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富士フイルム

Apeos C5240

仕様・向いている会社・導入費用の考え方を、複合機のプロが実務目線で解説します。

Apeos C5240
最大用紙サイズA4
カラー対応フルカラー
印刷速度52枚/分
発売日2022-02-10
希望小売価格(税別)1,406,000円(税別。本体標準価格。搬入設置調整料金、消耗品、オプションは別)

旧機種発売から3年未満:新機種 / 3年以上:旧機種

Apeos C5240は、A4文書を短時間にまとめて出力・電子化したい部署に適した高速カラー複合機です。
カラー・モノクロともA4毎分52枚で、100枚積載の1パス両面原稿送り装置や、最大4,010枚まで拡張できる給紙構成を備えています。
一方、原稿と出力の最大サイズはA4、レター、リーガルで、A3図面や見開き資料を等倍で扱う機種ではありません。
窓口、医療・調剤、物流、受注処理、本部の帳票出力など、A4中心で待ち時間や用紙補給を減らしたい業務に向く機種です。

Apeos C5240の特徴

Apeos C5240は、富士フイルムビジネスイノベーションがA4カラー複合機のフラッグシップとして案内しているモデルです。
2022年2月8日の発表資料では同年2月10日発売とされ、2026年9月26日時点でもメーカーの商品ページ、仕様ページ、価格ページに掲載されています。
名称が似ている「ApeosPrint C5240」は、コピーやスキャンを備えないA4カラープリンターです。
本記事の対象であるApeos C5240とは別製品なので、仕様や価格を取り違えないようにしてください。

中心となる特徴は、カラー・モノクロともA4毎分52枚という連続出力速度です。
窓口で申請書を続けて出力する、受注伝票をまとめて処理する、会議前に多数の配布資料を印刷するといった場面でも、カラー利用による公称速度の差がありません。
ファーストコピータイムはモノクロ5.2秒、カラー7.0秒です。
ただし、画質調整、文書内容、用紙条件などによって速度が低下する場合があります。

大量出力を支える給紙と耐久性

標準トレイ670枚と手差しトレイ180枚を合わせ、標準状態で850枚を給紙できます。
トレイモジュールや2,490枚の大容量トレイモジュールを組み合わせたメーカー記載の最大給紙容量は4,010枚です。
普通紙、色紙、指定帳票などをトレイごとに分ければ、補給や差し替えの回数を抑えられます。
公式特長ページとカタログには60万ページの高耐久性が示されていますが、これはあらゆる環境における使用期間を保証する数字ではありません。
実際の月間枚数、厚紙比率、温湿度、清掃や保守の体制を含めて判断します。

Model-PFSとModel-PFS-EXを区別する

本体にはModel-PFSとModel-PFS-EXがあります。
基本の出力速度は共通ですが、フィニッシャーSと4ビン出力装置を増設できるのはModel-PFS-EXだけです。
EXは幅470×奥行503×高さ844mm・41.6kg、PFSは幅470×奥行503×高さ644mm・37.6kgです。
1カ所ステープルや利用者別の排紙が必要ならEX、後処理装置を使わず高さを抑えたいならPFSが候補です。
本体標準価格が同額でも将来の拡張範囲は異なるため、見積書には末尾まで記載してもらいます。

主要仕様と用紙対応

Apeos C5240は、4GBメモリーと128GBストレージを備えるデスクトップ型のフルカラー複合機です。
読み取り解像度は600×600dpi、書き込み解像度は1,200×2,400dpiです。
標準のページ記述言語はART EXで、Adobe PostScript 3はオプションです。
一般的な事務文書は標準構成で扱えますが、デザイン部門や基幹システムがPostScriptまたはPCLを前提としている場合は、必要なキット、ドライバー、フォントを契約前に指定します。

項目 Apeos C5240の確認済み仕様
最大原稿・用紙 A4、レター、リーガル
連続複写速度 カラー・モノクロとも52枚/分(A4)
標準給紙 標準トレイ670枚+手差し180枚
最大給紙 4,010枚
本体の用紙坪量 トレイ・手差しとも60~220g/㎡
自動両面の坪量 60~176g/㎡
ウォームアップ 32秒以下(室温23℃)
スリープ復帰 20秒以下(室温23℃)

A4機として扱える範囲を確認する

コピー原稿と通常のプリントは最大A4、レター、リーガルです。
A3図面、見開き台帳、新聞サイズの原稿をそのまま読み取ることや、A3用紙への等倍出力はできません。
手差しトレイでは最大215.9×520mmの長尺プリントに対応しますが、これは幅がA4相当の細長い用紙への対応であり、A3対応を意味しません。
最小用紙はA6で、標準トレイからA6を給紙する場合は小サイズ対応用紙ガイドが必要です。
利用する定形外サイズは、幅と長さを販売会社へ伝えて確認します。

厚紙・封筒・薬袋は実紙で確認する

本体トレイと手差しの坪量上限は220g/㎡ですが、自動両面印刷の上限は176g/㎡です。
片面で通る用紙が同じ条件で自動両面にも使えるとは限りません。
封筒、ラベル紙、耐水紙、薬袋などは、寸法だけでなく糊、窓材、表面加工、マチ、耐熱性によって通紙結果が変わります。
薬袋キットとマチ付き薬袋キットも用意されていますが、あらゆる銘柄への対応を示すものではありません。
実際に使用する用紙を複数枚用意し、給紙、定着、カール、汚れ、連続出力を事前に試すことが重要です。

操作性とスキャン・ネットワーク連携

自動両面原稿送り装置は100枚を積載でき、表裏を反転させずに読み取る1パス方式です。
メーカー標準原稿のA4、200dpi、ボックス保存という測定条件では、両面読み取り時にモノクロ104ページ/分、カラー83ページ/分です。
契約書や申込書をまとまった単位で電子化する部署では、毎分52枚の出力だけでなく、この読み取り能力が作業時間に影響します。
折れ、破れ、付箋、のり、サイズ混在がある原稿は、紙詰まりや読み取り漏れを防ぐため事前に整理します。

保存先はボックス、メール、SMB・FTP・SFTPによるPC保存などに対応し、TIFF、JPEG、PDF、DocuWorks文書を扱えます。
自動正立、スキュー補正、白紙除去、地色除去、裏写り防止も利用できます。
高圧縮PDFには対応しますが、文字認識やMicrosoft Word・Excel形式への変換はオプションです。
OCR後の文書は元原稿を完全に再現するとは限らないため、金額、日付、固有名詞など重要項目の確認工程を残します。

有線・無線・モバイル印刷の構成

有線LANは1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-Tに対応し、USB 3.0も備えます。
AirPrint、Mopria、Print Utility、Universal Printなどを利用でき、NFCを使ったモバイル連携も案内されています。
サーバーを持たないクラウド印刷を検討する場合は、Microsoft Universal Printの仕組みと必要条件も確認してください。
なお、現行の価格ページは無線LAN、USBメモリー、SSDを標準装備と記載する一方、仕様ページや機能一覧には無線LAN・USBメモリー機能をオプションとする表記が残っています。
発注する本体の製造時期と出荷構成を見積書で確認するのが確実です。

スキャン先の認証まで設計する

共有フォルダーへ送る場合は、保存先、通信方式、利用者権限、ファイル名、保存期間を決めます。
個人アカウントのパスワードを登録すると、変更後に送信できなくなることがあります。
該当する環境ではパスワード変更後のスキャン認証情報を確認してください。
Windows 11やサーバー側のポリシーを強化している場合は、SMB署名と共有フォルダースキャンも参考になります。
メール送信ではSMTP認証、暗号化方式、送信元アドレス、証明書、添付容量を導入前にテストします。

セキュリティー機能と運用設計

Apeos C5240は、本体認証、ユーザー別の機能制限、プライベートプリントを備えます。
カラー出力やファクス・スキャン送信を利用者ごとに制限できるため、コスト管理と誤操作対策を同じ認証設計の中で考えられます。
Active DirectoryやMicrosoft Entra IDを使う外部認証、ICカード認証、イメージログはオプションです。
必要な統制を決めずに機能名だけで選ぶと、導入後に認証キット、カードリーダー、設定作業が追加で必要になる可能性があります。

通信面ではTLS 1.2・1.3、IPsec、SMBv3、SFTP、S/MIME、Wi-FiのWPA3が案内されています。
SSDへの書き込みはAES-256方式で暗号化され、暗号鍵の管理にはTPM 2.0を使用します。
設定変更などを記録する監査ログとSIEMへの転送にも対応します。
ただし、機能を搭載しているだけで運用上のリスクがなくなるわけではありません。
管理者パスワードの変更、不要な通信機能の停止、証明書更新、管理画面への接続元制限、ログ確認を継続します。

放置印刷と誤送信を減らす

共有スペースでは、出力紙の取り忘れが情報漏えいにつながります。
プライベートプリントを使えば、利用者が本体で認証してから自分のジョブを出力できます。
ファクスには宛先再入力、ダイレクトファクス送信の禁止、ペーパーレス受信などがあり、スキャンでは配信先を固定できます。
「誰が、どの機能を、どの宛先へ使えるか」を部署別に決め、テスト用アカウントで印刷、スキャン、ファクスの権限を確認してから展開するのが実務的です。

返却・入れ替え時のデータも管理する

複合機にはアドレス帳、保存文書、ジョブ情報、認証設定、証明書が残る可能性があります。
本体内データの一括消去機能があっても、リース返却時の実施者、作業範囲、証明書の発行可否は契約によって異なります。
導入時に設定のバックアップ方法と撤去時の消去条件まで決めてください。
証明書を利用する場合は期限管理も必要です。
送信や管理画面への接続に影響するため、複合機の証明書期限と更新の解説も参考に、更新担当者と通知方法を決めます。

Apeos C5240が適する用途

A4文書が中心で、短時間にまとまった枚数を出力または電子化する職場がApeos C5240の主な対象です。
行政・サービス窓口、病院や調剤部門、コールセンターの帳票出力、物流の送り状やピッキングリスト、製造業の作業指示書、本部の請求書処理などが考えられます。
幅470mmの本体は設置場所を検討しやすい一方、奥行503mmという数字だけでは判断できません。
手差しトレイ、原稿送り装置、排紙部、保守作業のための空間も必要です。

大量給紙は同じ帳票を長時間出力する用途だけでなく、普通紙、色紙、指定伝票などを別々のトレイへ常備する運用にも役立ちます。
Model-PFS-EXでは、フィニッシャーSによる1カ所ステープルや、4ビン出力装置による部署・利用者・ジョブ別の仕分けが可能です。
後処理を使わず、印刷後に人がまとめる運用で問題がなければ、背の低いModel-PFSも選択肢になります。

A3原稿がある職場には適さない

A3の契約書、図面、見開き原稿を日常的に扱うなら、A4専用のC5240に縮小運用を合わせるより、A3対応機を比較する方が確実です。
速度を抑えて用紙範囲とのバランスを検討する場合はApeos C2360、より高い処理能力まで含める場合はApeos C7070も比較候補になります。
機種名だけで決めず、直近1カ月に使った原稿と出力用紙をサイズ別に集計すると、導入後のサイズ不足を防ぎやすくなります。

毎分52枚を使い切れない場合

少人数で印刷が断続的、月間枚数が少ない、用紙補給も負担になっていない場合は、52枚機の能力を使い切れない可能性があります。
A4カラー機ではApeos C4030やECOSYS MA2600cwfxなども候補に加え、速度、原稿送り、給紙、保守方式、ファクス回線、設置面積を同じ条件で比べます。
平均月間枚数だけでなく、朝一番や締め日の集中枚数を確認することがポイントです。

他機種との比較ポイント

Apeos C5240を比較するときは、毎分52枚という速度だけで順位を付けないことが大切です。
最大用紙がA4である代わりに、カラーとモノクロを同速で処理し、100枚積載の1パス両面スキャンと最大4,010枚の給紙へ拡張できる点が特徴です。
A3機は用紙範囲が広い一方、本体と後処理装置の設置面積が異なります。
小型のA4機は置きやすくても、給紙段数や排紙仕分けの拡張幅がC5240より小さい場合があります。

比較軸 C5240で確認する内容 選定時の考え方
原稿・出力サイズ 最大A4、レター、リーガル A3を等倍で扱うならA3機
連続速度 カラー・モノクロ52枚/分 繁忙時の待ち行列で判断
読み取り 100枚積載、1パス両面 紙の電子化量も比較する
給紙 標準850枚、最大4,010枚 補給回数と帳票種類で構成
後処理 EXのみフィニッシャー等に対応 将来の増設予定も確認

A3機や同等速度帯と比べる

A3カラー機と比べる場合は、bizhub C451やTASKalfa MZ4001ciなども含め、同じ月間枚数、給紙段数、認証、スキャン、保守条件で見積もります。
A4機とA3機では速度表示が近くても、用紙範囲、電源、搬入条件、フィニッシャーを含む占有寸法が違います。
カラー比率や両面比率もそろえないと、保守費を公平に比べられません。

比較表へ入れる条件

  • カラー・モノクロそれぞれの月間枚数と繁忙時間帯
  • A3、A4、A5、封筒、薬袋、厚紙など実際の用紙
  • 片面・両面の比率とスキャンする原稿枚数
  • ステープル、排紙仕分け、OCR、PostScript、認証の要否
  • 本体、搬入、設定、リース、保守を含めた契約期間中の条件

条件を統一しないと、標準構成とオプション込みの構成を比較することになります。
特にC5240はPFSとPFS-EXの本体標準価格が同じでも、追加できる排紙装置が異なります。
商品名だけでなくモデル末尾まで比較表へ記録してください。

構成・標準価格・保守の考え方

メーカー公式価格ページにおける2026年9月26日時点の標準価格は、Model-PFS、Model-PFS-EXとも1,406,000円(税別)です。
標準的な搬入設置調整料金は39,000円(税別)と案内されています。
本体標準価格にはドラムカートリッジ、トナーカートリッジなどの消耗品と、その他のオプション商品は含まれません。
オプションの搬入・取付費、離島、階段、クレーンなどを伴う特殊搬入は別途見積もりです。

標準価格は実際のリース月額や導入総額ではありません。
リース料は物件金額、契約期間、審査、料率、付帯費用で変わり、保守料金は出力枚数、カラー比率、契約方式、対応地域などで変わります。
条件整理には複合機の見積書AI診断や複合機料金シミュレーターも利用できます。
月額だけでなく、契約期間中の支払総額、保守範囲、返却条件を並べて確認してください。

オプションは作業内容から選ぶ

補給回数を減らすならトレイモジュールまたは大容量トレイ、1カ所とじを自動化するならフィニッシャーS、利用者別に排紙するなら4ビン出力装置を検討します。
後二者はModel-PFS-EX専用です。
検索可能なPDFやWord・Excel変換にはサーチャブルPDFキット2.0、PostScriptワークフローには対応キット、ICカード認証には認証関連の構成が関係します。
機能名だけで追加せず、対象業務、利用人数、処理枚数、削減したい手作業を明確にして選びます。

保守契約で確認すること

メーカーはトータルサービス契約とスポット保守サービス方式を案内しています。
トータルサービス契約では、カウント料金に含まれる保守作業と消耗品、最低料金、契約期間を確認します。
スポット方式は依頼ごとの技術料金や部品代、消耗品の購入条件を確認してください。
販売会社の見積書では、トナー、ドラム、部品、訪問作業、定期点検、時間外対応、移設時の扱いを確認します。
地域ごとの対応可否はメーカー別の保守拠点分布図も参考にしつつ、実際の設置住所を伝えて回答を得る必要があります。

導入前に確認したい項目

導入前は、本体寸法だけで設置可否を判断しないことが重要です。
Model-PFS-EXは幅470×奥行503×高さ844mm・41.6kg、Model-PFSは幅470×奥行503×高さ644mm・37.6kgですが、仕様上の機械占有寸法は幅620×奥行1,304mmです。
増設するトレイや排紙装置によっても幅が変わります。
搬入口、エレベーター、通路、段差、床、用紙補給、原稿カバーの開閉、保守作業に必要な空間を販売会社へ確認します。
電源はAC100V、15A、50/60Hz共用です。

ネットワークでは、固定IPまたはDHCP予約、DNS、NTP、SMTP、SMB、SFTP、ファイアウォール、プロキシ、証明書、無線LANの方針を整理します。
複数ネットワークから利用する場合は、安易に二つのネットワークへ直結せず、ルーティングとアクセス制御を設計してください。
考え方は複合機を2つのネットワークで共有する方法で確認できます。
ドライバー配布、アドレス帳移行、認証連携、スキャン先の疎通試験も本稼働前に実施します。

契約前チェックリスト

  1. A3原稿とA3出力が本当に不要かを確認する
  2. Model-PFSまたはModel-PFS-EXを見積書へ明記する
  3. 無線LAN、USBメモリー、SSD、ファクス、スキャンの出荷構成を確認する
  4. 最大4,010枚に必要なトレイと設置寸法を確認する
  5. OCR、PostScript、認証、ステープルの標準・オプションを区別する
  6. 封筒、薬袋、厚紙、定形外紙を実際に通紙する
  7. 搬入、初期設定、ドライバー配布、操作説明の作業範囲を確認する
  8. リース期間、保守範囲、カウンター条件、撤去時のデータ消去を確認する

選定の最終判断

Apeos C5240は、A4中心の職場で、出力待ち、原稿スキャン、給紙補充、印刷後の仕分けをまとめて改善したい場合に有力です。
反対に、A3を日常利用する、印刷が少量で分散している、大容量給紙や後処理を使わない場合は、より低速・小型の機種も含めて検討できます。
最終判断では平均枚数だけでなく、繁忙時間の集中、用紙種類、スキャン量、必要なセキュリティー、設置制約を販売会社へ共有します。
機器構成と保守条件を同じ書面にまとめることで、月額だけでは見えない運用上の違いを比較できます。

参考情報・出典

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。
仕様出典:メーカー公式情報(最終確認:2026-09-26)

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