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キヤノン

imageRUNNER ADVANCE DX C3935F

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

imageRUNNER ADVANCE DX C3935F
最大用紙サイズA3
カラー対応フルカラー
印刷速度35枚/分
発売日2023-08
希望小売価格(税別)2,230,000円(税別、本体標準価格)

旧機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

imageRUNNER ADVANCE DX C3935Fは、A4カラー・モノクロとも毎分35枚の出力と、両面原稿を一度に読み取る高速ADFを備えたA3カラー複合機です。
日常のコピーやプリントに加え、契約書・請求書の電子化、FAX履歴管理などを一台に集約したい事業所に適しています。
キヤノン公式ページでは2026年9月29日時点で「在庫僅少」と表示されているため、新規導入では本体を確保できるか、保守を希望期間まで組めるか、現行の後継候補と比べて妥当かを見積時に確認することが大切です。

imageRUNNER ADVANCE DX C3935Fの特徴

本機の位置付けを端的に表すと、毎分35枚の出力性能と大量原稿の電子化を両立した、標準的なオフィス向けA3カラー機です。
コピー、プリント、スキャン、FAX、ボックス、アドバンスドボックス、MEAP、ネットワーク、自動両面の各機能を備えています。
末尾の「F」を省いた別機種として扱わないよう、見積書や保守契約書でも「C3935F」まで照合してください。

シリーズ内ではC3935FとC3930Fが両面同時読み取りADF、C3926Fが両面反転読み取りADFです。
単に出力速度が違うだけではありません。
紙文書を日常的に電子化する会社では、対象機がC3935Fであることが作業時間に直結します。

35枚機としてのバランス

A4ヨコの連続複写速度はカラー・モノクロとも35枚/分です。
A3は両色とも17枚/分で、カラーのファーストコピーは7.4秒、モノクロは5.5秒です。
速度は印刷内容や仕上げ設定で変わりますが、少部数の社内資料からまとまった会議資料まで対応しやすい構成です。
主電源高速起動が有効な場合の立ち上げは10秒以下、スリープ等からのリカバリーは10秒以下とされています。
ただし使用状況や環境による条件があるため、常に同じ時間になるという保証値ではありません。

読み取り品質と日常の扱いやすさ

10.1インチのフルフラット型タッチパネルを採用し、基本操作はソフトキーで行います。
原稿読み取り部には、糊や修正液などが付着しにくい防汚コートガラスと、ゴミによる画像のスジを検知・補正する仕組みがあります。
補正があっても清掃が不要になるわけではありませんが、再スキャンを減らすための実務的な機能です。
給紙カセットには引き込みアシスト機構があり、頻繁な用紙補給にも配慮されています。

主要仕様と用紙対応

仕様を確認するときは、C3900シリーズ共通表のうちC3935Fの列と、C3935F/C3930Fに適用される脚注を読む必要があります。
C3926Fの速度や反転式ADFの値を混ぜてはいけません。
基本仕様は次のとおりです。

項目 C3935Fの確認値
方式 デスクトップ型A3カラー複合機
A4連続速度 カラー・モノクロとも35枚/分
A3連続速度 カラー・モノクロとも17枚/分
読み取り解像度 600dpi×600dpi
メモリー/SSD RAM 3.5GB、SSD標準256GB(使用領域240GB)
本体寸法 幅565×奥行722×高さ897mm(ADF含む)
質量 約86kg(ADF含む)
最大消費電力 1.5kW

標準給紙と用紙の幅

64g/m²紙では、本体カセットが640枚×2段、手差しが120枚です。
オプションの2段カセットペディスタル・AW1を加えると640枚×2段を増設できます。
カセットの対応坪量は52~256g/m²、手差しは52~300g/m²です。
A3、A4、B4、B5のほか、はがきや封筒、ユーザー設定サイズにも対応しますが、用紙ごとに使用できる給紙口が異なります。
SRA3は手差しトレイのみで、封筒にはカセット位置やアタッチメントの条件があります。
特殊紙を常用する場合は、銘柄と坪量を提示して通紙確認を依頼すると安全です。

設置寸法は本体寸法だけで判断しない

ADFを含む本体の機械占有寸法は幅894×奥行722mmです。
これは扉やカセットを開ける保守空間、作業者が立つ場所、オプションフィニッシャーの幅まで含む導入スペースではありません。
2段カセットペディスタル装着時は高さ1,145mmになります。
床の水平性、搬入経路の幅、段差、エレベーターの積載条件、電源容量も事前確認が必要です。
約86kgあるため、納品後に利用者だけで移動させる運用は避け、移設時も販売店や保守会社へ相談します。

操作性とスキャン・FAX・モバイル連携

C3935Fの強みは、紙を出力するだけでなく、社内文書をデータへ変換して受け渡せる点です。
両面同時読み取りADFは64g/m²紙で250枚を収容し、A4ヨコ・300×300dpiの片面読取ではカラー・モノクロとも毎分135ページ、両面読取では毎分270ページです。
これらは普通紙モード等の条件付きの値であり、解像度を600dpiに上げると速度は異なります。

プッシュスキャンの送信先はFTP、SMB、WebDAV、Eメールなどに対応します。
サーチャブルPDF/XPS、アウトラインPDF、OOXML生成なども標準価格表に標準装備として記載されています。
保存形式だけでなく、ファイル名、保存先、アクセス権、保存期間まで導入時に決めると活用が定着しやすくなります。

プリントとスマートデバイス

標準のLIPS LXプリンター機能は、1,200dpi×1,200dpiまたは600dpi×600dpiのデータ処理に対応します。
Adobe PostScript 3やLIPS Vはオプションなので、デザイン用途や基幹システムからの出力では必要なページ記述言語を確認してください。
OS標準印刷はMopria Print、Apple AirPrint、IPP Everywhereに対応しますが、MopriaやAirPrintは本体側で機能を有効にする必要があります。
無線LANは標準ではなくオプションです。
Wi-Fiやダイレクト接続が必要なら、無線LANボードを構成に含めます。

標準FAXと履歴管理

Super G3 FAXは標準装備で、通信速度は最大33.6kbpsです。
送信済みFAXを画像化し、日時や送信元情報とともに本体SSDまたは外部サーバーへ自動保存できます。
通信管理レポートもCSV化できるため、送信履歴の確認を紙だけに依存しない運用が可能です。
IP電話経由ではFAX通信が正常に行えない場合があるというメーカーの注意書きがあります。
既存回線、主装置、番号通知、受信転送を含め、設置前に回線事業者と販売店へ確認してください。

セキュリティー機能と安全な運用

複合機には印刷データ、宛先、スキャン画像、FAX履歴が集まるため、PCと同じネットワーク機器として管理する必要があります。
C3935Fには、利用環境を選ぶことで関連項目をまとめて設定する「おすすめセキュリティー設定」があります。
環境が分からない場合も最大4つの設問から設定タイプを案内する設計ですが、これだけで社内規程への適合が自動的に保証されるわけではありません。

メーカー発売資料では、起動時のプログラム改ざん検知と問題発生時の停止または自動復旧、SSDの暗号化、TLS 1.3、リモートUIへのワンタイムパスワードを用いた二要素認証の追加などが説明されています。
運用中はファームウエア更新、管理者パスワード変更、不要プロトコルの停止も必要です。

認証と留め置き印刷

部門別・利用者別に管理する場合は、ユーザー認証や留め置き印刷を検討します。
ICカード認証には、ICカードリーダーライターとMEAPアプリケーションなどのオプションが必要です。
カードをかざすまで文書を出力しない構成にすれば、排紙トレーへの放置や取り違えを抑えられます。
導入前に、社員証の方式、ゲスト利用、退職者アカウントの停止、認証サーバー障害時の扱いを決めておくことが重要です。

ネットワーク側で決める項目

  • 固定IPまたはDHCP予約を使い、管理対象を明確にする
  • 管理画面へ接続できる端末や管理者を制限する
  • SMB、SMTP、LDAPなど必要な通信だけを許可する
  • 証明書の発行元、有効期限、更新担当を記録する
  • 本体SSDと外部保存先に残すデータの保存期間を定める

無線LANを追加する場合はWPA3にも対応しますが、社内アクセスポイント、認証方式、端末側の対応を合わせる必要があります。
設定作業、ログ確認、廃棄・返却時のデータ消去までを一つの運用として見積もります。

適する用途と選び方

C3935Fが適するのは、A3原稿を扱いながら、カラー・モノクロを同じ速度で出力し、両面書類の電子化も頻繁に行う事業所です。
35枚/分は複数部署で共有しやすい速度帯ですが、メーカーが月間推奨印刷枚数を示したものとして本記事では扱いません。
月間枚数だけで判断せず、時間帯ごとの集中、カラー比率、スキャン量、FAX回線数、必要な仕上げを整理します。

請求書や契約書の原本を一括で読み取る総務・経理、A3図表を含む会議資料を作る事業所、FAX送信履歴を電子的に管理したい環境とは相性がよいでしょう。
一方、A4しか使わない少人数拠点では本体寸法や導入費が過剰になる可能性があります。

向いている運用

  • A3とA4のカラー資料を日常的にコピー・印刷する
  • 両面の契約書や申込書をまとめてスキャンする
  • SMBやEメール送信で紙文書を部門共有する
  • 標準FAXとPC-FAXを併用し、送信履歴も保存する
  • 認証印刷や部門管理を含む運用へ拡張する
  • ステイプルや中綴じをオプションで内製化する

特にスキャン量が多い場合、同じシリーズでも反転式ADFのC3926Fではなく、両面同時読み取りのC3935Fを選ぶ意味があります。

別構成を検討したいケース

A4文書のみで設置面積を最小化したい、出力がごく少なく高速ADFも使わない、あるいは毎分35枚ではピーク時の待ち時間を解消できない場合は別の速度帯を比較します。
冊子を頻繁に作るなら、本体性能だけでなく中綴じフィニッシャー装着時の総幅、対応枚数、用紙条件を確認します。
デザイン制作でPostScriptが必須なら、標準構成のままではなくPS拡張キットを含めた総額で判断してください。

同シリーズと現行候補の比較

C3900シリーズは、C3935Fが35枚/分、C3930Fが30枚/分、C3926Fが26枚/分です。
C3935FとC3930Fは250枚対応の両面同時読み取りADF、C3926Fは100枚対応の両面反転式です。
したがって、数枚/分の差だけで価格を比較すると、読み取り作業の差を見落とします。

比較軸 C3935Fで確認する意味
出力 A4カラー・モノクロ35枚/分
ADF 両面同時読み取り、64g/m²紙で250枚
標準価格 2,230,000円(税別)
無線LAN オプション
供給状況 メーカー公式表示は在庫僅少

新しい候補との比べ方

在庫僅少の機種を新規導入する場合は、価格だけでなく納期、保守可能期間、ファームウエア提供、既存ドライバーとの互換性まで比較します。
近い用途の候補は、imageFORCE C3135F、構成違いを確認したい場合はimageFORCE C3135FQの個別記事が参考になります。
より処理能力に余裕を持たせたい場合は、imageFORCE C3150FやimageFORCE C5140Fも候補に入れ、必要速度と構成を照合してください。

上位クラスも総額で比較する

印刷が特定時間に集中する会社や、複数部署で待ち時間が発生している会社では、上位クラスも比較対象です。
従来の同ブランド内で検討するなら、imageRUNNER ADVANCE DX C5850F、imageRUNNER ADVANCE DX C5860F、imageRUNNER ADVANCE DX C5870Fの個別ページを参照できます。
速度だけで決めず、本体価格、電源、設置幅、フィニッシャー、保守条件を同じ前提で並べることが重要です。

標準構成・オプションと価格

C3935Fの本体標準価格は2,230,000円(税別)です。
これはリース総額や毎月の支払額ではありません。
標準価格表では、LIPS LXプリンター、SEND、アドバンスドボックス、FAXが搭載され、C・M・Y・Bkのトナー各1個が同梱されます。
一方、感光体などの消耗品は本体価格に含まれず、別途保守サービス契約が必要と記載されています。

搬入・設置、ネットワーク設定、オプション取付、階段・時間外・遠隔地などの特殊作業は条件により別料金です。
リース料は本体とオプションの構成、搬入費、契約期間、審査、料率で変わるため、根拠のない月額へ単純換算しないようにします。

用途別に選ぶ主なオプション

  • 2段カセットペディスタル・AW1:用紙種類や給紙容量を増やす構成
  • インナーフィニッシャー・L1:本体周辺を比較的コンパクトに保ちながらステイプル等を追加
  • 中綴じフィニッシャー・AE1:中綴じ、サドル折り、針なしとじ等を追加
  • 無線LANボード・F1:無線ネットワークやダイレクト接続に必要
  • PS拡張キット・BF1:Adobe PostScript 3を使用する場合に必要
  • ICカード関連:社員証等による認証運用に合わせて選定

オプションには同時装着できない組み合わせや、別部品を前提とするものがあります。
名称だけで注文せず、構成図を販売店と照合してください。

見積書でそろえる条件

本体価格、オプション、搬入設置、初期設定、既存機の撤去、リース期間、所有権、途中解約条件、保守対象、カウンター料金、最低料金、トナー配送、部品代、訪問対応時間を分けて確認します。
在庫僅少品では、本体を確保できる期限と見積有効期限も重要です。
中古機や再生機として提案された場合は、製造・稼働履歴、総カウンター、消耗部品の交換状況、保守加入の可否を新品見積とは別に確認します。

導入前に確認したい在庫・保守・設置条件

本機は2023年8月下旬から順次発売されたシリーズです。
メーカー公式製品ページは2026年9月29日の確認時点で「在庫僅少」と表示しており、生産完了ページへ移された機種としては扱われていません。
ただし、「在庫僅少」は希望時期の新品供給を保証する表示ではありません。
公開価格が掲載されていても、販売店在庫、納期、選択できるオプションは変動するため、発注前に書面で確認します。

導入判断では「本体が買えるか」だけでなく、「必要な保守を希望年数まで継続できるか」「代替機や部品の対応条件はどうなるか」を同時に確認することが重要です。

現地調査のチェックリスト

  1. 本体とオプションを含む設置幅、扉・カセットの開閉空間を測る
  2. 搬入口、廊下、曲がり角、階段、エレベーターを確認する
  3. 最大消費電力1.5kWを前提に電源とコンセント位置を確認する
  4. 有線LAN、固定IP、DNS、SMTP、共有フォルダーの情報を準備する
  5. FAX回線の種類、主装置、受信転送、番号表示の要件を整理する
  6. PCとOSの台数、ドライバー配布方法、PostScriptの要否を確認する
  7. A3、厚紙、封筒など実際の用紙で給紙条件を照合する

契約前の最終判断

C3935Fは、35枚/分のA3カラー出力と高速両面スキャンを一台にまとめたい会社にとって、現在も検討理由のある機種です。
ただし、新品供給が潤沢な現行機と同じ感覚で契約するのは避けます。
見積には正確な型番、商品コード5961C001、標準・追加オプション、納期、保守開始日、保守終了条件、代替対応を記載してもらいましょう。
現行候補との総額差が小さい場合は、将来の更新や保守継続性を含めて新しい世代を選ぶ判断も合理的です。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-29)

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