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富士フイルム

Apeos C7070

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

Apeos C7070
最大用紙サイズA3
カラー対応フルカラー
印刷速度70枚/分
発売日—
希望小売価格(税別)5,255,000円(Apeos C7070 Model-PFS-C、本体標準価格・税別。消耗品、オプション、搬入設置調整料金は含まない)

発売日未確認発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

Apeos C7070は、印刷量が多い本社・基幹拠点で、出力と紙文書の電子化を一台に集約したい場合に適した高速A3カラー複合機です。
カラー・モノクロともA4ヨコで毎分70枚を出力し、標準構成の1パス両面原稿送り装置では両面原稿を最大270ページ/分で読み取れます。
標準給紙量も多く、会議資料や帳票を連続して処理する用途に向きます。

一方、本体は153kgで2電源を必要とし、標準価格だけでなく搬入、保守、フィニッシャー、ネットワーク構成まで含めた設計が欠かせません。
本稿では、対象をApeos C7070(Model-PFS-C)に限定し、シリーズ内の別速度機やApeosPort C7070、後継番号のC7071と混同せずに解説します。

Apeos C7070の特徴

Apeos C7070の中心的な特徴は、A4ヨコでカラー・モノクロとも毎分70枚という出力速度です。
シリーズ仕様表ではC7070の列が最上位速度に当たり、C6570の65枚、C5570の55枚などと区別されています。
印刷速度にカラーとモノクロの差がないため、カラー資料が混ざる部署でも速度面の計画を立てやすい機種です。
ただし、この数値はA4ヨコの連続複写速度であり、A4タテは毎分50枚、A3は毎分35枚です。
厚紙、複雑なデータ、画質調整の実行中などは速度が低下する場合があります。

標準構成はModel-PFS-Cで、コピー、プリント、ファクス、スキャンと1パス両面原稿送り装置C2-PCを備えます。
つまり、低速シリーズにあるModel-PやModel-PFSの価格・装備をC7070へ当てはめることはできません。
メーカーの公式特長ページでは、無線・クラウド連携、文書処理、セキュリティー、各種後処理まで幅広く案内されていますが、無線LANや一部の業務アプリケーション、フィニッシャーなどはオプションまたは別契約です。

  • 待ち時間を抑えやすい:モノクロのファーストコピーはA4ヨコ・モノクロ優先モードで3.3秒、カラーは4.1秒です。
  • 大量原稿に対応:原稿送り装置は250枚積載でき、1パスで表裏を読み取ります。
  • 用紙補給を減らせる:標準給紙は手差しを含め3,700枚、オプション追加時は最大7,070枚です。
  • 出力後の作業も設計できる:ステープル、パンチ、紙折り、中とじは対応するフィニッシャー等を追加して構成します。

高速機として評価するときの注意点

毎分70枚という数字だけで選ぶのではなく、月間の総印刷枚数、ピーク時の同時利用、カラー比率、A3比率、スキャン量を分けて確認します。
短時間に出力が集中する会社では効果を得やすい一方、一日を通して少量ずつ印刷する環境では能力を持て余す可能性があります。
速度クラスの考え方を広く確認したい場合は、他社の高速カラー機であるTASKalfa MZ7001ciやTASKalfa 7054ciも比較候補にすると、必要な処理量と構成を整理しやすくなります。

主要仕様と処理能力

仕様を確認するときは、シリーズ表の最初の列であるC7070と、C7070/C6570共通欄を追う必要があります。
以下はメーカーの公式仕様ページおよびカタログで確認できる対象機の値です。

項目 Apeos C7070の仕様
形式・カラー コンソールタイプ・フルカラー
連続複写速度 A4ヨコ:カラー/モノクロ各70枚/分、A4タテ:各50枚/分、A3:各35枚/分
原稿・用紙 原稿は最大A3。用紙は最大SRA3、12×18インチ、A3。手差しでは320×483mmに対応
用紙坪量 本体トレイ・手差しとも52~300g/㎡
メモリー・ストレージ メモリー4GB、ストレージ128GB
プリント解像度 標準ART EXドライバーで1,200×2,400dpi
給紙 標準3,700枚、オプション追加時最大7,070枚
本体寸法・質量 幅620×奥行790×高さ1,169mm、153kg。質量はトナーカートリッジを除く

自動両面印刷はA5からSRA3まで、52~300g/㎡に対応します。
はがきや封筒、長尺紙にも対応範囲がありますが、給紙場所、坪量、排出先に条件があります。
特殊紙は「サイズが入る」だけで判断せず、メーカー推奨紙、紙目、表面加工、含水状態、フィニッシャー装着時の排出制約まで確認してください。

スキャン性能は条件とセットで見る

C7070の自動両面原稿送り装置C2-PCは原稿を250枚積載でき、スキャン時はカラー・モノクロとも片面135枚/分、1パス両面で270ページ/分です。
これはメーカー標準原稿、A4ヨコ、200dpi、ボックス保存までという測定条件です。
ネットワークフォルダーやメールへの実運用では、解像度、圧縮、OCR、ファイル形式、サーバー性能、通信帯域によって完了時間が変わります。
両面契約書を大量電子化するなら、原稿の折れや付箋を除去し、重送検知を含めた前処理と検品工程も設計すると安定します。

操作性とスキャン・クラウド連携

Apeos C7070は、印刷速度だけでなく、紙を電子データへ変換して配布する入口として使える点が重要です。
スキャンデータはメール送信、URL送信、ボックス保存、SMB・FTP・SFTPによるPC保存に対応します。
標準的なPDF、TIFF、JPEG、DocuWorks文書に加え、高圧縮PDFなども扱えます。
Word・Excel形式への変換やOCRなど、追加キットを要する機能もあるため、「スキャンできるか」ではなく「必要な形式へ、どの宛先に、どの認証方法で送れるか」まで要件化してください。

読み取ったページの自動正立、傾き補正、白紙除去、地色除去、裏写り防止は、定型的な電子化作業の手直しを減らすのに役立ちます。
一方、OCRやOffice形式変換は原稿を完全再現する機能ではありません。
小さい文字、罫線の多い表、手書き、かすれた原稿では、保存後の確認が必要です。
共有フォルダーを使う場合は、専用のサービスアカウントを用意し、パスワード変更時の更新担当を決めておくと運用が止まりにくくなります。

モバイル利用ではPrint Utility、AirPrint、Mopriaに対応し、無線LANとWi-Fi Directはオプションです。
Wi-Fi Directは来訪者端末を社内LANへ参加させず印刷する用途を想定できますが、利用ルールと接続端末の管理が必要です。
Microsoft Universal Printにも対応し、対象のMicrosoft 365契約やMicrosoft Entra ID認証環境などの前提があります。
仕組みを先に整理する場合はMicrosoft Universal Printの解説が参考になります。

導入時に決める連携範囲

  • 保存先をメール、共有フォルダー、クラウド、ボックスのどれにするか
  • OCR、Word・Excel変換、高圧縮、電子署名が必要か
  • 無線LANやゲスト印刷を許可するか
  • クラウドサービスの利用料、アカウント、保存期間を誰が管理するか

複合機を業務用VLANへ置く場合は、印刷、名前解決、スキャン送信、認証、時刻同期、更新通信を整理します。
ネットワーク分離の基本は複合機をVLAN越しに使うための解説も併せて確認してください。

セキュリティー機能と管理方法

Apeos C7070は、ネットワーク上の端末であり、印刷データやスキャン文書を扱う情報資産でもあります。
メーカーはTLS 1.2/1.3、IPsec、SMBv3、SFTP、WPA3などによる通信保護を案内しています。
内部データはSSDへの書き込み時にAES-256方式で暗号化し、暗号鍵管理にはTPM 2.0チップを使用します。
設定情報や文書情報などの一括消去にも対応するため、導入時だけでなく返却・入れ替え時の消去手順まで決めておくことが大切です。

アクセス制御では、本体認証を利用でき、外部認証、Microsoft Entra ID連携認証、ICカード認証、サーバーレス認証などは構成に応じたオプションです。
ユーザーIDやパスワードの連続失敗によるアカウントロック、アクセス元IPアドレスの制限、管理者初期パスワード使用時の警告も用意されています。
認証印刷を使えば、利用者が本体で操作するまで文書を出力しない運用ができ、トレイに機密文書を放置するリスクを抑えられます。

ソフトウェア面では署名検証、起動時の改ざん検知と検出時の自動修復、稼働時の改ざん防止が案内されています。
ただし、機能があるだけでは安全になりません。
初期パスワード変更、不要プロトコルの停止、ファームウェア更新、証明書期限の管理、管理画面への接続元制限を導入手順に含めます。
証明書運用で起きやすい問題は複合機の証明書有効期限切れの解説も参考になります。

監査ログを実際の監視につなげる

設定変更などの重要な事象を記録する監査ログと、SIEMへのログ転送に対応します。
ログを保存するだけでなく、管理者ログイン失敗、宛先変更、ネットワーク設定変更、異常な送信など、確認対象と保存期間を社内規程に合わせて決めてください。
運用開始時には時刻同期を確認し、担当者の異動時には権限を棚卸しします。
二つのネットワークを扱う場合も、単純な接続可否だけでなく通信経路と責任範囲を明確にする必要があります。

Apeos C7070が適する用途

Apeos C7070が向くのは、単に月間枚数が多い会社ではなく、短時間に印刷やスキャンが集中し、待ち時間が業務のボトルネックになっている拠点です。
たとえば、本社の総務・経理、複数部署が共用する印刷室、研修資料を一括出力する教育部門、申込書や契約書をまとめて電子化する事務センターなどです。
カラーとモノクロが同じ毎分70枚なので、表紙だけカラーの会議資料やグラフ入りの報告書も処理速度を読みやすくなります。

標準で3,700枚を給紙できるため、A4普通紙を複数トレイへ分け、A3や色紙を別段へ登録する運用にも余裕があります。
大容量給紙トレイB2を追加すれば最大7,070枚ですが、これは一種類の用紙を大量に使う業務で効果が出やすい構成です。
用紙サイズや銘柄が頻繁に変わる会社では、単純な総容量より、トレイごとの割り当てと用紙補給のしやすさを優先してください。

また、250枚積載と1パス両面読み取りは、紙の保管庫を段階的に電子化する作業に向きます。
送信先を共有フォルダーやSFTPへ統一し、ファイル名、保存先、検品方法を標準化すると、複合機の速度を後工程まで生かせます。
反対に、出力枚数が少ない小規模オフィス、設置場所が狭い店舗、A4だけを扱う分散拠点では、より小型で低速な機種のほうが合理的です。

プロダクションプリンターとは目的が異なる

C7070はオフィス向け高速複合機であり、商業印刷向けのプロダクションプリンターと同じではありません。
長時間の連続生産、厳密な色管理、多様な特殊紙、高度なインライン後加工を中心に選ぶ場合は、別カテゴリも検討対象です。
境界を整理するにはプロダクションプリンターと複合機の違いを確認するとよいでしょう。
日常のコピー、FAX、スキャンと高速出力を一台で担うことがC7070の持ち味です。

シリーズ内と他機種の比較

同じシリーズでは、C7070がA4ヨコ毎分70枚、C6570が65枚、C5570が55枚、C4570が45枚、C3570が35枚、C3070が30枚、C2570が25枚です。
C7070とC6570は本体寸法、標準給紙構成、153kgの質量、2電源などに共通点があります。
C5570以下はモデル構成や本体寸法、給紙、装着できる原稿送り装置が異なるため、速度差だけを見て本体価格を比較すると構成が揃いません。

比較軸 C7070を選びやすい条件 下位速度機も検討したい条件
ピーク出力 朝会、締め処理、研修前など短時間に大量出力する 一日を通して印刷が分散する
スキャン 両面原稿をまとまった単位で継続処理する 数枚単位の読み取りが中心
給紙 大量のA4普通紙を常時セットしたい 用紙量より省スペースを優先する
設置 2電源、153kg、搬入経路を確保できる 床荷重や電源、通路幅に制約がある

別メーカーと比較する場合も、同じ70枚級か、一段下の速度で足りるかを分けます。
高速カラー機の候補としてTASKalfa MZ7001ci、TASKalfa 7054ci、出力速度を少し抑える候補としてTASKalfa MZ6001ciがあります。
大量後処理を重視する場合はTASKalfa 8353ciも含め、フィニッシャー構成、設置寸法、保守体制を同一条件で見積もると比較しやすくなります。

型番を取り違えない

Apeos C7070は、富士ゼロックス名義のApeosPort C7070や、型番末尾が1のApeos C7071とは別商品です。
ドライバー、消耗品、オプション、ファームウェア、保守部品の確認では、見積書と本体銘板にある正式名称とModel-PFS-Cまで照合してください。
中古機や既存機の増設では、名称が似ていても部品や契約条件を共用できるとは限りません。

構成・標準価格と見積もり方

メーカーの公式価格ページでは、Apeos C7070(Model-PFS-C)の本体標準価格は5,255,000円(税別)です。
標準的な搬入設置調整料金は47,000円(税別)と掲載されています。
ただし、本体価格にはドラムカートリッジ、トナーカートリッジ等の消耗品とオプションは含まれません。
離島、階段、クレーンなどの特殊搬入、オプションの搬入・取付費も別見積もりです。

公開されているメーカー公式カタログには、大容量給紙、フィニッシャー、紙折り、無線LAN、PostScript、認証、業務別スキャンなどの選択肢があります。
すべてを付けるのではなく、実際の業務から逆算してください。
たとえば、会議資料のステープルだけが必要なら中とじや紙折りまで含む構成が必須とは限りません。
封筒を日常的に印刷する場合は、対応サイズだけでなく専用トレイや排出経路も確認します。

リース料は本体とオプションの合計、契約期間、料率、与信、搬入費の扱いで変わります。
カウンター料金はカラー・モノクロの月間枚数、最低料金、トナーや部品の範囲、用紙代、訪問対応条件を分けて確認します。
公開標準価格から月額を単純換算せず、総支払額と保守条件を並べることが大切です。
見積書を比較する際は複合機の見積書AI診断や複合機料金シミュレーターも利用できます。

見積書に分けて記載したい項目

  1. 本体の正式名称とModel-PFS-C
  2. 給紙、排紙、フィニッシャー、認証、無線などのオプション
  3. 搬入、設置、ネットワーク設定、ドライバー配布の作業費
  4. リース期間、総支払額、満了後の扱い
  5. カラー・モノクロ別のカウンター条件と最低料金
  6. 保守受付時間、訪問可能地域、消耗品配送、除外作業

購入、リース、短期レンタルでは責任範囲が異なります。
契約方式を決め切れていない場合は複合機リースとレンタルの違いを確認し、利用予定期間と中途解約条件を先に整理してください。

導入前に確認する設置・保守・運用条件

Apeos C7070の導入では、性能比較の前に物理条件を確認します。
本体は幅620×奥行790×高さ1,169mm、質量153kgです。
手差しトレイを最大に伸ばし、原稿送り装置のストッパーを開いた機械占有寸法は幅1,134×奥行790mmです。
これは作業者の立ち位置、用紙補給、扉やトレイを開く保守スペースを含む部屋全体の必要面積ではありません。
搬入口、廊下、曲がり角、エレベーターの扉幅と積載荷重、床段差を現地調査してください。

電源はAC100V、13A+7Aの2電源で、最大消費電力は2.0kWです。
既存の延長コードや同一回路への安易な集中接続は避け、販売会社や施設管理担当者とコンセント位置・回路を確認します。
ネットワークは標準の有線Ethernetを基本に、固定IPまたはDHCP予約、DNS、NTP、SMTP、共有フォルダー、認証サーバー、クラウド通信の要否を一覧化します。
二系統のネットワークへ接続したい場合はセカンダリーイーサネット等の構成だけで判断せず、ルーティングとアクセス制御を設計してください。

保守では、機器が販売中かどうかだけでなく、設置地域の訪問体制、受付時間、部品供給、消耗品配送、代替対応、定期点検の範囲を契約書で確認します。
地域ごとの比較にはメーカー別 保守拠点分布図が役立ちます。
高速機は一台停止したときの影響が大きいため、障害時に別フロアの複合機へ出力できるか、重要帳票だけ別経路を確保できるかも決めておきます。

稼働開始前のチェックリスト

  • 機種確認:Apeos C7070(Model-PFS-C)であり、ApeosPort C7070やC7071ではないか
  • 設置確認:床、通路、エレベーター、2電源、アース、空調、直射日光を確認したか
  • 用紙確認:実際に使う普通紙、厚紙、封筒を持ち込みテストしたか
  • ネットワーク確認:IP、VLAN、証明書、SMTP、SMB、認証、更新通信の担当が決まっているか
  • セキュリティー確認:初期パスワード、不要機能、ログ、データ消去、返却時の手順を定めたか
  • 契約確認:本体、オプション、搬入、設定、リース、保守、カウンター条件を分離して比較したか

メーカー公式の商品・価格ページでは、2026年9月26日時点でC7070 Model-PFS-Cが掲載され、販売終了表示はありません。
一方、将来の販売状況や部品供給期間は契約時点で変わり得ます。
発注前に販売会社から最新の納期、保守可能期間、ファームウェア提供、オプション在庫を書面で確認し、自社の利用予定年数と整合させてください。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-26)

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