方
2026年9月29日に確認できるメーカーの本体標準価格は、3,410,000円(税別)です。
これは本体の標準価格であり、実際の導入総額やリース料を示すものではありません。
2021年の発売資料では希望小売価格が2,800,000円(税別)でしたが、公開用記事では現在の価格表を基準にします。
発売時価格との差を値引き額として扱うことはできません。
現在の価格表では、標準的な条件での搬入手配料金36,000円、設置料金30,000円、合計66,000円がいずれも税別で示されています。
ただし、階段・段差、休日や時間外、遠隔地、クレーンなどの特殊作業、下見、既存機の搬出撤去は別料金です。
販売会社の見積額は搬入条件やサービス内容で変わるため、メーカー標準価格と販売見積を分けて確認してください。
ファクスと仕上げ機能は必要分を追加する
本機はコピー、プリント、スキャン、アドバンスドボックスなどを備えますが、一般電話回線を使うファクス機能はオプションです。
送受信にはスーパーG3 FAXボードが必要で、複数回線、IPファクス、リモートファクスには対応する追加構成と組み合わせ制限があります。
「複合機だからファクスも標準」と判断せず、回線種別、必要回線数、PC-FAX、受信文書の転送・保存を見積条件へ記載しましょう。
給紙では2段カセットペディスタル、大容量カセットペディスタル、サイドデッキなどが選択肢です。
後処理ではステイプル、中綴じ、パンチ、紙折りを構成できますが、各ユニットには中継ユニットなどの装着条件があります。
完成した資料のサイズ、枚数、とじ方を販売店へ提示し、対応する組み合わせを選定してください。
リース料とカウンター保守は個別見積で確認する
リース料は、機器とオプションの合計、搬入費を契約へ含めるか、契約期間、料率、審査条件によって変わります。
そのため、根拠のない月額へ本体価格を単純換算するのは適切ではありません。
見積では契約期間、総支払額、中途解約、満了後の返却・再リース、動産保険、撤去費の扱いまで確認します。
メーカー価格表には、感光体などの消耗品は本体価格に含まれず、別途保守サービス契約が必要と明記されています。
カウンター保守を検討する際は、モノクロ単価だけでなく、最低料金、トナーと感光体の範囲、用紙・ステイプル針の扱い、訪問可能時間、部品供給、障害時の代替対応を比較してください。
在庫僅少機では、とくに保守受付可能期間を文書で確認することが重要です。
導入前に確認する設置・運用チェック
imageRUNNER ADVANCE DX 6870の導入可否は、カタログ上の速度だけでは決まりません。
約94kgの本体を安全に搬入できる経路、オプション装着後の設置面積、AC100V・15Aの電源、ネットワーク、運用担当者、保守対応を一つずつ確認します。
メーカー上の形式は「デスクトップ」ですが、小型卓上プリンターの意味ではありません。
床置き構成を前提に、床荷重や転倒防止も含めて設置会社と確認してください。
- 玄関、エレベーター、廊下、扉、曲がり角、段差の寸法を測る
- ペディスタル、デッキ、フィニッシャーを含む完成構成の外形図を取得する
- 専用に使えるAC100V・15A電源とアースの条件を確認する
- 固定IP、DNS、SMTP、SMB、証明書、認証方式を決める
- PCとOSごとのドライバー、基幹システムの出力言語を試す
- 新品在庫、納期、保守受付期間、消耗品・部品供給を確認する
実際の原稿と成果物でテストする
契約前には、日常的に使う帳票、両面契約書、小サイズ原稿、厚紙、封筒などでテストするのが確実です。
スキャンは傾き、裏写り、OCR結果、ファイル容量、保存先での検索性を確認します。
印刷は細線、小さい文字、バーコード、両面の向き、部単位出力、ステイプル位置まで見ます。
カタログ上の最大速度は特定条件で測定された値であり、データ量、解像度、用紙、後処理、ネットワークによって実運用の処理時間は変わります。
既存機から移行する場合は、アドレス帳、部門ID、短縮宛先、ドライバー設定を無計画にコピーせず、不要な利用者や古い送信先を整理してください。
停止可能な時間帯、切り戻し手順、旧機撤去前のデータ消去も決めておくと、切り替え日の混乱を抑えられます。
在庫僅少を踏まえて代替案も用意する
2026年9月29日時点でメーカー公式ページは本シリーズを「在庫僅少」としています。
販売終了の表示ではないため直ちに中古専用機と断定はできませんが、希望構成を新品で確保できるかは見積時の確認が必要です。
納期が合わない場合に備え、現行候補を少なくとも一台選び、同じ要件表で比較しておきましょう。
中古機を検討する場合は、本体価格だけでなく、総印刷枚数、交換履歴、ファームウェア、付属オプション、データ初期化、保守加入可否、搬入設置、保証範囲を確認します。
新品・中古のどちらでも、最終判断は「毎分70枚が必要か」「カラー出力が不要か」「高速ADFを使い切れるか」「必要な保守を確保できるか」の四点に戻すと整理しやすくなります。
参考情報・出典
仕様・価格・保守条件は構成や地域で変わります。
正式な条件は最新の見積書をご確認ください。
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