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キヤノン

imageFORCE 8105

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

imageFORCE 8105
最大用紙サイズA3
カラー対応モノクロ
印刷速度105枚/分
発売日2025-09
希望小売価格(税別)7,150,000円(税別、本体標準価格。オプション・搬入設置・保守等は別)

新機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

imageFORCE 8105は、A4ヨコ毎分105枚の高速出力と2,400×2,400dpiの書き込み解像度を備えた、キヤノンのA3モノクロ複合機です。
大量の帳票、会議資料、教材、マニュアルなどを一か所で集中的に出力する運用に向いています。
250枚収容の自動両面原稿送り装置や高速両面読み取りにも対応し、紙文書の電子化にも強い構成です。
一方で、本体は大きく重量もあるため、一般的な中小規模オフィスの標準機として選ぶのではなく、実際の月間出力、ピーク時の処理量、電源、床、搬入経路、後処理の内容まで確認して導入を判断する必要があります。

imageFORCE 8105の特徴

imageFORCE 8105は、キヤノンがimageFORCE 8100シリーズの最上位速度モデルとして展開するコンソール型のA3モノクロ複合機です。
キヤノン公式の製品概要では、8105、8195、8186の3モデルが案内され、8105の連続複写速度はA4ヨコで毎分105枚とされています。
大量出力を短時間で処理することが、この機種を選ぶ中心的な理由です。

速さだけでなく、R-VCSELテクノロジーによる高精細な出力も特徴です。
小径の赤色マルチレーザーを用い、書き込み解像度2,400×2,400dpiを実現しています。
細い罫線や小さな文字を含む帳票、契約資料、技術文書を大量に印刷する現場で検討しやすい仕様です。
ただし、コピー時の解像度は600×600dpiであり、プリント時の書き込み解像度と同じ意味ではありません。

大量原稿の読み取りミスを抑える設計

標準の自動両面原稿送り装置は250枚を収容でき、300dpiでは片面読み取りがカラー・モノクロとも毎分135ページ、両面同時読み取りが毎分270ページです。
さらに、ステイプルされた原稿などの傾きを検知して搬送を止める異常搬送検知と、超音波センサーで2枚送りを見分ける重送検知を搭載しています。
読み取りガラスには汚れの付着を抑えるコートが施され、画像処理によるスジ補正にも対応します。
速度だけでなく、原稿の欠落や再スキャンを減らすための仕組みが組み合わされています。

厚紙や多様な用紙を扱える

新定着機構と転写ベルト方式によって、厚紙にも効率よく熱を伝える設計です。
本体のカセットと手差しでは52~300g/m²、デッキでは52~220g/m²の用紙に対応します。
SRA3、330×483mm、はがき、封筒、ユーザー設定サイズも仕様に含まれますが、給紙口やオプションごとに対応範囲が異なります。
特殊紙を継続使用する場合は、用紙銘柄、坪量、表面加工、給紙場所を販売店へ伝え、実紙で通紙と定着を確認するのが安全です。

主要仕様と処理能力

キヤノン公式仕様で8105の列を確認すると、同じ表に掲載される8195、8186とは速度や一部の時間が異なります。
対象列を取り違えないことが重要です。
主な確認済み仕様は次のとおりです。

項目 imageFORCE 8105
方式・色 コンソール型・モノクロ
最大原稿サイズ A3
連続複写速度 A4・B5:105枚/分、B4:62枚/分、A3:53枚/分
ファーストコピー 4.9秒
書き込み解像度 2,400×2,400dpi(コピー時600×600dpi)
ADF容量 250枚(64g/m²)
本体寸法 幅964×奥行868×高さ1,185mm(ADFを含む)
質量 267kg(ADFを含む)
電源 AC100V・20A・50/60Hz

給紙容量は標準部とオプションを分けて考える

仕様表には、680枚のカセット、300枚の手差し、2,090枚×2のデッキに加え、5,700枚の多段デッキ・E1が記載されています。
この5,700枚はオプションです。
必要な給紙量を決めるときは、標準で使える部分と追加機器を分け、よく使うA4、A3、色紙、厚紙をどの給紙段へ割り当てるかまで設計します。
単に最大値を合計すると、実際の構成や用紙制限と合わなくなるため注意が必要です。

立ち上がり時間も運用に含める

8105の主電源立ち上げ時とスリープ復帰時は、いずれも室温20度で300秒以下です。
常時大量出力する現場では、稼働時間帯と省電力設定のバランスが重要になります。
昼休みごとに主電源を切るような運用より、管理ルールに沿ってスリープを利用し、始業前後の待ち時間を見込むほうが実務に合う場合があります。
温度や使用条件で変動するため、300秒を常に保証される固定時間とは考えません。

操作性とスキャン・ネットワーク連携

大量処理機では、出力速度だけでなく、用紙補給やスキャン設定にかかる手間も全体の生産性を左右します。
imageFORCE 8105は見やすさを意識したUIを採用し、カセットやトレイ内部を紙と見分けやすい黒色にしています。
排紙部は出力紙を確認しやすく、取り出しやすい曲線形状です。
給紙カセットには引き込みアシストがあり、重量のある用紙を補給する場面でカセットを閉じる動作を支援します。

ネットワークは1000Base-T、100Base-TX、10Base-Tに標準対応し、無線LANはオプションです。
LIPS LXプリンター機能が標準で、WindowsとmacOSに対応します。
OS標準の印刷機能として、IPP/IPPS、Mopria Print、Apple AirPrint、IPP Everywhereにも対応しますが、端末やOSによって有効化などの条件があります。
既存のプリントサーバー、認証方式、端末管理方針と合わせて導入設計を行います。

紙文書を複数の形式で電子化できる

送信先にはSMB、FTP、WebDAV、メールを利用でき、PDF、JPEG、TIFF、XPSのほか、検索可能なOCR付きPDF、暗号化PDF、PDF/A-1b、Office Open XMLのPowerPoint・Wordなどの出力形式が用意されています。
Microsoft Exchange OnlineとGoogle Workspaceへのメール送信ではOAuth 2.0認証に対応します。
実際の利用可否は、テナント側のポリシー、証明書、ネットワーク経路、管理者設定も含めて確認してください。

ファクスは標準ではなくオプション

Super G3 FAXとIPファクスはオプションです。
ファクスを利用する場合は、回線種別、必要回線数、PCファクス、受信文書の転送、履歴保存まで含めて構成します。
送信済みファクス画像を本体SSDや外部サーバーへ保存し、通信管理レポートをCSV化する機能も案内されています。
紙での通信管理を減らせる一方、保存先のアクセス権、保存期間、個人情報の取り扱いルールは導入側で決める必要があります。

セキュリティー機能と導入時の設定

imageFORCE 8105は、文書、デバイス、ネットワークとクラウドの3方向から保護する考え方を採用しています。
特徴的なのが「おすすめセキュリティー設定」です。
データの流れから利用環境を推定し、6種類のセキュリティータイプから適したものを選ぶことで、80項目を超える関連設定を一括で反映できます。
専任担当者が少ない組織の初期設定を助ける機能ですが、選択後の設定内容を確認せずに済むという意味ではありません。

利用者認証では、暗証番号やICカードなど異なる要素を組み合わせる多要素認証に対応し、暗証番号に加えてパターン認証も利用できます。
Microsoft Entra IDを認証先にしたシングルサインオンも用意されています。
社内のID管理と結び付ける場合は、退職者や異動者の権限反映、共用アカウントの禁止、障害時の代替手順まで決めておくと運用が安定します。

本体の改ざん対策

本体起動時には不正プログラムが混入していないかシステムを検証し、改ざんを検知した場合は起動を停止したうえで自動復旧する仕組みがあります。
稼働中もプログラムの改ざんや未知のモジュールの実行を阻止する設計です。
ただし、機器側の機能だけで全てのリスクを解消できるわけではありません。
管理者パスワードの変更、不要なプロトコルやUSB利用の制限、ファームウエア更新、時刻同期、証明書管理、ログ確認を運用に組み込みます。

初期設定で決めておく項目

  • 印刷物をすぐ出力するか、認証後に出す留め置き印刷を使うか
  • スキャン送信先を部署別に制限するか
  • 管理者と一般利用者の権限をどこまで分離するか
  • SMB、FTP、WebDAV、メールのうち必要な経路だけを有効にするか
  • ログの確認者、保管期間、異常を見つけた際の連絡手順

機器が届いてから決めるのではなく、ネットワーク担当者、文書管理責任者、販売店の三者で事前に整理するのが確実です。

適する用途と向かない運用

imageFORCE 8105が適するのは、モノクロ文書を大量かつ集中して処理し、出力待ち時間を短縮したい組織です。
たとえば、基幹システムから帳票をまとめて出す本部、請求書や明細を処理する事務センター、教材や試験資料を扱う学校、会議資料やマニュアルを内製する部署が候補になります。
A4だけでなくA3や厚紙を扱い、給紙や仕分け、綴じまで一連の作業として設計したい場合にも検討しやすい機種です。

一方、印刷量が少ない小規模事業所や、カラー資料が中心のオフィスには能力が過大になりやすいでしょう。
本体価格だけでなく、267kgの重量、電源、設置面積、保守体制まで必要になるためです。
また、本機はモノクロ機なので、カラーの提案書、写真、販促物を日常的に出力する用途は別のカラー複合機か外部印刷を組み合わせます。

月間枚数だけでなくピーク量を見る

機種選定では、平均の月間出力枚数だけでは判断が足りません。
月末、請求日、会議前、年度替わりなど、短時間に何枚出力するかを調べます。
平均枚数が同じでも、毎日均等に印刷する会社と、締め日に数万枚が集中する会社では必要な速度が異なります。
ジョブの開始から用紙補給、排紙回収、仕分けまでを計測し、毎分105枚のエンジン性能が実際の待ち時間短縮につながるかを確認します。

スキャンセンターとして使う場合

250枚ADFと両面同時読み取りを生かし、保存書類の電子化拠点として運用する方法もあります。
事前にホチキスや付箋を除去し、原稿サイズや紙質をそろえ、重送検知を有効にして読み取ります。
OCR結果は原稿品質や文字種で変わるため、重要文書では件数、ページ数、検索性を確認する工程が必要です。
ファイル名、保存先、アクセス権、原本廃棄の承認まで決めて初めて、継続可能な電子化業務になります。

同シリーズと他機種の比較

8100シリーズ内では、8105がA4毎分105枚、8195が95枚、8186が86枚です。
8105と8195のファーストコピーは4.9秒、8186は5.6秒です。
主電源立ち上げとスリープ復帰は8105・8195が300秒以下、8186が120秒以下となります。
速度だけを見ると8105が最上位ですが、立ち上がり、価格、実際のピーク量まで含めると、下位モデルのほうが合理的なケースもあります。

比較項目 8105を選びやすい条件 再検討したい条件
出力速度 短時間に大量のA4文書が集中する 出力が一日を通じて分散する
画質 小さい文字や細線を含む帳票が多い カラーや写真が中心
給排紙 大容量給紙や高度な後処理が必要 標準的なカセット容量で足りる
設置 専用電源と十分な床面積を確保できる 狭い執務室や移設の多い拠点

メーカーをまたいで比較する候補

同じ高速モノクロ分野でも、速度、操作性、保守拠点、既存システムとの相性は異なります。
候補を広げる場合は、BP-70M75、BP-70M90、MX-M1056、MX-M1206、RICOH IM 8000、RICOH IM 9000の各機種記事も比較材料になります。
リンク先の数値を単純に並べるだけでなく、必要なフィニッシャーを装着した完成構成、電源、占有寸法、保守条件を同じ基準で見積もることが大切です。

比較テストで確認したいこと

  1. 普段使うPDFや基幹帳票を同じ設定で出力する
  2. 小さい文字、罫線、網掛け、バーコードの再現を確認する
  3. 厚紙や指定帳票を実際の給紙段から連続搬送する
  4. スキャン後の傾き、裏写り、OCR、ファイル容量を比べる
  5. 紙詰まり処理、トナー交換、用紙補給を担当者が試す

仕様表の最大値より、自社の原稿と用紙で安定して処理できるかを重視します。

本体価格・オプション・契約構成

imageFORCE 8105の本体標準価格は7,150,000円(税別)です。
公式価格表では、imageFORCE 8105シリーズ本体4,840,000円と、imageFORCE 8105ライセンス2,310,000円の合計として示されています。
価格と構成は公式の商品価格・仕様一覧表でも確認できます。
この金額は税別の本体標準価格であり、必要なオプション、搬入、設置、設定、保守、リース費用までを含む総額ではありません。

標準ではLIPS LXプリンター機能を備えますが、Adobe PostScript 3、PCL、FAX、無線LANなどは利用目的に応じてオプションを選びます。
排紙側も、単純なトレイ、中綴じ、ステイプル、パンチ、折り、インサーターなど、成果物に合わせて構成が変わります。
高速機は後処理工程が遅いと全体の生産性が上がらないため、「何枚出すか」だけでなく「出した後に何をするか」を見積書へ反映させます。

リースと保守は条件を分けて確認する

リース料は、本体とオプションの導入金額、契約期間、審査、料率などで変わります。
カウンター保守も、月間枚数、用紙やトナーの扱い、部品、出張対応範囲、最低料金などで条件が異なります。
そのため、根拠のない月額やカウンター単価で判断せず、本体構成表、リース見積書、保守契約書を分けて確認してください。
大量出力機では、障害時の受付時間、代替出力の手段、消耗品の補充方法も業務継続に直結します。

見積書に明記したい内容

  • 8105本体と速度ライセンスの名称、商品コード、価格
  • 給紙、排紙、綴じ、折り、パンチ、FAX、プリンター言語の各オプション
  • 搬入設置、階段やクレーンなどの特殊作業、既存機の撤去費
  • ドライバー配布、スキャン、認証、アドレス帳移行などの設定作業
  • リース期間、保守範囲、カウンター条件、トナー配送、障害受付時間

完成構成で比較すれば、後から必要なオプションが判明して予算が膨らむリスクを抑えられます。

導入前に確認する設置・運用条件

imageFORCE 8105は、ADFを含めて幅964×奥行868×高さ1,185mm、質量267kgです。
仕様にある機械占有寸法の幅2,001×奥行868mmは、中綴じフィニッシャー・AC2を装着し、手差しトレイと補助トレイを伸ばした条件です。
別のフィニッシャーや大容量給紙装置を付ければ必要寸法は変わります。
最終構成図を使い、扉、廊下、エレベーター、曲がり角、床の段差、設置後の保守スペースまで実測してください。

電源はAC100V・20A、最大消費電力は2.0kWです。
同じ壁面のコンセントが空いているだけでは判断せず、専用回路の要否、ブレーカー容量、接地、配線経路を施設担当者や電気工事担当者へ確認します。
重量が集中するため、床の耐荷重や水平性も重要です。
地震対策キットは用意されていますが、設置床や装着オプションによって条件があるため、販売店による現地調査を受けると確実です。

運用開始前のチェックリスト

  1. 直近12か月のモノクロ・カラー別出力枚数とピーク日の枚数を集計する
  2. A4、A3、厚紙、封筒など、使用する用紙と給紙段を決める
  3. 完成構成の寸法、重量、電源、搬入経路を現地で確認する
  4. IPアドレス、DNS、SMTP、SMB、認証、証明書の担当者を決める
  5. 留め置き印刷、スキャン権限、ログ、ファクス保存のルールを決める
  6. 保守受付時間、復旧目標、トナー在庫、故障時の代替出力先を確認する
  7. 実際の帳票と用紙で出力・スキャン・後処理テストを行う

発売時期と現行性

2025年8月5日のキヤノン発表では、imageFORCE 8105を含む8100シリーズの発売時期は2025年9月上旬とされています。
日単位の発売日は公式資料で確認できなかったため、本記事では特定の日付に置き換えていません。
2026年9月29日時点では、キヤノンの現行商品一覧と個別ページに掲載されています。
導入時には最新の供給状況、納期、ファームウエア、対応OS、オプション在庫を販売店へ改めて確認してください。

imageFORCE 8105は、単に速い複合機ではなく、大量出力、原稿電子化、給排紙、後処理を一つの業務ラインとして整えるための機種です。
能力を生かすには、実際のピーク処理量と完成構成を基準に選定することが重要です。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-29)

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