新機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種
RICOH IM C2011は、A3用紙を扱いながら、カラー・モノクロとも毎分20枚の速度で出力できるフルカラー複合機です。
大量印刷の速さよりも、コピー、プリント、スキャン、文書保存を過不足なくまとめたい中小規模のオフィスに向いています。
標準でOCR、無線LAN、256GBストレージを備える一方、ファクスや自動原稿送り装置の構成はモデルによって異なります。
ここでは、2026年8月24日に発売されたRICOH IM C2011について、基本性能だけでなく、構成選びや保守契約まで具体的に整理します。
RICOH IM C2011の特徴
RICOH IM C2011は、リコーが2026年8月24日に発売したA3カラー複合機です。
A4ヨコ送りの連続出力速度はカラー・モノクロとも毎分20枚で、片面と両面が同速です。
社内資料、請求書、図面、掲示物などを日常的に出力しつつ、月末などに印刷が集中しすぎない職場で使いやすい速度帯といえます。
本機の特徴は、単に紙へ出力するだけでなく、紙文書を検索可能なPDFへ変換し、共有フォルダーやメールへ送る入口として使えることです。
OCRは標準装備で、スキャンした文字をテキスト情報としてPDFへ埋め込めます。
無線LAN、Adobe PostScript 3エミュレーション、PDF Directエミュレーションも標準で、WindowsだけでなくmacOSを含む混在環境にも対応しやすい構成です。
20枚機だからこそ合う運用
20枚機は、数人から数十人程度で1台を共有し、短い文書をこまめに出力する運用と相性がよいクラスです。
ファーストコピーはモノクロ5.1秒、フルカラー7.4秒という公称値で、少部数の資料をその都度コピーする場面にも配慮されています。
ただし、速度値はA4ヨコなど所定の条件によるものです。
大量の会議資料を連続して出す部署や、複数部門のジョブが常時重なる環境では、待ち時間を含めて上位速度機も比較する必要があります。
A3から長尺用紙まで扱える
コピーはA3に対応し、プリントでは最大320×1,260mmの不定形用紙を扱えます。
ただし最大印字幅は305mmで、長さ600mm以上では用紙幅も305mmまでです。
給紙トレイと手差しは52~300g/㎡、両面は52~169g/㎡が公称範囲となっています。
厚紙、封筒、長尺POPなどへ用途を広げられますが、用紙条件によって速度低下や印刷不良が起こり得ます。
特殊紙は購入前に現物テストを行い、メーカー推奨紙や給紙方向を確認するのが安全です。
主要仕様と基本性能
主要数値を見ると、本機は出力速度を抑えながらも、用紙対応やストレージ容量を確保した構成です。
メモリーは合計6GB、ストレージは256GBです。
読み取り解像度は600×600dpi、コピーの書き込み解像度は9,600dpi相当×600dpiと公表されています。
プリンターは複数の解像度に対応し、4,800dpi相当×1,200dpiまたは1,200×1,200dpiを選ぶ場合は速度が低下する点にも注意してください。
| 確認項目 | RICOH IM C2011の仕様 |
|---|---|
| 方式 | デスクトップ式フルカラー複合機 |
| 最大原稿サイズ | A3 |
| A4ヨコ連続速度 | カラー・モノクロとも20枚/分 |
| 標準給紙 | 590枚×2段+手差し100枚 |
| ウォームアップ | 24秒(クイック起動の工場出荷値) |
| スリープ復帰 | 6.5秒 |
| 本体寸法 | 幅587×奥行701×高さ788mm |
| 本体質量 | 82kg以下 |
寸法と設置スペースの読み方
本体寸法だけで設置場所を決めないことが重要です。
手差しトレイ、延長トレイ、本体排紙受けを開いた機械占有寸法は幅1,104×奥行701mmです。
さらに、保守担当者が作業するための空間、用紙補給の動線、原稿カバーを開く高さ、電源とLANの位置も必要になります。
FモデルはARDFを含めて高さ913mm、質量93kg以下です。
標準モデルとFモデルでは高さと重量が違うため、搬入経路や設置台の条件を同じものとして扱わないようにします。
速度値は利用条件とセットで判断する
毎分20枚はA4ヨコ送りの連続時、ファーストコピーはA4ヨコ、等倍、第1給紙トレイ、原稿ガラス、胴内排紙などの条件で測定された値です。
A3出力はカラー・モノクロとも毎分12枚、B4は毎分14枚です。
実際にはデータ処理、ネットワーク、両面設定、画質、用紙種類なども待ち時間に影響します。
PDFや画像の多い資料が中心なら、サンプルデータを用いた出力確認も有効です。
PDFの処理で困っている場合は、PDFだけ印刷が遅い場合の確認ポイントも併せて整理すると原因を切り分けやすくなります。
操作性とスキャン・モバイル連携
RICOH IM C2011は、紙文書を電子化する経路を複数用意しています。
共有フォルダーやFTPへの送信、メール送信、USBメモリーへの保存、本体ストレージへの蓄積に対応します。
ファイル形式はTIFF、JPEG、PDF、クリアライトPDF、PDF/A、テキスト付きPDFです。
SMBは3.1.1に対応しており、現在のWindows環境で共有フォルダーを使う際の選択肢になります。
OCRで文字情報を埋め込んだPDFは、ファイル名だけに頼らず文書内の語句で検索できます。
自動天地補正や白紙ページ削除も備えているため、片面と両面が混在する資料の電子化にも便利です。
ただし、OCR結果や向きの判定は原稿品質によって変わり、初期設定で有効化が必要な機能もあります。
電子帳簿保存の要件を機器だけで満たすと考えず、保存先の権限、検索項目、訂正削除の履歴を含めて運用を設計してください。
原稿送り装置の条件に注意
スキャナーの公称読み取り速度は、DF3140装着時にA4ヨコ、片面、200dpiまたは300dpiの文字モードでカラー・モノクロとも毎分80ページです。
標準モデルのRICOH IM C2011ではDF3140はオプションですが、RICOH IM C2011Fには標準装備されます。
C2011Fの原稿送り装置はARDFであり、同時に表裏を読む1パス両面ADFではありません。
上位機の両面300ページ/分というシリーズ説明をC2011Fの数値として流用してはいけません。
両面原稿を大量に電子化する場合は、実際の両面読み取り時間を確認する必要があります。
無線・モバイル利用はネットワーク設計と一体で考える
IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとWi-Fi Directに標準対応し、AirPrintからの印刷も可能です。
AirPrintは同一セグメントへの接続など条件があるため、社内LANとゲストWi-Fiが分離された環境では、導入前に通信経路を確認します。
USBメモリーからJPEG、TIFF、PDFを出力する機能もありますが、すべてのメディアやファイルを保証するものではありません。
複数の閉域網や業務ネットワークを1台で扱う計画なら、対応オプションと分離要件を確認し、複合機を2つのネットワークで共有する考え方も参考にしてください。
セキュリティーと文書管理
複合機にはアドレス帳、認証情報、スキャンデータ、印刷待ち文書などが集まるため、パソコンと同じように管理対象へ含める必要があります。
RICOH IM C2011は、アドレス帳や蓄積文書などをAES256bit/SHA-2方式で暗号化して保存し、内部ストレージを一括消去・初期化するメモリー全消去機能を備えます。
TPM2.0、TLS1.3、ECDSA、WPA3にも対応しています。
通信面ではIPsec、S/MIME、IEEE 802.1X、SSL/TLS、印刷可能IPアドレス制限、ネットワークポートのON/OFFなどを利用できます。
ただし、機能が搭載されていることと、安全に設定されていることは別です。
管理者パスワードの変更、不要プロトコルの停止、ファームウェア更新、時刻同期、証明書更新、管理画面への接続元制限を導入手順に含めてください。
認証印刷と権限管理
ユーザーコード認証やベーシック認証に加え、WindowsドメインコントローラーやLDAPサーバーとの連携に対応します。
ICカードを使う個人認証システムやクラウド型セキュアプリントはオプションです。
印刷データを本体に保留し、本人が機器の前で出力すれば、放置文書や取り違えを減らせます。
部署別のカラー利用制限も、コスト管理と情報管理の両面で有効です。
カード認証は必要な内蔵キット、カード規格、既存IDの利用範囲、他の認証方式との併用可否を見積段階で照合します。
証明書と廃棄時の管理
Exchange OnlineではOAuth 2.0認証に対応していますが、実際にスキャンメールを運用するには、テナント側の方針、アプリ登録、送信元制限などとの整合が必要です。
また、TLSを使う共有先やメール送信では、証明書の期限切れが突然の通信障害につながります。
運用担当者と更新時期を決め、複合機の証明書期限切れによるエラーも確認しておくと安心です。
返却、売却、廃棄の際は、メモリー全消去の実施方法と証明書の発行可否を販売店へ確認し、アドレス帳や蓄積文書が残らない手順を記録します。
適する業務と向かないケース
RICOH IM C2011が特に適するのは、A4文書が中心でも、ときどきA3の表、図面、掲示物を扱う職場です。
毎分20枚で足りる印刷量なら、上位速度機へ過剰投資せず、OCRや文書送信を含む業務基盤を整えられます。
総務の社内文書、経理の証憑、営業のカラー提案書、小売店の掲示物など、用途が複数部門にまたがる環境に合います。
- 標準モデルが合う例:コピー、プリント、スキャンが中心で、ファクスを使わない職場
- Fモデルが合う例:ファクスと複数枚原稿の読み取りを導入時から使う職場
- 長尺印刷が役立つ例:店頭POPやイベント案内を必要な分だけ内製する店舗
- OCRが役立つ例:契約書、申請書、議事録を検索可能なPDFで保管する部署
印刷量が多い職場は上位速度を検討
全社の出力を1台へ集中させる場合、ピーク時の同時利用が選定を左右します。
毎分20枚では、100ページのカラー資料や大量の部単位印刷が重なると待ち時間が長くなります。
25枚機のRICOH IM C2511、30枚機のRICOH IM C3011なども候補に入れ、平均枚数ではなく最も混雑する時間帯で比較してください。
月間印刷枚数だけでなく、1ジョブのページ数、カラー比率、A3比率、両面比率を集計すると選びやすくなります。
卓上機や専用機の方がよい場合
A3をまったく使わず、設置場所が限られる場合は、A4対応のコンパクト機が合理的なこともあります。
たとえばRICOH IM C431のようなA4機との比較では、用紙サイズだけでなく、本体寸法、速度、給紙、保守体制を見ます。
反対に、高画質な商業印刷、大量の冊子製作、厳密な色管理が目的なら、オフィス複合機ではなくプロダクション機が適します。
RICOH IM C2011の小冊子コピーはページを冊子順に割り付ける機能であり、自動的な中綴じ製本機能と同一ではありません。
同シリーズ・近い機種との比較
RICOH IM C2011を選ぶ際は、同じ2026年発売シリーズの速度差を最初に確認します。
公式発売資料では、A4ヨコの連続プリント速度がC2011は20枚/分、C2511は25枚/分、C3011は30枚/分、C3511は35枚/分です。
速度が上がるほど待ち時間を短縮しやすくなりますが、本体価格や構成も変わります。
必要速度を決めずに上位機へ寄せるのではなく、ピーク時に許容できる待ち時間から判断します。
| 比較対象 | A4ヨコ連続速度 | 検討しやすい状況 |
|---|---|---|
| RICOH IM C2011 | 20枚/分 | A3対応を確保しつつ日常出力をまとめたい |
| RICOH IM C2511 | 25枚/分 | 複数人の利用が重なり、少し余裕がほしい |
| RICOH IM C3011 | 30枚/分 | 会議資料や連続印刷の待ち時間を短くしたい |
| RICOH IM C3511 | 35枚/分 | 部門共用で出力頻度が高い |
C2011だけ原稿送り装置の構成が異なる
シリーズ共通の訴求だけで判断すると、C2011の原稿送り性能を誤認しやすいため注意が必要です。
公式発売資料では、ファクス機能搭載モデルのうちRICOH IM C2011Fは1パス両面ADFの対象外で、ARDFを標準搭載すると明記されています。
したがって、他のFモデルに示される両面読み取り速度をC2011Fへ当てはめることはできません。
契約書や申込書を片面中心で読み取るなら十分でも、両面原稿を毎日大量に処理する部署では、読み取り方式を実機で比較した方が確実です。
比較では速度以外の差も見る
上位機との比較項目は、速度だけではありません。
給紙段数、原稿送り方式、仕上げオプション、設置寸法、電源、ファクス回線数、保守条件まで一つの表にまとめます。
35枚機を検討する場合はRICOH IM C3511、さらに高い処理量が必要ならRICOH IM C4511も確認できます。
機種名末尾の「F」や「SD」は単なる表記違いではなく、標準装備や読み取り方式に関係します。
見積書では正式な商品名、品種コード、オプション名まで照合してください。
本体構成・価格・保守の考え方
RICOH IM C2011のメーカー標準価格は1,190,000円、RICOH IM C2011Fは1,340,000円で、いずれも消費税別です。
標準モデルはコピー、プリンター、スキャナー、ドキュメントボックス、両面、手差し、無線LAN、OCRを標準装備しますが、ファクス、ARDF、インナー1ビンはオプションです。
Fモデルはこれらを標準装備します。
重要なのは、1,190,000円だけで設置可能な一式価格とは限らないことです。
標準モデルにはDF3140または圧板PN2010のいずれかを装着する必要があり、本体価格には感光体ユニットが含まれません。
給紙テーブル、搬入設置、ネットワーク設定、ファクス回線工事なども利用条件によって加算されます。
比較時は本体値引率ではなく、必要構成をそろえた総額で確認してください。
リース料は本体価格だけでは決まらない
月額リース料は、機器とオプションの合計、設置費用を含めるか、契約期間、審査、料率などで変わります。
そのため、根拠のない一律月額を本機の価格として扱うことはできません。
見積書では、物件金額、契約年数、月額、支払総額、中途解約の扱い、満了後の返却条件を分けて確認します。
期間による違いは複合機を6年リースした場合の考え方も参考になります。
所有を希望する場合は現金購入との比較も必要ですが、いずれも保守契約は別項目として確認します。
カウンター保守の見積条件
カウンター保守では、カラーとモノクロの単価、基本料金または最低料金、トナー供給、部品、訪問修理の範囲を確認します。
用紙、ステープルなどの消耗品、特殊紙による不具合、移設、ネットワーク変更が対象外となる場合もあります。
月間枚数が同じでもカラー比率で支払額は変わるため、直近のメーター値や購入用紙量から利用実績を整理してください。
保守拠点、受付時間、障害連絡方法、代替対応の有無も重要です。
価格の比較では、単価だけでなく、契約期間を通した支払条件と対応範囲をそろえます。
導入前に確認するポイント
導入前には、機種の性能だけでなく、設置から日常運用までを一続きで確認します。
まず搬入口、エレベーター、廊下、段差、扉幅を測り、82kg以下の本体または93kg以下のFモデルを安全に搬入できるか確認します。
設置場所では100V・15Aの電源、放熱と保守の空間、床の安定性、用紙補給の動線を確保します。
延長コードや電源タップの利用可否は施工・保守担当者へ確認してください。
- 標準モデルとFモデルのどちらが必要か決める
- A3、特殊紙、封筒、長尺紙のサンプルを用意する
- 月間枚数とピーク時のジョブ量を集計する
- Windows、macOS、モバイル端末の台数を整理する
- スキャン先、メール方式、認証方式を決める
- 本体、必須品、オプション、搬入、設定を含む総額を確認する
- 保守範囲と障害時の連絡手順を書面で残す
ネットワークとドライバーの事前確認
標準インターフェイスは有線LAN、USB、無線LANです。
対応OSとしてWindows 10、Windows 11、Windows Server 2016・2019・2022・2025、macOS 13以降が掲載されていますが、OSのエディションやARM版などによって利用方法が異なります。
固定IPまたはDHCP予約、DNS、SMTP、SMB、ファイアウォール、プロキシ、802.1X、証明書の担当範囲を決めておきます。
印刷、両面、カラー制限、ユーザー認証、スキャンの各テストを設置日に実施し、端末ごとのドライバー配布方法も記録すると入れ替え後の混乱を抑えられます。
見積書と受入テストの最終確認
見積書では「RICOH IM C2011」と「RICOH IM C2011F」を区別し、品種コード、原稿送り装置、圧板、FAXユニット、給紙テーブル、設置調整料を照合します。
納品後は、A4・A3のカラーとモノクロ、両面、手差し、封筒、共有フォルダースキャン、OCR、メール、認証印刷、ファクスを契約構成に応じてテストします。
色付き原稿で背景が残る場合は、故障と決めつける前に地色除去や裏写り防止の設定も確認できます。
管理者情報、設定バックアップ、消耗品の注文先、保守窓口まで引き継いで導入完了とするのが確実です。
参考情報・出典
仕様・価格・保守条件は構成や地域で変わります。
正式な条件は最新の見積書をご確認ください。
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