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Windows 11更新後に複合機の共有フォルダーへスキャンできない原因は?SMB署名を解説

Windows 11更新後に複合機の共有フォルダーへスキャンできない原因は?SMB署名を解説

QUICK ANSWER

この記事の要点

Windows 11を更新した直後から、複合機で読み取ったPDFをパソコンの共有フォルダーへ保存できなくなった場合、特に確認したいのがWindows 11 バージョン24H2で強化されたSMB署名とゲストアクセスの制限です。
中小企業で利用されることが多いWindows 11 Proの24H2では、SMB通信の送信側と受信側の双方で署名が既定で必要です。

  • Windows 11更新後にスキャンできない主な原因とSMB署名の関係
  • SMB署名以外も含めた原因の切り分け方
  • セキュリティを下げずに復旧するための対処手順

執筆・監修: 最終更新:

Windows 11を更新した直後から、複合機で読み取ったPDFをパソコンの共有フォルダーへ保存できなくなった場合、特に確認したいのがWindows 11 バージョン24H2で強化されたSMB署名とゲストアクセスの制限です。

中小企業で利用されることが多いWindows 11 Proの24H2では、SMB通信の送信側と受信側の双方で署名が既定で必要です。
複合機がSMBクライアントとして署名に対応していない場合や、ユーザー名・パスワードを使わないゲスト接続に依存している場合は、Windows Updateを境に送信が失敗する可能性があります。

ただし、すべてのスキャン障害がSMB署名によるものとは限りません。
パスワード変更、共有アクセス許可、NTFSアクセス許可、パソコン名の解決、IPアドレス変更、ファイアウォール、TCP 445番ポートなどでも似た症状が起こります。
Windows側のセキュリティ設定を先に弱めるのではなく、通信方向とエラー内容を確認して順番に切り分けることが重要です。

この記事では、2026年8月27日時点で確認したMicrosoft、IPA、複合機メーカーの公式情報をもとに、原因の見分け方、安全性を保った対処法、複合機を新規導入・入れ替えするときの価格・契約期間・カウンター料金・保守条件の比較ポイントまで具体的に解説します。

目次

Windows 11更新後にスキャンできない主な原因とSMB署名の関係

Windows 11更新後にスキャンできない主な原因とSMB署名の関係

結論からいうと、Windows 11更新後に複合機から共有フォルダーへスキャンできなくなったときは、まず次の5項目を確認します。

  1. Windows 11のバージョンとエディション
  2. 複合機がSMBクライアントとしてSMB署名に対応しているか
  3. ゲスト接続やパスワードなし運用になっていないか
  4. 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の両方に書き込み権限があるか
  5. TCP 445番ポート、名前解決、IPアドレスに問題がないか

MicrosoftのSMB署名に関する公式情報では、Windows 11 バージョン24H2のEnterprise、Pro、Educationにおいて、アウトバウンドとインバウンドのSMB署名が既定で必須になったと説明されています。
中小企業の業務用PCで一般的なProを使っている場合は、更新前まで利用できていた古い複合機や認証なし設定が影響を受ける可能性があります。

HomeについてはMicrosoft公式ページ間に記述の差があるため、エディション名だけで決めつけず、実機の設定確認が必要です。
また、Windows 11 24H2の一般提供は2024年10月1日に始まり、HomeとProの更新プログラム提供終了日は2026年10月13日です。
後続バージョンへ更新すれば、自動的に旧来の署名なし・ゲスト接続へ戻るというものではありません。

SMB署名とは何を確認する仕組みか

SMBは、社内ネットワーク上でファイルやフォルダーを共有するための通信方式です。
複合機の「PC保存」「フォルダー送信」「Scan to SMB」と呼ばれる機能でも使われます。

SMB署名は、通信メッセージに署名を付け、送信されてから受信されるまでの途中で内容が改ざんされていないかを確認する仕組みです。
署名が一致しない通信を拒否することで、第三者が認証情報を別の接続へ転用するリレー攻撃や、中間者攻撃への耐性を高めます。

イメージとしては、複合機から送ったファイルに確認用の封印を付け、Windows PCが封印の正当性を確かめてから受け取る仕組みです。
Windowsが署名を必須としているのに複合機が署名を付けられなければ、共有名やパスワードが正しくても通信が成立しないことがあります。

SMB3対応とSMB署名対応は同じ意味ではない

見積書や仕様表に「SMB3対応」と書かれていても、それだけでWindows 11 24H2へのScan to SMBが保証されるわけではありません。
SMBの通信バージョンと、署名を付けて通信できるかは分けて確認する必要があります。

さらに、対応状況はメーカー単位ではなく、機種、販売時期、ファームウェアバージョン、認証方式によって異なります。
見積時には複合機がSMBクライアントとして署名付き通信に対応するかを販売店またはメーカーへ確認してください。

複合機からPCへのスキャンと、PCから複合機を開く操作は方向が逆

SMB障害の記事を読むときに最も注意したいのが通信方向です。
複合機からWindows PCの共有フォルダーへ保存する場合、複合機がSMBクライアント、Windows PCがSMBサーバーになります。
そのため、Windows側では主にインバウンド、つまり受信側の署名要求が関係します。

利用場面 SMBクライアント SMBサーバー 主に確認する条件
複合機からPC共有フォルダーへスキャン 複合機 Windows PC Windowsの受信署名要求、複合機の署名対応
PCから複合機内のボックスを開く Windows PC 複合機 Windowsの送信署名要求、ゲストログオン制限

キヤノンやコニカミノルタの公式案内には、PCから複合機内のアドバンスドボックスやボックスを開く事例もあります。
参考にはなりますが、複合機からPCへスキャンする問題とは通信方向が逆です。
対処方法をそのまま当てはめないようにしてください。

症状だけでSMB署名が原因と断定しない

複合機の画面には「サーバーに接続できません」「送信できません」「認証エラー」など、複数の原因に共通するメッセージが表示されることがあります。
更新時期と障害発生時期が一致していても、PCの再起動でIPアドレスが変わった、パスワードが変更された、ネットワークプロファイルがパブリックになったという可能性もあります。

SMB署名以外も含めた原因の切り分け方

SMB署名以外も含めた原因の切り分け方

原因調査では、設定を一度に変更しないことが大切です。
複数の設定を同時に変えると、復旧しても何が原因だったのか分からず、次回のWindows Updateで同じ問題が起きる可能性があります。

まず複合機に表示されたエラーコード、発生日時、送信先、Windowsの更新履歴を記録します。
同じ共有フォルダーを使っている別の複合機や別のPCがあれば、影響範囲も確認してください。
1台だけ失敗するなら複合機の宛先情報、すべての複合機が失敗するなら保存先PCやネットワーク側に原因がある可能性が高まります。

優先度1:Windowsと複合機のSMB署名要件を確認する

Windows PCでは、PowerShellを管理者権限で起動し、Get-SmbServerConfiguration | Select-Object EnableSecuritySignature, RequireSecuritySignatureを実行すると、SMBサーバーとしての署名設定を確認できます。
複合機からPCへ保存する構成では、このSMBServer側の値が重要です。

Windows 11 24H2以降では、署名や暗号化に対応しない接続を監査するイベントが用意されています。
イベントビューアーでMicrosoft-Windows-SMBServer/Auditを開き、イベントID 3021、3022がスキャン失敗時刻付近に記録されていないか確認します。
複合機からPCへ送る場合は、まずSMBServer側を確認します。

PCから複合機内の共有領域を開く問題では、Microsoft-Windows-SMBClient/AuditのイベントID 31998、31999が対象です。
ここでも通信方向を分けることがポイントです。

複合機側で確認する情報

  • 機種名とファームウェアバージョン
  • SMBv2またはSMBv3の利用可否
  • SMBクライアントとしてのSMB署名対応
  • NTLMv2またはKerberosの対応条件
  • Windows 11 24H2以降への送信確認実績
  • ユーザー名、ドメイン名、パスワードの登録形式

古いマニュアルにSMB署名対応と書かれている機種もありますが、同じメーカーの全製品へ一般化はできません。
現在のファームウェアを含め、機種ごとの公式確認が必要です。

優先度2:ゲスト接続とパスワードなし運用を見直す

SMB署名が要求される環境では、認証されていないゲストアクセスを利用できません。
複合機の宛先設定が次の状態なら見直しが必要です。

  • ユーザー名またはパスワードが空欄
  • Guestアカウントに依存している
  • Everyone権限を設定しただけで運用している
  • Windowsの「パスワード保護共有を無効」に依存している
  • 保存先PCのログインパスワード変更後も古い情報を使っている

Microsoftは、安全でないゲストログオンを有効にする方法を掲載していますが、セキュリティ上は有効化しないことを推奨しています。
基本的な改善策は、保存先PCにスキャン専用のローカルユーザーを作成し、十分な長さのパスワードを設定したうえで、その認証情報を複合機へ登録することです。

Microsoftアカウント、ローカルアカウント、Active Directoryのドメインアカウントでは、複合機へ入力するユーザー名の形式が異なる場合があります。
表示名ではなく、実際の認証に使うアカウント名を確認してください。

共有アクセス許可とNTFSアクセス許可は別に確認する

Windowsの共有フォルダーには、ネットワーク経由の利用範囲を決める「共有アクセス許可」と、フォルダー自体の操作範囲を決める「NTFSのセキュリティアクセス許可」があります。
一方だけに書き込みを許可しても、もう一方で拒否されていれば保存できません。

スキャン専用ユーザーに必要な範囲で変更・書き込み権限を付与し、管理者アカウントやEveryoneへ過剰な権限を与えない構成が適切です。
フォルダーへ接続できるのにファイル作成時点で失敗する場合は、書き込み権限を重点的に確認します。

優先度3:SMBバージョンとネットワークを確認する

旧型複合機がSMBv1にしか対応していない場合、現在のWindows環境との安全な接続が難しくなります。
IPAも、SMBv1機器によって上位バージョンのセキュリティ機能を弱めるセキュリティダウングレード攻撃のリスクを説明しています。
旧型機を使い続けるためにWindows側でSMBv1を再有効化する方法は、恒久対策にしない方がよいでしょう。

SMB通信では主にTCP 445番ポートを使用します。
Windows Defenderファイアウォール、UTM、端末セキュリティ、VLAN間のアクセス制御で遮断されると、SMB署名の確認段階まで到達できません。
PowerShellのTest-NetConnection 保存先PC名 -Port 445はポート疎通の確認例ですが、複合機とPCが別VLANにある場合は、複合機側セグメントからの通信条件をネットワーク管理者に確認する必要があります。

VLANをまたぐ構成は、複合機をVLAN越しに使うためのルーティングとポート設定も参考にしてください。

ネットワーク確認チェックリスト

  • 保存先PCのネットワークプロファイルが意図した設定か
  • ファイルとプリンターの共有が許可されているか
  • TCP 445番ポートが遮断されていないか
  • 複合機から保存先PC名を名前解決できるか
  • DHCPによって保存先PCのIPアドレスが変わっていないか
  • 無線LANのAP隔離やゲストネットワークを使っていないか
  • VLAN間ACLやUTMで送信元が制限されていないか

IPアドレスが頻繁に変わる場合は、固定IPとDHCP予約の違いを確認し、社内の管理方針に合う方法を選びましょう。
無線LAN利用時は、AP隔離とゲストネットワークの確認方法も関連します。

セキュリティを下げずに復旧するための対処手順

セキュリティを下げずに復旧するための対処手順

復旧方法は、複合機とWindowsの安全性を維持できる順番で選びます。
推奨される方向は、複合機側を現在のWindows要件へ合わせ、ゲストではなく認証ユーザーを利用することです。

  1. 障害発生時刻、エラーコード、更新履歴を記録する
  2. Windowsのエディション、バージョン、SMBServer監査ログを確認する
  3. スキャン専用ユーザーとパスワードを用意する
  4. 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可を設定する
  5. 複合機の宛先情報を更新する
  6. 対応ファームウェアを適用する
  7. SMB署名を有効にしたまま実機送信テストを行う

キヤノンは、PC入れ替え後やWindows Update後に共有フォルダーへのスキャン送信がエラーになる場合について、Windows 11向けの設定FAQを公開しています。
富士フイルムビジネスイノベーションも、コンピューター名またはIPアドレス、共有名、保存場所、Windowsログインユーザー名、パスワードを複合機へ登録する手順を案内しています。
メーカーごとに画面名は異なりますが、認証情報を明示的に登録する考え方は共通しています。

推奨する恒久対策

  • SMB署名対応の複合機または対応ファームウェアへ更新する
  • SMBv2またはSMBv3を使用する
  • パスワード付きのスキャン専用ユーザーを設定する
  • 必要最小限の共有権限とNTFS権限を付与する
  • PC名、IPアドレス、DNSまたはDHCP予約を適切に管理する
  • SMB署名を有効にした状態で送信速度も含めて検証する
  • SMBを利用できない場合に備え、SFTP、メール、クラウド保存などを検討する

Microsoftによると、SMB署名や暗号化による性能への影響は、CPUコア数、CPU速度、ほかの処理に使われるCPU時間などで変わります。
カタログ上の対応表示だけでなく、実際に利用する解像度、カラー設定、PDF容量、同時利用台数で送信テストを行うと安心です。

実機テストで確認する内容

  • モノクロとカラーの両方で保存できるか
  • 片面、両面、複数ページで失敗しないか
  • PDF、JPEG、OCR付きPDFなど必要な形式を送れるか
  • 大容量ファイルでもタイムアウトしないか
  • パスワード変更後の更新手順が明確か
  • Windows再起動後も保存先を維持できるか
  • 複数部署から同時に送信した場合の速度に問題がないか

Windows側のSMB署名無効化を恒久対策にしない

Microsoftは、互換性対策としてSet-SmbServerConfiguration -RequireSecuritySignature $falseという設定方法を掲載しています。
しかし、SMB署名を無効にすると改ざんやリレー攻撃への耐性が低下するため、Microsoftも推奨していません。

やむを得ず原因切り分けのために変更する場合は、社内のセキュリティ責任者、保守会社、ネットワーク管理者と相談し、対象端末、実施日時、変更前の値、復元期限を記録してください。
復旧したからといって、そのまま恒久運用へ移行するのは避けるべきです。

優先順位は、複合機・ファームウェアの対応確認、認証ユーザーの設定、権限とネットワークの修正です。
Windowsの署名無効化や安全でないゲストログオン、SMBv1の再有効化は、安易な解決策として扱わないことが重要です。

一時対応が必要な場合の管理項目

  • 変更理由と承認者
  • 変更したPCと設定値
  • 通信可能な端末・ネットワークの制限
  • 複合機更新またはファームウェア適用の期限
  • 設定を元に戻す予定日
  • 代替のスキャン方法

複合機の入れ替えで比較したい価格・印刷枚数・機能

複合機の入れ替えで比較したい価格・印刷枚数・機能

Windows 11への対応をきっかけに複合機を入れ替える場合、本体価格だけで判断すると、ADF、FAX、OCR、搬入設置、PCごとのスキャン設定などが後から追加になることがあります。
比較するときは、必要な機能構成をそろえた総額で確認してください。

以下はメーカーが公表している標準価格の例で、原則として税別です。
実売価格、リース料、保守料、販売店独自の値引きは含みません。
調査時点や構成条件が異なるため、最新価格はメーカーまたは販売店への公式確認が必要です。

メーカー・機種例 本体標準価格 速度・構成上の注意
キヤノン imageRUNNER ADVANCE DX C3935F 2,230,000円 カラー・モノクロ35枚/分、A4ヨコ時。在庫僅少表示あり
キヤノン imageRUNNER ADVANCE DX C3930F 1,980,000円 カラー・モノクロ30枚/分、A4ヨコ時
キヤノン imageRUNNER ADVANCE DX C3926F 1,770,000円 カラー・モノクロ26枚/分、A4ヨコ時
RICOH IM C3011 1,610,000円 FAXはオプション。ADFまたは圧板の選択が必要
RICOH IM C3011F 2,230,000円 FAX標準。感光体ユニットは本体価格に含まれない
富士フイルムBI Apeos 2061 Model-PF-1T 1,015,000円 搬入設置調整料金39,000円の公表例あり
富士フイルムBI Apeos 2561 Model-PFS-4T 1,699,000円 PFSはカラースキャン標準、搬入設置調整料金は別
富士フイルムBI Apeos 3061 Model-PFS-4T 2,034,000円 PFSはカラースキャン標準、消耗品は本体価格に含まれない

印刷枚数と速度は実際の利用状況に合わせる

印刷速度は速いほどよいとは限りません。
月間印刷枚数が少ない会社で高速機を選ぶと、本体価格や最低基本料金とのバランスが合わないことがあります。
一方、月末に印刷が集中する会社や、複数部署で1台を共有する会社では、平均枚数だけでなくピーク時の待ち時間も確認が必要です。

確認項目 見積先へ伝える内容 比較する理由
月間印刷枚数 モノクロ、カラー別の実績 カウンター料金と機種能力を合わせるため
ピーク時の利用 月末、請求日、会議前の集中度 平均枚数だけでは待ち時間を判断できないため
スキャン枚数 1回の原稿枚数、1日の回数 ADF性能と送信時間を確認するため
原稿種類 A3、両面、カラー、帳票、名刺 必要な給紙・読取機能が異なるため
保存形式 PDF、OCR付きPDF、JPEGなど 標準機能かオプションかを確認するため

印刷枚数に対して適切なクラスは、原稿内容、連続印刷量、停止できない時間帯でも変わります。
メーカー公表速度だけで機種を断定せず、販売店に現在のカウンター実績を提示して比較しましょう。

Scan to SMB機能で確認する仕様

  • Windows 11 24H2以降への対応
  • SMBv2、SMBv3の対応範囲
  • SMBクライアントとしての署名対応
  • 必要なファームウェアバージョン
  • NTLMv2、Kerberosの対応条件
  • ゲストではなく認証ユーザーで保存できるか
  • OCR、SFTP、メール、クラウド保存の標準・オプション区分

リース料金は本体価格だけから判断しない

リースの月額は、本体とオプションの構成価格、契約期間、料率、審査条件などで変わります。
メーカー標準価格から実際の月額を一律に推測することはできません。
見積書では、月額だけでなく契約期間と支払総額を確認してください。

  • 本体とオプションを含むリース対象額
  • 契約期間と月額
  • 契約期間全体の支払総額
  • 中途解約の可否と残債の扱い
  • 所有権と契約満了後の返却条件
  • 再リースの条件
  • 既存機の残債、撤去、データ消去費

短期間の利用や将来の移転が決まっている場合は、リースとレンタルのどちらが適するかも変わります。
詳しくは、複合機リースとレンタルの料金・契約期間比較をご覧ください。

初期設定費も比較対象に含める

コニカミノルタの従来製品ページには、プリンタードライバー設定2,000円/台、スキャナー設定・動作確認2,500円/台、ソフトウェアインストール2,500円/台という公表例があります。
これは現在の全機種、全販売店に適用できる料金ではありませんが、PCごとの設定費が本体価格とは別に発生し得ることを示しています。

見積時には、共有フォルダー作成、スキャン専用ユーザー作成、複合機の宛先登録、PC入れ替え時の再設定、Windows Update後の確認が含まれるかを確認しましょう。

保守契約とカウンター料金で見落としやすい条件

保守契約とカウンター料金で見落としやすい条件

複合機は導入後の利用期間が長いため、本体価格の差よりも保守範囲やカウンター料金が総費用へ影響することがあります。
特にWindows Update後のスキャン障害は、複合機本体ではなくPC、LAN、認証設定が原因と判断され、通常保守の対象外になる場合があります。

リコーのRICOH IM C3011に関する公式掲載例では、パフォーマンス契約の月額基本料金は3,380円、モノカラーは1カウント9.4円から、フルカラーコピーは44.0円から、フルカラープリントは38.0円からです。
1面が1カウントで、両面出力は2カウントとなります。

同契約は有効期間5年間で、6年目はパフォーマンスチャージが8%増、7年目以降は12%増とされています。
スポット保守の保証期間外料金には、基本料金15,000円/訪問、技術料金7,000円/30分、別途部品代という公表例があります。
これらは該当機種の公式条件であり、他機種や他社へそのまま適用はできません。

カウンター料金は単価以外も比較する

比較項目 確認する内容
モノクロ単価 段階料金、最低枚数、モノカラーの扱い
カラー単価 コピーとプリントで単価が異なるか
最低基本料金 印刷しない月にも発生する金額
カウント方法 両面、A3、集約、テスト出力の数え方
含まれるもの トナー、ドラム、部品、訪問費、作業費
契約期間後の改定 6年目以降の単価や基本料金の変更
対象外費用 紙、ステープル針、PC設定、LAN調査など

印刷枚数が少ない会社では単価だけでなく最低基本料金が重要です。
カラー比率が高い会社では、カラーコピーとカラープリントの区分も確認します。
過去12か月分のカウンター実績を使い、同じ枚数条件で月額と年間額を試算してもらうと比較しやすくなります。

保守対応時間と到着目標

  • 電話・リモート受付の時間帯
  • 当日または翌営業日などの到着目標
  • 土日、祝日、時間外対応の有無
  • 遠隔地、離島での追加料金
  • 代替機を用意する条件
  • 部品取り寄せ時の見込み日数

「迅速対応」などの表現だけでなく、受付時間、訪問目標、対象地域、追加料金を契約書や保守約款で確認してください。

Windows Update後の障害は保守対象か

保守契約で特に確認したいのは、複合機以外が原因だった場合の扱いです。
リコーの公式保守条件には、製品や同梱ソフト以外が原因だった場合、調査費用を別途請求することがある旨が記載されています。
Windows Update、PCの共有設定、LAN、UTM、Active Directoryなどが原因の障害は、販売店によって対応範囲が異なります。

契約前に「Windows更新後にScan to SMBができない場合、どこまで無償対応か」と具体的に質問してください。
複合機の設定確認だけなのか、PC側のユーザー作成や権限設定まで含むのか、訪問時は有償になるのかを分けて確認します。

保守契約チェックリスト

  • Windows Update後のスキャン障害が対象か
  • PC側の共有・認証設定を支援するか
  • ネットワーク原因の調査費はいくらか
  • リモート対応と訪問対応の範囲
  • ファームウェア更新が保守に含まれるか
  • 契約期間と中途解約条件
  • 6年目以降の料金改定
  • 補修部品とファームウェアの提供期間
  • PC追加・入れ替え時の設定費
  • 複合機撤去時のストレージデータ消去

見積依頼と導入検収で失敗を避けるチェックリスト

見積依頼と導入検収で失敗を避けるチェックリスト

複合機の見積依頼では、「スキャン機能あり」だけでは条件が足りません。
Scan to SMBへ対応していても、署名なし通信やゲスト接続を前提としていると、現在のWindows 11環境に適合しない可能性があります。

また、カタログの仕様確認だけでなく、導入先と同じWindowsエディション、ネットワーク、認証方式で実機検証することが重要です。
Windows側の安全性を下げなければ利用できない機種は、導入後の更新対応や監査で問題になる可能性があります。

見積依頼書へ記載したい条件

分類 確認項目
技術仕様 Windows 11 24H2以降、SMBv2・SMBv3、SMB署名、NTLMv2・Kerberosの対応条件
認証 ゲストではなく認証ユーザーで共有フォルダーへ保存できること
更新対応 必要なファームウェアと提供期間、Windows更新後の動作確認方針
代替手段 SFTP、メール、クラウド保存などの標準・オプション区分
導入費用 本体、ADF、FAX、OCR、搬入、PC設定、宛先登録、送信テスト
保守 Windows Update後の対応、PC・LAN原因時の調査費、訪問条件
契約 リース期間、総支払額、中途解約、満了後の返却・再リース
撤去 既存機の撤去費、ストレージデータ消去、証明書発行

販売店へそのまま確認できる質問例

  • この機種はSMBクライアントとしてSMB署名に対応していますか
  • Windows 11 Pro 24H2以降へ送信確認済みですか
  • 確認に使ったファームウェアバージョンは何ですか
  • SMB署名を無効化せず、ゲストログオンとSMBv1を使わずに保存できますか
  • 認証方式とユーザー名の登録形式を教えてください
  • PCごとの共有フォルダー作成と動作確認はいくらですか
  • Windows Update後に送信できない場合は保守対象ですか
  • PCやLANが原因だった場合の調査料金はいくらですか
  • 月間印刷枚数を前提にしたカウンター料金総額はいくらですか
  • 契約6年目以降に料金改定はありますか

導入時の検収条件を具体的にする

注文書や導入仕様書には、次のような検収条件を記載すると認識違いを減らせます。

導入先のWindows 11 Pro最新版環境において、SMB署名を無効化せず、ゲストログオンおよびSMBv1を使用せずに、指定共有フォルダーへのスキャン保存が正常に完了すること。

さらに、カラー両面原稿、複数ページPDF、OCR付きPDFなど、実務で使用する条件を追加します。
複数拠点やVLANを利用している場合は、対象セグメントからの試験も必要です。
単に複合機とテストPCを同じネットワークへ置いた試験だけでは、本番環境の条件を再現できないことがあります。

納品当日の検収チェックリスト

  • 複合機と保存先PCの日時が合っている
  • 最新の承認済みファームウェアが適用されている
  • SMBv1を使用していない
  • WindowsのSMB署名を無効化していない
  • 安全でないゲストログオンを使用していない
  • スキャン専用ユーザーで認証できる
  • 共有アクセス許可とNTFSアクセス許可が過剰でない
  • カラー、モノクロ、両面、複数ページで保存できる
  • 実際の部署・VLANから送信できる
  • 障害時の連絡先と有償・無償範囲が明記されている

株式会社じむやへ相談するときに用意したい情報

株式会社じむやは、新品A3カラー複合機のリース・保守を全国対応で案内しています。
機種を比較するときは、価格だけでなく、契約期間、カウンター料金、保守条件、Windows 11環境で必要なスキャン機能を整理することが大切です。

相談時に次の情報を用意すると、必要以上の機能を避けながら比較しやすくなります。

  • 現在の複合機メーカーと機種名
  • Windows 11のバージョンとエディション
  • 月間のモノクロ・カラー印刷枚数
  • 必要な印刷速度と用紙サイズ
  • FAX、ADF、OCR、クラウド連携の必要性
  • 共有フォルダーの保存先台数
  • Active Directory、VLAN、UTMの有無
  • 希望する契約期間と保守対応時間
  • 既存リースの満了日と撤去条件

価格や性能は、機種、構成、地域、契約条件、審査条件によって変わります。
確認できない金額や対応性能を一律に断定せず、同じ構成と印刷枚数で見積書を比較してください。

Windows 11更新後のスキャン障害では、SMB署名だけに原因を決めつけず、認証、権限、SMBバージョン、TCP 445番ポート、名前解決まで順番に確認することが解決への近道です。
入れ替え時には、SMB署名を無効にしない実機検収と、Windows Update後の保守範囲を契約前に明確にすることが、長期運用の失敗を避けるポイントになります。

主な参考情報

掲載した価格、仕様、保守条件は調査時点のメーカー公表情報に基づきます。
実際の販売価格、リース料、提供機種、保守範囲は変更される場合があるため、契約前に最新の公式資料と見積書をご確認ください。

参考情報・出典

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