新機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種
BP-80C80は、大量のカラー資料を短時間で出力し、紙文書の電子化や販促物の内製化まで進めたい事業所に適した、シャープの高速A3フルカラー複合機です。
カラーはA4ヨコで毎分80枚、モノクロは毎分81枚。
両面同時読取原稿送り装置は、所定の条件で両面毎分300ページを読み取ります。
一般的な小規模オフィス向け機より本体、電源、設置面積が大きいため、単純な速度比較だけでなく、月間の出力集中、用紙、後処理、保守、搬入経路まで含めて選ぶことが大切です。
BP-80C80の特徴
BP-80C80は、シャープが2026年6月15日に発売したコンソール型のデジタルフルカラー複合機です。
メーカーの発売資料では、少部数で多様な印刷や短納期の仕事を社内で処理する需要を想定し、高速印刷、厚紙対応、原稿の高速読み取り、多彩な後処理を主要な価値として挙げています。
コピー、ネットワークプリント、ネットワークスキャン、ファクス、両面同時読取原稿送り装置、無線LAN、Sharp OSAは標準装備です。
インターネットファクスはオプションなので、名称が似た標準ファクスと混同しないようにします。
最大の特徴は、A4ヨコの連続複写速度がフルカラー毎分80枚、モノクロ毎分81枚であることです。
朝の会議前や締め切り直前など、短時間に出力が集中する職場で待ち時間を抑えやすい性能です。
ただし、毎分80枚という値はA4ヨコの同一原稿を連続して複写する条件によるもので、A3ではカラー・モノクロとも毎分37枚です。
画質安定化処理によって一時的に出力が止まる場合もあるため、すべてのデータが常に公称速度で終わるという意味ではありません。
多様な用紙と内製化に対応
本体トレイは60~300g/m²、手差しトレイは55~300g/m²に対応します。
メーカーは、オプションの大容量給紙トレイから給紙する場合、220g/m²までの厚紙を普通紙と同じ速度で印刷できると案内しています。
SRA3、A3ワイド、封筒、エンボス紙なども扱えるため、通常の事務文書に加え、POP、パンフレット、提案書の表紙などを社内制作する用途に向きます。
最長1,300mmの長尺プリントにも対応しますが、長尺給排紙用オプションが推奨されており、用紙銘柄や出力条件は事前確認が必要です。
高速運用を支える機構
原稿送り装置には64g/m²紙を最大375枚セットでき、最大220g/m²の原稿に対応します。
重送を検知すると読み取りを停止する機能もあり、大量の契約書や報告書をまとめて電子化する際の読み飛ばし対策になります。
出力中にトナーが切れた場合でも運転を止めずに交換できるコンティニュアスラン、トナー交換や紙詰まりへの対応を前面から行えるフロントアクセスも備えています。
高速性だけでなく、連続業務を中断しにくい設計まで含めて評価したい機種です。
BP-80C80の主要仕様
シャープのBP-80C80仕様ページで確認できる主な数値をまとめます。
速度は用紙方向やサイズで異なり、スキャン速度にも解像度や原稿条件があります。
仕様表の最大値だけで判断せず、自社が実際に使うA4・A3の比率、カラー比率、原稿状態を当てはめて検討してください。
| 項目 | 確認済み仕様 |
|---|---|
| 形式・カラー | コンソール型、フルカラー |
| A4ヨコ連続複写 | カラー80枚/分、モノクロ81枚/分 |
| A3連続複写 | カラー・モノクロとも37枚/分 |
| ファーストコピー | カラー4.6秒、モノクロ3.5秒(A4ヨコ給紙) |
| スキャン | 片面150ページ/分、両面300ページ/分(A4ヨコ、200/300dpi、メーカー所定条件) |
| 標準給紙 | 4トレイ3,300枚+手差し100枚、合計3,400枚(64g/m²紙) |
| 最大給紙 | 大容量給紙トレイを加えて7,400枚(64g/m²紙) |
| 本体メモリー・ストレージ | メモリー6GB、SSD 256GB。オプションで最大SSD 512GB |
| 本体寸法・質量 | 幅845×奥行890×高さ1,249mm、約208kg |
| 電源 | AC200V、15A、50Hz/60Hz共通 |
| 最大消費電力 | 3.0kW以下(オプションを含む本体仕様値) |
解像度と用紙サイズ
読み取り解像度は、モノクロが600×600dpiまたは600×400dpi、フルカラーが600×600dpiです。
書き込みは600×600dpi、9600dpi相当×600dpi、1200×1200dpiに対応しますが、1200×1200dpiはモノクロのみという脚注があります。
複写原稿は最大A3です。
一方、出力用紙はSRA3(320×450mm)やA3ワイド(305×457mm)にも対応するため、A3仕上がりの印刷物に断裁用の余白やトンボを付ける用途にも使えます。
給紙容量を読むときの注意
標準3,400枚と最大7,400枚はいずれも64g/m²紙で示された値です。
厚い用紙を使えば同じ枚数を収容できるとは限りません。
また、最大構成には4,000枚の大容量給紙トレイが必要です。
A3系の大量給紙を優先する場合は、A3対応の別オプションを選ぶ構成もあるため、単に最大枚数だけを見るのではなく、常用サイズ、坪量、補給回数、設置幅を合わせて決める必要があります。
操作性とスキャン・クラウド連携
操作部には10.1インチのフルフラットパネルを採用しています。
アイコンを中心にした画面で、ホーム画面は利用部署に合わせてカスタマイズ可能です。
コピーを多用する受付、スキャン中心の総務、定型出力の多い店舗などで、よく使う機能を前面に置けば操作の迷いを減らせます。
表示言語の切り替え、原稿セットや取り忘れを知らせるランプ、青・白・橙のインフォメーションLEDも備えています。
スキャンのシンプルモードでは、自動設定を選ぶと解像度、原稿の天地、白紙飛ばしなどを機械が設定します。
AIも利用して解像度、階調数、圧縮率を判定する仕組みです。
原稿の傾き補正、不定形サイズ検知、幅の異なる原稿の混載、少数色スキャンも利用できます。
ただし、自動判定が保存基準や証拠書類の要件を満たすとは限りません。
重要文書は、解像度、色、ファイル形式、原稿の向きを業務ルールに合わせて固定する運用が安全です。
OCRと多彩な保存形式
OCRは標準搭載され、スキャンした文書をサーチャブルPDF、DOCX、XLSX、PPTX、TXT、RTFなどへ変換できます。
高圧縮PDFやPDF/A、暗号化PDFにも対応します。
複数の領収書や写真を一度に読み取り、個別ファイルとして保存するマルチクロップ/写真クロップ、複数の名刺を個別に保存してアドレス帳登録へつなげる名刺スキャンもあります。
OCR結果は原稿品質、文字サイズ、レイアウトなどに左右されるため、検索性の向上には有効でも、数値や固有名詞を無確認で基幹データへ登録しない運用が必要です。
クラウド、モバイル、ファクス連携
クラウドコネクターを利用すると、本体から対応するクラウドサービスへスキャンデータをアップロードし、保存済みデータを印刷できます。
Microsoft Entra IDを外部認証に選択し、OneDrive for Businessなどへのシングルサインオンを構成することも可能です。
受信ファクスは共有フォルダーやメールへ転送でき、対応クラウドストレージへの転送機能も案内されています。
AirPrint、Universal Print from Microsoft、ChromeOSからの印刷、NFCを利用したAndroid端末との接続にも対応します。
必要なアプリ、ユーザー認証、インターネット接続、クラウド契約は機能ごとに異なるため、導入前にネットワーク管理者と条件を整理してください。
セキュリティと管理機能
BP-80C80は、起動時にBIOSの異常を検証し、異常を検知した場合は起動を中止して自動復旧する機能を備えます。
BIOSがファームウェアを検証し、異常時に修復する仕組みもあります。
本体ストレージへ蓄積したデータは暗号化して保存し、出力または送信後に自動消去します。
これらは、複合機を単なる出力装置ではなく、文書データを一時的に保持するネットワーク端末として管理するための基盤です。
通信面ではSSL/TLS、IPsec、IPアドレス・MACアドレスフィルタリングなどを利用できます。
Active Directoryと連携し、パソコンと同様の認証情報で利用者を識別することも可能です。
ICカードを使う場合はカードリーダーなどの構成確認が必要です。
無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応しますが、有線・無線のどちらでも、初期パスワードの変更、管理画面への接続元制限、不要プロトコルの停止、証明書更新、ファームウェア更新を導入手順に含めるべきです。
放置印刷と誤出力を抑える機能
プリントホールドや親展プリントを使えば、利用者が本体で操作するまで文書を出力しない運用にできます。
標準のプリントリリース機能では、同一ネットワーク上でグループ化した対応複合機から本人が出力先を選べるため、混雑回避と放置印刷の抑止に役立ちます。
マイフォルダープリントは、印刷文書をユーザーごとのフォルダーへ振り分けて本体ストレージに保存します。
便利な反面、保存期間や削除責任が曖昧になるとデータが残り続けるため、管理規程と定期消去の方針を先に決めます。
追加セキュリティはオプション
データセキュリティキットBP-FR12Uは、ドキュメントコントロールを含む、より高度な保護を追加するオプションです。
Bitdefender社のスキャンエンジンを利用するウイルス検知キットBP-VD10も別売で、利用にはインターネット接続が必要です。
標準機能とオプションを一括して「搭載済み」と捉えず、情報資産の区分、外部認証の有無、NAS機能の利用、監査要件を基に選定してください。
返却や廃棄時は個人情報初期化設定を実行し、販売会社とデータ消去の手順・証跡を確認することも重要です。
BP-80C80が適する用途
BP-80C80が向くのは、月間枚数の多さだけでなく、短い時間帯に印刷や読み取りが集中する事業所です。
本部から店舗へ配る資料を一斉に印刷する企業、多人数の会議資料を当日に更新する組織、申込書や契約書をまとめて電子化する部門では、80枚/分のカラー出力と両面300ページ/分の読み取りを活かしやすくなります。
標準給紙が3,400枚あるため、常用紙を複数トレイに分け、大量ジョブ中の補給回数を抑える運用も可能です。
一方、少人数で一日数十枚程度しか出力しない職場では、速度を使い切れず、AC200V電源や約208kgの本体、保守費を含む負担が先行する可能性があります。
高速機は「速いほど安心」ではなく、繁忙時に現在の機械で何分待っているか、外注印刷や手作業の後処理にどれだけ時間を使っているかを数値化して判断するのが適切です。
販促物や冊子を内製したい職場
SRA3、A3ワイド、最大300g/m²の用紙、最長1,300mmの長尺出力に対応し、Adobe PostScript 3も標準です。
オプションを組み合わせれば、中とじ、ステープル、パンチ、紙折り、断裁などの後工程も自動化できます。
そのため、短納期のPOP、提案書、研修冊子、ダイレクトメールなどを必要な部数だけ作る用途と相性があります。
ただし、商業印刷機と同じ色管理や断裁精度を保証するものではありません。
用紙との適合、期待する色、表裏位置、折り・とじの仕上がりは、実データと実用紙による事前検証が欠かせません。
大量の紙文書を扱う管理部門
375枚積載の原稿送り装置、重送検知、両面同時読み取り、OCR、傾き補正、白紙飛ばしは、総務、経理、法務、教育機関、医療・福祉施設などの紙文書整理に役立ちます。
ドキュメントファイリングでは、本体に保存したデータの再印刷や送信、複数ファイルの結合も可能です。
もっとも、個人情報や機密文書を本体へ保存する場合は、利用者認証、保存先、保持期間、バックアップ、削除方法を定める必要があります。
高速スキャンの導入と文書管理ルールの整備を同時に進めることで、機能を安全に活かせます。
比較候補と選び分け
BP-80C80を比較するときは、速度が近い機種だけでなく、「必要な処理をどこまで本体一台で行うか」で候補を分けます。
高速カラー機の比較候補としては、RICOH IM C8010やApeos C8180があります。
速度帯の異なる候補も含めるなら、TASKalfa MZ7001ciやApeos C7070も確認できます。
各ページは候補を整理する入口として使い、最終的には同じ用紙、同じフィニッシャー、同じ保守条件で見積もりを比較してください。
中速機で足りるかを先に確認
出力が分散しており、大量ジョブが少ない場合は、よりコンパクトな中速機で十分なことがあります。
シャープ製品内ではBP-61C26やBP-71C26を比較候補に入れると、BP-80C80の速度、給紙、後処理能力へ投資する必要性を整理しやすくなります。
卓上に近い小型機も検討したい場合はBP-22C20も候補ですが、設置性を優先する機種と大量処理向けのBP-80C80では役割が異なります。
台数を一台へ集約するのか、複数部署へ分散するのかも同時に検討します。
比較表に入れるべき条件
比較表には、A4カラー速度だけでなく、A3速度、ファーストコピー、スキャンの片面・両面速度、原稿積載枚数、標準給紙、常用する厚紙の速度、必要な後処理、電源、設置幅を入れます。
さらに、リース期間、カウンター料金に含まれる範囲、最低料金、トナーと部品の扱い、訪問対応時間、クラウドや認証設定の費用も揃えてください。
高速機では停止時の業務影響も大きいため、代替出力先を用意できるか、保守拠点からの距離、障害受付時間も選定要素になります。
公称速度だけの順位では、実際の運用コストや復旧時間を比較できません。
オプション構成と価格
BP-80C80の本体希望小売価格は5,600,000円(税別)です。
価格はメーカーの機種個別ページで確認できます。
メーカーの2026年4月版カタログには、掲載価格に配送、設置、付帯工事、オプション取付、使用済み複合機の引き揚げなどが含まれない旨が記載されています。
また、本体希望小売価格には感光体や現像剤などの消耗品も含まれません。
したがって、本体価格を導入総額やリース対象総額と同一視しないことが重要です。
実際の見積もりは、本体、必要なオプション、搬入設置、電源工事、ネットワーク設定、リース条件、保守条件をまとめて作成します。
リース料は物件金額、契約期間、審査、料率などで変わり、カウンター料金も出力見込みや保守範囲で異なります。
根拠のない月額換算より、同一構成の見積書で総支払額と契約終了時の扱いを比べる方が確実です。
後処理オプションの選び方
公式オプションページでは、100枚とじ用のBP-FN20/BP-FN21と、65枚とじ用のMX-FN34/BP-FN19が案内されています。
中とじ製本が必要ならサドルフィニッシャー、通常のステープル中心ならフィニッシャーを選びます。
BP-FN19は巻き三つ折りや最大5枚の重ね巻き三つ折り、針なしステープルにも対応します。
大容量側では、紙そろえやオフセット排出、薄紙・光沢紙の密着を抑える送風機能を利用できます。
紙折りユニットMX-FD10やトリマーユニットMX-TM10には接続できるフィニッシャーが決まっているため、単品ではなく依存関係を含むシステム構成で確認します。
給紙・通信・セキュリティの追加
大量給紙にはA4/B5対応のBP-LC12と、SRA3やA3系にも対応するMX-LCX3 Nがあります。
枚数だけで選ぶと、導入後に必要サイズを入れられないおそれがあります。
インターネットファクスにはMX-FWX1、ファクス回線の増設にはBP-FL10、SSDを512GBへ拡張するにはBP-SD10が必要です。
BP-VD10やBP-FR12Uも別売です。
必要な機能をすべて追加すると、質量、設置幅、消費電力、必要コンセントが本体単体から変わります。
将来使うかもしれない機能を一括搭載するのではなく、業務フローと利用頻度を確認して構成を絞ると、初期費用と設置負担を管理しやすくなります。
導入前に確認したいこと
BP-80C80は本体だけで幅845×奥行890×高さ1,249mm、約208kgあり、手差しトレイ伸長時の機械占有寸法は幅1,245×奥行890mmです。
搬入口、エレベーター、廊下、曲がり角、段差、床の耐荷重を事前に確認してください。
フィニッシャーや大容量給紙トレイを付ければ、さらに横幅と質量が増えます。
完成構成の外形図を使い、扉や引き出しを開ける保守スペース、排紙物を取り出す動線、用紙を保管する場所まで図面へ落とし込む必要があります。
本体電源はAC200V・15Aで、一般的なAC100Vコンセントへそのまま接続する機種ではありません。
100枚とじフィニッシャーなど、構成によってはオプション用のAC100V専用電源も必要です。
電源工事の要否、アース、ブレーカー容量、コンセント位置を施工前に確認します。
動作時の放射音圧レベルは仕様上60dBで、メーカーも作動音が気になる場合は執務室と別室への設置を案内しています。
速度だけで設置場所を決めず、音、熱、換気、利用者の歩行動線も考慮してください。
用紙と出力品質を実データで確認
特殊紙、封筒、ラベル紙、光沢紙、エンボス紙、インデックス紙、OHP、106~300g/m²の用紙は、メーカーも担当セールスへの確認を求めています。
同じ坪量でも、表面加工、紙目、含水率、保管状態によって搬送性や定着性は変わります。
導入前に常用銘柄を提示し、両面印刷、連続印刷、折り、ステープルまで含むテストを依頼してください。
デザイン用途では、PostScript 3対応だけで色が一致するわけではありません。
代表的なPDFやAdobe系データを出力し、写真、細線、小さい文字、特色の代替色、表裏位置を確認します。
ネットワーク・保守・契約の確認項目
- 有線LAN、無線LAN、固定IP、VLAN、DNS、SMTP、共有フォルダーなど、利用する経路を決めます。
- Windows、macOS、サーバーOSとドライバーの対応状況を導入時点で確認します。
- Active DirectoryまたはMicrosoft Entra IDとの連携、ICカード、権限、アドレス帳移行の担当を決めます。
- オンライン更新、クラウド連携、ウイルス検知などに必要な外部通信を社内ポリシーと照合します。
- 保守受付時間、訪問対象地域、部品・トナー・ステープル針の扱い、代替対応、カウンター料金の対象を見積書へ明記します。
- リース満了、返却、移設、データ初期化、証明書発行の条件を契約前に確認します。
メーカー仕様には、BP-80C80の利用に別途保守サービス契約が必要と明記されています。
保守方式と料金は個別確認です。
また、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後7年ですが、発売日から一律7年という意味ではありません。
BP-80C80は2026年発売の現行製品として確認できますが、長期利用を前提にするなら、将来の部品供給、ソフトウェア対応、契約更新条件も販売会社へ確認しておくと安心です。
参考情報・出典
仕様・価格・保守条件は構成や地域で変わります。
正式な条件は最新の見積書をご確認ください。
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