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複合機でPDFの文字が抜ける・化ける原因は?フォント埋め込みとPCL・PSの違い

複合機でPDFの文字が抜ける・化ける原因は?フォント埋め込みとPCL・PSの違い

QUICK ANSWER

この記事の要点

複合機でPDFを印刷したときに、一部の文字が抜ける、別の文字になる、記号だけ化ける、改行位置がずれるといった現象が起こることがあります。
画面では正しく読めるため、「複合機が故障したのでは」と考えがちですが、実際にはPDFの作成方法、フォントの埋め込み状況、閲覧ソフト、プリンタードライバー、複合機本体のPDF解釈機能など、複数の要因が関係します。

  • 複合機でPDFの文字が抜ける・化ける主な原因
  • 最初に確認したいフォント埋め込みとPDFの作り方
  • PCL・PostScript・PDFダイレクト印刷の違い

執筆・監修: 最終更新:

複合機でPDFを印刷したときに、一部の文字が抜ける、別の文字になる、記号だけ化ける、改行位置がずれるといった現象が起こることがあります。
画面では正しく読めるため、「複合機が故障したのでは」と考えがちですが、実際にはPDFの作成方法、フォントの埋め込み状況、閲覧ソフト、プリンタードライバー、複合機本体のPDF解釈機能など、複数の要因が関係します。

結論からいうと、重要なのは「PS対応かどうか」だけではありません。
PDF内に必要なフォントが埋め込まれているか、PCからPCLまたはPSドライバー経由で印刷するのか、複合機でPDFを直接印刷するのかを分けて確認する必要があります。
新規導入・入替では、日常的に使う実際のPDFを候補機で出力し、文字・表・外字・バーコードまで比較することが堅実です。

この記事では、PDFの文字抜け・文字化けの仕組みをかみ砕いて説明し、複合機の料金、契約期間、保守、印刷枚数、オプションを比較するときの確認項目をまとめます。
株式会社じむやでも、新品A3カラー複合機のリース・保守を全国で案内していますが、機種や契約条件によって対応範囲と費用は変わります。
見積もり時には、仕様と保守条件を書面で確認することをおすすめします。

目次

複合機でPDFの文字が抜ける・化ける主な原因

複合機でPDFの文字が抜ける・化ける主な原因

PDFの文字トラブルは、単純に「プリンターの性能が低いから」とは限りません。
PDFは、作成したパソコン、PDF閲覧ソフト、印刷ドライバー、ネットワーク、複合機という複数の段階を通ります。
どの段階で文字情報や描画指示の解釈が変わるかによって、症状も対処方法も異なります。

特に注意したいのは、画面上の見た目と印刷時の処理が必ずしも同じではないことです。
パソコン上では、その端末に入っているフォントを使って正しく表示できていても、PDFにフォント情報が含まれていなければ、印刷側では同じ字形を再現できない場合があります。

フォントがPDFに埋め込まれていない

代表的な原因は、PDFに使用フォントが埋め込まれていないことです。
フォントを埋め込むとは、文書で使用した文字の形に関する情報をPDF内部に持たせる処理です。
これにより、閲覧・印刷する端末や機器に同じフォントがない場合でも、作成者が意図した字形で表示・印刷しやすくなります。

Adobeは、画面で正常なPDFでも印刷時に一部文字が欠けたり文字化けしたりする要因として、未埋め込みフォントと印刷環境側のフォント不足を案内しています。
Acrobatでは、PDFを開いてプロパティのフォント情報を確認し、フォント名の横に「埋め込み」または「埋め込みサブセット」と表示されるかを確認できます。

サブセット埋め込みは、文書で使った文字だけをPDFに含める方式です。
ファイル容量を抑えやすい一方、後からPDFを編集して未収録の文字を加える用途には向きません。
通常の配布・印刷であれば、全埋め込みかサブセット埋め込みかよりも、まず必要なフォントが埋め込まれていることが重要です。

埋め込みできないフォントもある

すべてのフォントが自由に埋め込めるわけではありません。
フォントのライセンス設定によっては、PDFへの埋め込みが制限されます。
この場合、PDF作成ソフトが別フォントへ置き換えたり、フォントをアウトライン化・画像化したりする運用を検討することになります。
ただし、画像化は検索性やコピー&ペーストのしやすさ、処理速度に影響するため、恒久対策にする前に用途を整理しましょう。

外字・旧字体・特殊記号・文字コードの問題

人名に使う旧字体、社内独自の外字、丸数字、単位記号、異体字、海外言語の文字などだけが抜ける場合は、フォントと文字コードの組み合わせを優先的に疑います。
例えば「高」の異体字や取引先固有の外字が置換されると、一般的な文字に変わる、四角形になる、空白になるといった結果になり得ます。

内蔵フォントの種類は機種や言語系統で異なります。
未埋め込みPDFを複合機が直接解釈する運用では、この違いが影響しやすくなります。
人名、住所、製品型番、法務・医療・建設関係の帳票など、誤字が許されにくいPDFがある会社は、実ファイルでの検証を省かない方が安心です。

ドライバー、本体の解釈機能、通信経路の差

同じPDFでも、Acrobatから印刷する場合、ブラウザーのPDFビューアーから印刷する場合、USBメモリーから直接印刷する場合では、複合機に渡るデータが異なることがあります。
また、PCLドライバー、PSドライバー、汎用ドライバーのどれを使うかでも描画結果が変わる可能性があります。

意味のない文字列が何枚も出る、印刷開始直後に失敗する、特定のネットワークでだけ再現する場合は、データ形式と複合機側の解釈機能の不一致、対応オプションの未装着、ドライバーや本体ファームウェアの組み合わせ、通信の不安定さも候補です。
まずは同一PDFを別のパソコン・別経路で出力し、問題がPDF、端末、ドライバー、複合機のどこにあるかを切り分けます。

最初に確認したいフォント埋め込みとPDFの作り方

最初に確認したいフォント埋め込みとPDFの作り方

複合機の入替前にできる最初の確認は、問題のPDFそのものを調べることです。
ここを確認せずに「PSオプションを追加すれば解決する」と判断すると、必要のない費用をかけたり、逆に必要な検証を見落としたりします。

PDFを作る側でフォント埋め込みを適切に設定できれば、機器ごとのフォント置換リスクを抑えられます。
ただし、埋め込み済みだから必ずすべての印刷経路で同一結果になるわけではありません。
透明効果、複雑なベクター図形、レイヤー、フォーム、バーコード、注釈なども再現性に影響するため、重要書類は紙で比較することが必要です。

Acrobatでフォント情報を確認する手順

  1. 文字抜け・文字化けが起きたPDFをAcrobatで開きます。
  2. ファイルのプロパティを開き、フォントの一覧を確認します。
  3. 使用フォントごとに「埋め込み」「埋め込みサブセット」などの表示があるかを確認します。
  4. 埋め込み表示がないフォント、想定外の代替フォント、外字に関係しそうなフォントを記録します。
  5. 同じPDFを別の複合機または別の出力経路で印刷し、症状を比較します。

Adobeの案内でも、PDFのフォント情報はプロパティから確認できます。
未埋め込みフォントが見つかった場合は、元のWord、Excel、デザインソフト、帳票システムなどに戻り、PDF作成設定を見直すのが基本です。
元データがない取引先受領PDFなら、送付元に埋め込み済みPDFでの再出力を依頼できるか確認します。

画像として印刷は応急処置として使う

Acrobatの「画像として印刷」は、PDFの文字や図形をページ画像として処理してから印刷する方法です。
フォントの解釈差を回避できる場合があるため、急ぎで1回だけ出力する際には役立ちます。

一方で、PDFの内容、解像度、パソコン性能、ネットワーク環境によっては印刷開始が遅くなったり、細い線や小さな文字の見え方が変わったりすることがあります。
大量印刷や帳票運用の恒久策としては、フォント埋め込み、ドライバー、複合機側の対応状況を確認した方が比較しやすいでしょう。
PDF印刷が遅い場合は、複合機でPDFだけ印刷が遅いのはなぜ?「画像として印刷」とドライバー設定で改善も参考になります。

PDF/Aは保存・長期保管時の選択肢になる

長期保存する契約書、設計図、行政提出資料などでは、PDF/A形式を検討することがあります。
PDF/Aは長期保存を想定したPDF規格群で、フォント埋め込みを含む一定の要件を設ける考え方です。
国立公文書館の作成手順の例でも、PDF/A-1b作成時に「すべてのフォントを埋め込む」設定を確認しています。

ただし、PDF/Aを選べばすべての複合機で完全に同じ印刷結果になる、という意味ではありません。
業務上の印刷品質は、実際に利用する閲覧ソフト、ドライバー、複合機、用紙、出力経路を含めて確認してください。

PCL・PostScript・PDFダイレクト印刷の違い

PCL・PostScript・PDFダイレクト印刷の違い

PCLとPostScript(PS)は、PDFファイルそのものの規格ではありません。
主に、パソコンから複合機へ印刷内容を伝え、複合機がページを描くためのページ記述言語・印刷言語に関わるものです。
この点を分けて理解すると、見積書の「PCL対応」「PSオプション」「PDFダイレクト印刷対応」を比較しやすくなります。

また、PDFダイレクト印刷は、USBメモリー、共有フォルダー、複合機の保存領域、クラウド連携などからPDFを複合機が直接読み込んで印刷する機能を指します。
PCからドライバー経由で印刷する場合とは、PDFの解釈を担う場所が異なります。

PCLはWindows中心の一般的な業務印刷で使われやすい

PCLはHPが開発したページ記述言語です。
キヤノンはPCLエミュレーションを、海外との印刷ジョブ共有などワールドワイドな出力環境に対応するものとして説明しています。
複合機ではPCL5やPCL6/PCL XLなどの表記を見かけます。

Windows環境でWord、Excel、PowerPoint、基幹システムの帳票などを中心に印刷する会社では、PCLドライバーが候補になりやすいでしょう。
ただし、PCLだから文字化けする、PCLは品質が低い、と決めつけることはできません。
PDFの作り方、ドライバーの版数、アプリケーション、複合機のエミュレーション実装によって結果は変わります。

PostScriptはMac・DTP・高い再現性が求められる用途で比較されやすい

PostScriptはAdobeが開発したページ記述言語です。
キヤノンは、Mac環境、DTP、SAPなどでの利用を想定した出力言語として説明しています。
デザインデータ、複雑なレイアウト、業務パッケージからの帳票などを扱う環境では、PSドライバーやAdobe PostScript 3対応を選定項目に入れる価値があります。

ただし、PS対応なら必ず文字化けしないわけではありません。
PDF自体に問題がある、フォント埋め込みがない、外字に対応していない、PSオプションが未装着、ドライバーが古い、といった条件では問題が残ることがあります。
PSは再現性を確認するための有力な選択肢ですが、採用判断は実ファイルの出力試験とセットで行うべきです。

PDFダイレクト印刷は複合機側のPDF解釈機能を確認する

PDFダイレクト印刷では、パソコンのAcrobatやプリンタードライバーではなく、複合機本体がPDFを直接解釈します。
そのため、PCから正常に出せるPDFでも、USBから直接印刷した場合にだけ文字抜けやレイアウト差が起きることがあります。

メーカー仕様では、「PDF Direct」「PDFダイレクト」「Adobe純正PDFのダイレクト印刷」など、似た表現でも対応範囲が異なる場合があります。
例えばリコーの現行機種の仕様では、標準のPDF Directエミュレーションと、オプションのGenuine Adobe PostScript 3/PDF Direct from Adobeを区別して掲載しています。
導入時には単に「PDFダイレクト対応」と確認するのではなく、自社PDFを、予定するUSB・共有フォルダー・PC印刷の各経路で出せるかを確認しましょう。

症状別の切り分けと、PS対応でも安心と言い切れない理由

症状別の切り分けと、PS対応でも安心と言い切れない理由

文字トラブルは症状ごとに優先順位を付けると、販売店・保守窓口への相談がスムーズになります。
「PDFが印刷できない」とだけ伝えるよりも、どの文字が、どの経路で、どのように変わるかを記録する方が原因に近づきます。

PSオプションを含む上位の印刷機能は、特定業務に有効なことがあります。
しかし、オプション費用と保守対象を確認せずに追加するのではなく、解決したい問題と実運用を明確にすることが大切です。

症状と優先して確認する項目

症状 優先して確認する原因候補 初期対応
一部の日本語、旧字体、外字だけが抜ける・別字になる フォント未埋め込み、代替フォント、外字、字形の差 PDFのフォント情報、元データ、同一PDFの別経路出力を確認
文字とともに改行、表、罫線の位置も変わる フォント置換、アプリケーション・ドライバーの描画差、PDF作成設定 PCL・PS・標準ドライバー、PDFダイレクトの結果を比較
意味不明な文字列が大量に印刷される 印刷言語の不一致、PS拡張未装着、データ破損、通信不安定 使用ドライバーと本体オプション、接続状態、ファームウェアを確認
USBからだけ正しく出ない PDFダイレクト印刷側の解釈差、対応PDFバージョン・機能の差 PCからの印刷結果と比較し、実運用経路を見直す
特定PC・特定ユーザーだけで起こる 端末側フォント、ドライバー設定、OS更新、印刷ポート ドライバーの入れ直し、別ユーザー・別端末との比較

PSオプションの有無だけで決められない理由

PSの採用を比較する際は、少なくとも次の点を分けて確認します。

  • PDFに必要なフォントが埋め込まれているか
  • PCからPSドライバーで印刷するのか、複合機でPDFを直接印刷するのか
  • 候補機がAdobe純正PostScript 3、PDF Direct from Adobe、PSエミュレーションのどれに対応するか
  • PS機能が標準か、有償オプションか
  • Mac、Windows、業務ソフト、クラウド印刷を含む利用環境に対応するか
  • 必要な日本語フォント・外字・特殊文字を実ファイルで再現できるか

富士フイルムビジネスイノベーションのApeos C7071シリーズの公開仕様では、標準のPDF、XPS、PCL5/PCL6などのエミュレーションと、オプションのPS3を分けて案内しています。
また、PCL用とPS3キット用で内蔵フォントの記載内容も異なります。
このように、同じ「プリント対応」でも印刷言語・フォント・オプション構成には差があります。
必ず候補機の公式仕様と見積条件を確認してください。

障害切り分けの範囲も保守条件で確認する

PDFの再現不良では、複合機本体以外に原因があることもあります。
例えば、特定PCのドライバー設定、取引先が作成したPDF、無線LANの不安定さ、業務ソフト固有の出力方式などです。
このため、保守契約でどこまで一次切り分けを行うのか、PCやネットワークが原因だった場合に費用が発生するのかを事前に確認しておくと、トラブル時の認識違いを減らせます。

ネットワーク設定も印刷の安定性に関係します。
複合機がオフラインになりやすい場合は、複合機が頻繁にオフラインになるのはWSDポートが原因?Standard TCP/IPへ変更する方法、IPアドレスが変わる場合は、複合機のIPアドレスが勝手に変わるのはなぜ?固定IPとDHCP予約の違いもあわせて確認できます。

複合機の導入・入替で比較する料金、契約期間、保守条件

複合機の導入・入替で比較する料金、契約期間、保守条件

PDFの再現性を重視する場合、本体価格または月額リース料だけで複合機を比較すると不足があります。
PS関連オプション、設置時のドライバー設定、カウンター料金、最低料金、契約年数、保守範囲を分けて確認しましょう。

公開価格はメーカー・シリーズ・契約内容で大きく異なり、実際のリース料やカウンター単価は販売店、設置地域、月間印刷枚数、構成、契約期間などでも変わります。
以下の数値は相場ではなく、2026年9月3日時点で確認できたメーカー公開条件の例です。
自社の見積もりにそのまま当てはめず、最新の公式情報と個別見積もりで確認してください。

公開条件の例から見る、追加費用の確認ポイント

確認項目 公開条件の例 見積もりで確認したいこと
本体と速度 リコーIM C6011シリーズは、A4ヨコ毎分25~60枚、本体標準価格136万円~308万円の公開例があります。 本体構成、給紙段、フィニッシャー、搬入費を含むか
PS関連オプション リコーの一部シリーズではPS3カードが14万5,000円、設置調整料は別途公開されています。 PS、Adobe純正PDF、PDFダイレクトの対象機能と設定費
PS3キット 富士フイルムBIの一部シリーズでは、Adobe PostScript 3キットの公開価格が書体構成により23万3,000円または40万円、取付費別です。 必要書体、オプション価格、将来の入替時に必要な構成
カラー保守単価 リコーの公開例では、カラーコピーとカラー印刷で単価が異なり、月間カウント帯でも変動します。 コピー・プリント別単価、最低料金、カラー比率別の月額試算
契約年数後の費用 リコーの公開例では保守有効期間を5年間とし、6年目以降の料金増額条件を記載しています。 満了後の単価、延長保守、再リース、中途入替の扱い

たとえばリコーの公開保守条件では、機種により月額基本料金が設定され、基本料金とカウンター料金の高い方を請求する仕組みが案内されています。
また、カラーコピーとカラー「プリント」の単価が分かれ、両面は2カウントという条件も掲載されています。
月間枚数だけでなく、コピーとPC印刷の比率、片面・両面、A3や長尺紙の利用状況を伝えなければ、比較しやすい試算にはなりません。

見積書で分けて記載してもらうチェックリスト

  • 本体またはリース料:リース期間、料率、契約満了時の条件を含むか
  • PDF・PS・PCL関連機能:標準機能、有償オプション、ライセンス、取付・設定費
  • 搬入・設置費:階段作業、養生、既存機撤去、PCへのドライバー設定の範囲
  • 保守基本料金・最低料金:印刷が少ない月に最低限かかる金額
  • カウンター料金:モノクロ、カラーコピー、カラー印刷、A3、両面、長尺の数え方
  • 保守対象:トナー、感光体、定着器、部品、出張、作業費が含まれるか
  • 対象外費用:PC、ネットワーク、PDF作成元、業務ソフトが原因の場合の調査費
  • 契約期間:5年後・6年後以降の保守単価、部品供給、延長の可否
  • 更新対応:ドライバー、本体ファームウェア、OS更新時の支援範囲

株式会社じむやへ相談する場合も、月間のモノクロ・カラー枚数だけでなく、MacとWindowsの台数、USBからのPDF直接印刷の有無、外字を含む帳票の有無、希望するリース期間を伝えると、必要な構成を比較しやすくなります。
価格、契約期間、カウンター料金、保守条件は機種と地域・契約内容で異なるため、正式な見積書で確認してください。

印刷枚数と機能のバランスで選ぶ

高速機を選べばPDF問題が解決するわけではありません。
一方、印刷量に対して小さすぎる機種を選ぶと、待ち時間や耐久性、給紙回数、保守費用の面で不便になることがあります。
月間印刷枚数、カラー比率、A3利用、スキャン量、フィニッシャーの必要性とともに、PDFの再現性を別の評価項目として置くと判断しやすくなります。

官公庁の調達仕様でも、毎分速度や給紙容量だけでなく、PDF送信、保存期間の設定、ストレージ・通信の暗号化などが要件として分けられています。
中小企業でも、速度・コスト・PDF運用・セキュリティを一つの数字で判断せず、項目別に比較する考え方が役立ちます。
リースとレンタルの契約面も比較したい場合は、複合機リースとレンタルの違いは?料金・契約期間・向いている会社を比較をご覧ください。

導入前のPDF再現性テストと販売店への質問リスト

導入前のPDF再現性テストと販売店への質問リスト

「文字化けしない複合機」をカタログだけで断定することはできません。
最も確実なのは、導入候補機で自社が実際に使うPDFを出力し、紙面で受入確認することです。
とくに取引先から受け取るPDF、外字入り帳票、図面、デザインデータ、バーコード付き伝票がある会社では、このテストを契約前の条件として相談する価値があります。

テスト結果は、PDF名、作成元、フォント埋め込みの有無、出力経路、ドライバー名と版数、複合機本体の設定を一緒に残します。
万一、導入後に同様の問題が起きた場合も、保守窓口へ状況を共有しやすくなります。

最低5種類を用意したいPDF再現性テスト

  1. 社内でWord・Excel・PowerPointから作成した一般文書のPDF
  2. Illustrator・InDesignなどで作成したデザイン性のあるPDF
  3. 取引先・顧客・行政機関などから受領するPDF
  4. 旧字体、外字、特殊記号、多言語を含むPDF
  5. 図面、表、細い罫線、印影、QRコードまたはバーコードを含むPDF

各PDFは、実際に予定している経路で出力します。
PCのAcrobatから標準ドライバーで印刷するだけでなく、PCLドライバー、PSドライバー、USBメモリーや共有フォルダーからのPDFダイレクト印刷を使う予定があれば、その経路も試します。
比較する際は、文字の有無だけでなく、字形、改行、表罫線、塗り、透明効果、画像、コードの読み取りまで確認してください。

テストで不具合が出た場合に残す記録

  • 発生したPDFのファイル名、作成アプリケーション、作成日時
  • PDFのフォント情報と、埋め込み・埋め込みサブセットの表示
  • 印刷に使った端末、OS、閲覧ソフト
  • PCL・PSなどのドライバー名、ドライバーの版数、印刷設定
  • USB、共有フォルダー、PC印刷などの出力経路
  • 複合機の機種名、装着オプション、本体ファームウェアの版数
  • どの文字・ページ・帳票部分で、どのような差が出たか

販売店・メーカーに確認したい質問リスト

  • 当社のPDFを、PC印刷とPDFダイレクト印刷の両方で事前検証できますか。
  • 標準対応のPDFダイレクト印刷と、Adobe純正PDF対応の違いは何ですか。
  • PostScript 3は標準ですか。有償オプションですか。価格、取付費、設定費を分けて提示できますか。
  • PCLとPSの各ドライバーは、当社のWindows・Macのバージョンに対応していますか。
  • 外字、旧字体、特殊記号、多言語を含むPDFの出力実績または検証方法はありますか。
  • 本体内蔵フォントと、PSオプション装着時のフォント構成を確認できますか。
  • ドライバーと本体ファームウェアの更新は、保守契約に含まれますか。
  • PDF、PC、ネットワーク、業務ソフトのどこに原因があるかの一次切り分けは、どこまで対応対象ですか。
  • カラーコピー、カラー印刷、両面、A3、長尺紙のカウント条件と最低料金を文書で提示できますか。
  • 契約期間満了後の保守条件、単価の変更、部品供給の見通しはどうなりますか。

Macを含む環境では、PS対応だけでなくAirPrintやPPD、後処理機能の対応にも注意が必要です。
両面やステープルの選択肢が出ない場合は、Macから複合機へ印刷すると両面・ステープルが選べない原因は?AirPrintとPPDを比較も参考にしてください。

まとめ:実ファイルの検証と保守条件を採用条件にする

複合機でPDFの文字が抜ける・化ける原因は、フォント未埋め込み、外字・文字コード、PCL・PSドライバーの描画差、PDFダイレクト印刷の解釈差、通信や設定など多岐にわたります。
まずPDFのフォント情報を確認し、問題が起きる出力経路を切り分けましょう。

複合機の導入・入替では、PS対応を一つの比較項目にしつつも、それだけで判断しないことが大切です。
自社の代表PDFを候補機で印刷し、PC印刷・PCL・PS・PDFダイレクト印刷の結果を比べること、さらにオプション費、設置費、カウンター料金、最低料金、契約期間後の保守条件、障害時の切り分け範囲を確認することが、導入後の行き違いを減らします。

重要書類や取引先帳票を扱う会社ほど、「PDFが対応しているか」ではなく、「自社のPDFを、実際の運用経路で、必要な品質で出力できるか」を受入条件にする考え方が向いています。

仕様や価格は改定される場合があります。
検討中の機種については、メーカーの公式仕様と、販売店から提示される最新の見積書・保守条件を確認してください。

参考情報・出典

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