発売日未確認発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種
TASKalfa 9003iは、大量のモノクロ文書を短時間で印刷し、紙原稿をまとめて電子化したい職場に適した高速A3複合機です。
A4ヨコの連続出力は毎分90枚、300dpiの両面読み取りは毎分220ページに対応します。
標準給紙容量も4,765枚あり、一般的な部門用複合機より集中処理を重視した設計です。
ただし、カラー出力には対応せず、ファクスや無線LAN、フィニッシャーなどは構成確認が必要です。
また、2026年9月26日時点のメーカー表示は「在庫僅少」で、後継シリーズが同年10月2日に発売予定です。
新規導入では、本機の在庫、保守可能期間、後継機との差を見積書で確認してから判断しましょう。
TASKalfa 9003iの特徴
TASKalfa 9003iの中心的な特徴は、モノクロ文書の出力と紙原稿の読み取りを高い速度でまとめて処理できることです。
京セラ公式の製品ページでは、A4ヨコの連続出力速度が毎分90枚と案内されています。
ファーストコピーは3.6秒以下、ファーストプリントは4.0秒以下なので、大量ジョブだけでなく、急ぎの一枚を出す場面にも対応しやすい仕様です。
標準の給紙構成は、550枚カセット2段、1,750枚デッキ2列、165枚手差しの合計4,765枚です。
オプションを組み合わせると最大8,815枚まで拡張できます。
同じサイズと種類の用紙を複数の給紙部へ登録すれば、一方が空になった際に別の給紙部へ切り替えて印刷を続けられます。
印刷中に空いたカセットへ用紙を補充できるため、総務部門や集中印刷室で長いジョブを扱う際に有効です。
もう一つの強みは、300dpi時に片面毎分120ページ、両面毎分220ページの読み取り性能です。
原稿送り装置には重送検知機能があり、複数枚を重ねて送った場合に自動停止して知らせます。
契約書や申込書を大量に電子化するとき、読み飛ばしに気付きにくいという高速スキャン特有のリスクを抑えられます。
高性能でも用途はモノクロ文書が中心
本機はカラー原稿を読み取れますが、印刷はモノクロ専用です。
写真や販促物をカラー出力する機種ではありません。
カラー出力も一台へ集約したい場合は、カラーA3複合機を別に比較する必要があります。
また、一般オフィスで印刷量が少ない場合、90枚機は設置条件や本体価格に対して過大になることがあります。
単純な最高速度ではなく、ピーク時間帯の待ち行列、連続ジョブの長さ、スキャン量、必要な後処理を基準に選びましょう。
主要仕様と処理性能
メーカー公式仕様表でTASKalfa 9003iの列を確認すると、基本性能は次のとおりです。
併記されているTASKalfa 7003iの毎分70枚、ウォームアップ45秒以下などを、本機の数値と混同しないよう注意してください。
| 項目 | TASKalfa 9003iの仕様 |
|---|---|
| 方式 | コンソール型A3モノクロ複合機 |
| 連続複写速度 | A4ヨコ・B5ヨコ:毎分90枚、A4タテ・B5タテ:毎分63枚、B4:毎分54枚、A3・A5タテ:毎分45枚 |
| 解像度 | 読み取り600×600dpi、書き込み1,200×1,200dpi |
| ウォームアップ | 主電源オンから30秒以下 |
| 読み取り速度 | 300dpiで片面毎分120ページ、両面毎分220ページ。カラー、モノクロとも同値 |
| 標準給紙容量 | 合計4,765枚。64g/㎡用紙での値 |
| 記憶装置 | 画像メモリー4.5GB、SSD 8GB、HDD 320GB |
| 本体質量 | 約150kg。トナーコンテナを含まない |
カセットはA3からA5タテ、固定デッキはA4とB5、手差しはA3からA6タテに対応します。
手差しでは304.8×1,219.2mmの長尺用紙も扱えますが、コピー時の原稿は最大A3です。
坪量はカセットとデッキが60~256g/㎡、手差しが60~300g/㎡、自動両面印刷が60~256g/㎡です。
用紙仕様は実際の銘柄でも確認する
仕様上は普通紙、再生紙、コート紙、厚紙、薄紙、ラベル紙、OHP、タブ紙、バナー紙、封筒に対応します。
ただし、材質、表面加工、含水率、目方向によって搬送性や定着状態は変わります。
特殊紙を定常業務に使うなら、予定している銘柄を販売店へ伝え、事前テストと用紙設定を依頼しましょう。
両面の位置精度が重要な帳票では、表裏ずれとレジストレーションの確認方法も参考になります。
操作性と文書連携
操作部には10.1インチの大型タッチパネルを搭載し、スワイプ、ピンチアウト、ドラッグといった操作に対応します。
よく使う複写条件や定型処理をプログラムボタンへ登録できるため、小冊子や伝票など、複数の設定を毎回選び直す作業を減らせます。
大量ジョブの処理中でも、パネルから待機ジョブの優先順位を変更したり、急ぎのコピーを割り込ませたりできます。
スキャンの送信先はSMB、SMTP、FTP、FTP over SSL、USBなどに対応します。
出力形式にはTIFF、JPEG、XPS、PDF、高圧縮PDF、サーチャブルPDF、Microsoft Office形式が含まれます。
OCRを利用した検索可能なPDFやOffice文書への変換は、紙資料の再利用や文書検索に役立ちます。
ただし、原稿の状態や文字種によって認識精度は変わるため、重要な金額や固有名詞は人が確認する運用が必要です。
有線LANは1000Base-T、100Base-TX、10Base-Tを備えます。
無線LANとWi-Fi Directはオプション構成です。
有線LANと無線LANを同時に使う構成も案内されていますが、ネットワーク分離の代替になるとは限りません。
事務系と基幹系など複数ネットワークから利用する計画では、複合機を2つのネットワークで共有する考え方を確認し、社内のネットワーク管理者と経路やアクセス制御を設計してください。
モバイル印刷とファクスは標準構成を確認
AirPrint、Mopria、KYOCERA Mobile Printなどのモバイル印刷手段に対応します。
一方、無線インターフェイスそのものはオプションであり、スマートフォン対応という表示だけで無線接続できるとは限りません。
ファクスもFAX System 12が必要なオプションです。
2枚装着すればマルチポートファクスに対応します。
注文時は「機能対応」と「見積構成に含まれる装置」を分けて確認しましょう。
セキュリティ機能
TASKalfa 9003iは、本体に登録したユーザーで確認するローカル認証と、LDAPやActive Directoryなどを利用するネットワーク認証を標準でサポートします。
利用者ごとに使用できる機能を分けられるため、コピーは許可する一方でUSBスキャンは管理部門だけに限定する、といった運用を設計できます。
IDカード認証を利用する場合は、対応するカードや読取装置を含めた構成確認が必要です。
本体へ一時保存されたコピー、スキャン、印刷ジョブは、処理終了後に上書き消去されます。
アドレス帳や認証情報など、本体に保持するデータは記録時に暗号化され、暗号鍵は外部からアクセスできないセキュリティーチップに保存する仕組みです。
起動時と稼働中にはファームウェアの正当性を検証し、改ざんを検知すると起動を停止します。
IPフィルターによる接続元の制限や、USBメモリーの利用制限にも対応します。
印刷物の放置対策では、ジョブボックスやユーザーボックスへ文書を保存し、パスワードやアクセスコードを入力してから出力できます。
別途オプションのTASKGUARDサーバーレス認証印刷では、利用者が複合機の前で認証した後に自分のジョブを選択できます。
標準機能と有償アプリケーションを区別して見積もることが大切です。
導入時に決めておきたい運用ルール
- 管理者パスワードを初期値のまま使わず、担当者と変更手順を決めます。
- 不要な通信機能、プロトコル、USB利用を停止し、許可する端末やネットワークを限定します。
- アドレス帳の登録権限とファクス番号の二度入力、同報送信の可否を決めます。
- 保守契約に基づくファームウェア更新の方法と実施記録を確認します。
- 返却や廃棄時は、保存データとアドレス帳の消去方法、証明書の発行可否を契約先へ確認します。
機能が搭載されていても、初期設定と日常運用が合っていなければ十分な対策になりません。
認証基盤へ接続する場合は、証明書更新や時刻同期、退職者アカウントの削除まで含めて管理してください。
適する用途と選びにくいケース
本機が適するのは、モノクロの大量出力と大量スキャンが同じ場所へ集まる職場です。
例えば、大学や研修施設の教材、官公庁や企業の会議資料、物流・製造現場の帳票、金融・士業部門の保存書類などを、決まった時間内にまとめて処理する用途が考えられます。
標準4,765枚の給紙と毎分90枚の速度を生かすには、単なる月間枚数だけでなく、締め時間前にジョブが集中するかどうかも判断材料になります。
両面毎分220ページのスキャン、重送検知、サーチャブルPDF、Office形式への変換は、紙文書の電子化を継続的に行う部門と相性がよい構成です。
原稿の仕分けやシステム登録まで自動化したい場合は、別途アプリケーションや連携設計が必要です。
複合機本体の購入だけで、業務システムとの自動連携が完成するわけではありません。
一方、カラーの提案書や販促物を日常的に印刷する会社、印刷量が少ない小規模拠点、設置スペースや電源に余裕がない事務所には選びにくい機種です。
卓上機や中速機で足りる場合は、速度の余裕より総費用と扱いやすさを優先した方が合理的です。
業務用複合機と商業印刷寄りの装置で迷う場合は、プロダクションプリンターと複合機の違いも確認すると用途を整理しやすくなります。
月間枚数だけで決めない
メーカー公式資料には、推奨月間印刷枚数として断定できる値は掲載されていません。
そのため、根拠のない目安を当てはめず、現在のカウンター実績、最大ジョブ枚数、同時利用者数、待ち時間、用紙交換回数を記録しましょう。
印刷量が同じでも、一日を通じて分散する会社と、朝や締め日に集中する会社では必要速度が異なります。
大量機では停止時の業務影響も大きいため、代替出力先や保守対応時間も併せて検討します。
他機種・後継シリーズとの比較
同じ公式ページに掲載されるTASKalfa 7003iは、A4ヨコ毎分70枚のモノクロ機です。
基本的な用紙対応やスキャン速度には共通点がありますが、TASKalfa 9003iは連続出力、初動、電源条件などが異なります。
速度差が業務時間を短縮できるかを確かめたい場合は、TASKalfa 7003iの機種情報も比較してください。
より一般的な部門用モノクロ機では、TASKalfa 7004iや、毎分60枚クラスのTASKalfa 6004iが候補になります。
90枚機ほどのピーク性能が不要なら、本体寸法、電源、給紙・排紙オプション、保守費用を含めた構成全体で比較する方が実態に合います。
末尾の「i」や「W」を省略せず、見積書の正式な型番を照合してください。
2026年9月1日の京セラの発売資料では、TASKalfa 9003iシリーズの後継となる高速モノクロA3複合機4機種を、2026年10月2日に発売予定としています。
速度が近いTASKalfa MZ9500iはA4ヨコ毎分95枚、希望小売価格4,840,000円税別と発表されています。
一段下のTASKalfa MZ8500iは毎分85枚です。
新規導入では在庫機と後継機を同じ条件で見積もる
TASKalfa 9003iは2026年9月26日時点で「在庫僅少」と表示されています。
すでに販売終了と断定する段階ではありませんが、新規案件では最終在庫になる可能性を考慮すべきです。
本体だけの値引きではなく、必要オプション、搬入、設定、保守契約、消耗品供給、将来の部品対応まで同じ条件にそろえ、後継機と比較してください。
後継機は発売前なので、納期や実際の見積価格を発表価格だけで判断しないことも大切です。
構成・価格・保守契約
TASKalfa 9003iのメーカー希望小売価格は、2026年9月26日に確認した製品ページで3,920,000円、税別です。
これは本体の希望小売価格であり、実際の導入総額やリース支払総額ではありません。
ファクス、無線LAN、追加給紙、フィニッシャー、中折り、パンチなどの必要構成に加え、搬入、設置、ネットワーク設定、ドライバー配布、既存機撤去の費用を含めて確認します。
大量資料の仕上げを自動化する場合、4,000枚フィニッシャーや100枚ステープル対応の構成を選べます。
中綴じや折りを使う場合は、対応するフィニッシャーと追加ユニット、接続に必要な中継装置まで見積書へ記載されているか確認してください。
「中綴じ対応機」という説明だけでは、注文構成に装置が含まれているとは限りません。
製本用途の考え方は複合機で製本する際のポイントでも整理できます。
保守は、本体価格とは分けて比較します。
メーカー公式では、コピーチャージ保守として点検・調整、トナー、感光体、部品、修理、出張などをカウント料金へ含める体系が案内されています。
ただし、販売店の見積条件、最低料金、対象外作業、受付時間、設置地域によって契約内容は変わります。
根拠のない一律単価を当てはめず、想定カウントを使って総額を計算しましょう。
見積書でそろえる項目
- 本体の正式型番、製造番号、在庫の確保期限を確認します。
- 給紙、排紙、ファクス、無線、認証などのオプション型番を確認します。
- 税別・税込、搬入設置費、階段作業や養生などの追加費用を分けます。
- リース期間、再リース、満了時の返却、途中解約条件を確認します。
- カウンター料金に含まれる消耗品と部品、最低料金、保守受付時間を確認します。
概算比較には複合機料金シミュレーター、提示済みの条件整理には複合機の見積書AI診断が役立ちます。
短期利用や将来の移転予定がある場合は、リースとレンタルの違いも確認してください。
導入前に確認するポイント
本機は約150kgの床置き型で、トナーコンテナの質量は含まれていません。
公式仕様の機械占有寸法は手差し使用時で1,015×822mm、フルシステムでは2,115×822mmです。
フィニッシャーのトレイを引き出す空間、扉や点検部を開く空間、用紙を補充する通路も必要になります。
エレベーターの積載量、扉幅、廊下の曲がり角、段差、床荷重を現地調査で確かめてください。
電源仕様はAC100V、15A+5.5A、50/60Hzです。
一般的な小型複合機と同じ一口のコンセントで使えると決めつけず、必要な回路、コンセント形状、分電盤容量、アースについて販売店と施設管理者へ確認します。
延長コードや他機器との安易な共用は避け、メーカーの設置条件に従ってください。
ネットワーク面では、固定IPまたはDHCP予約、DNS、SMTP、SMB、時刻同期、認証サーバー、証明書、通信を許可するポートを導入前に整理します。
古い複合機から入れ替える場合、ドライバーを同じキューのまま流用せず、現行OSへの対応状況と仕上げオプションの認識を検証します。
PDFや特殊フォントを多用する部署は、本番データで出力テストを行ってください。
在庫僅少機として追加確認する事項
- 新品在庫であるか、展示機・再生機・中古機であるかを契約書へ明記します。
- 製造番号、総カウンター、交換部品履歴、付属品の欠品を確認します。
- 保守契約を開始できる期間と、部品・消耗品を供給できる見込みを確認します。
- 後継機への変更が必要になった場合の価格、納期、契約手続きを確認します。
- 返却時のデータ消去、HDDの扱い、設定情報の移行範囲を決めます。
保守地域は販売会社によって条件が異なるため、メーカー別の保守拠点分布図も参考に、実際の設置住所で受付時間と訪問体制を確認しましょう。
用紙量が多い環境では、保管時の湿度も重要です。
紙の変形や搬送不良が心配な場合は、用紙カールの季節別対策も運用手順へ取り入れます。
最終判断では、毎分90枚という速度だけでなく、現在の在庫、保守の継続性、必要な電源と設置面積、後継機の納期を一枚の比較表にまとめてください。
条件が合えば本機は大量モノクロ業務を効率化できますが、長期利用を前提とする新規導入では、発売予定の後継シリーズも同時に見積もるのが安全です。
参考情報・出典
仕様・価格・保守条件は構成や地域で変わります。
正式な条件は最新の見積書をご確認ください。
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