複合機のスキャナー欄にあるSMB/FTP/SMTP/WebDAVとは?
業務用フルオプションA3カラー複合機を月額6,900円で、リース・販売している株式会社じむやの堀田です。
本記事では、複合機のスキャナー欄にあるSMBやFTP、SMTP、WebDAVについて解説しています。
ぜひ、参考にしてください。
目次
複合機のSMBとは?
今回はスキャナーのTPC/IP(トランスミッション コントロール プロトコル)について解説していきます。
全複合機メーカーのどのコピー機のカタログにも載っておりますが、何が何やら分からないという方が多いので、分かりやすく簡単に説明をしたいと思います。
SMB(Server Message Block)はMicrosoftが開発したファイル共有プロトコルで、ローカルネットワーク上のWindowsPCやサーバーの共有フォルダーへデータを送信する機能です。
一時は「CIFS」と呼ばれている時期もありました。
個別のパソコンを指定してスキャンデータを送る事が出来ます。
パソコンにスキャンデータを取り込むと言ったら、一般的にこのSMB転送の事になります。
また、NASやファイルサーバーへデータを送信するのも同じくSMB転送になります。
複合機のFTPとは?
FTP(File Transfer Protocol)はファイル転送用のプロトコルで、大容量のデータを扱う時に使われる送信方法です。
インターネット上のFTPサーバーへファイルを送信する事が出来ます。
ネット上でデータのダウンロードやアップロードが主な使い方です。
WEBサイトの作成には欠かせないプロトコルになります。
FTP転送は複合機で言えば、データを「ネット上(クラウド等)にスキャン」し超遠隔地のPCでもスキャンデータを取り込めるもの。
SMB転送は複合機で言えば、データを「ローカルネットワーク(社内LAN)のPCにスキャン」するもの。
と考えれば分かり安いと思います。
複合機のSMTPとは?
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、「シンプル メール トランスファー プロトコル」という名称の通り、Eメール転送にてデータを飛ばす方法です。
複合機はスキャンした書類をPDFなどに変換し、そのファイルをメールに添付して指定された宛先へ送信することができます。
このとき、送信の役割を果たしているのがSMTPです。
そもそも、複合機がメールを送るためには、SMTPサーバーの情報をあらかじめ設定しておかなければなりません。
設定にはプロバイダ情報の「サーバー情報」「ポート番号」「ID」「パスワード」等が必要となります。
具体的にはSMTPサーバーのアドレス、通信に使うポート番号、暗号化の方式(SSLやTLS)、送信者のメールアドレス、そして認証情報(ユーザー名とパスワード)などが主な設定項目です。
正しく設定されていないと、複合機からメールを送信することはできません。
営業担当が契約書をスキャンし、それを自分や取引先にメールで送るといった場面でSMTPが使われます。
受付で来客記録をスキャンし、担当者にすぐ送るといった使い方も可能。パソコンを使わずに複合機から直接メールが送れるため、業務も効率がよくなります。
ただし、設定には注意しなければなりません。
SMTP認証に失敗すると送信できませんし、最近のセキュリティ強化によりTLSのバージョンや暗号化方式が合わなければ接続できないこともあります。
企業のメールサーバー側で送信元アドレスの制限(SPFやDKIMなど)がある場合、複合機からのメールが迷惑メール扱いになったり拒否されたりすることもあるため注意しましょう。
ちなみに複合機のSMTP機能は、紙の情報を即座にデジタル化して共有する手段として、今でも数多くの企業で活用されています。
複合機のWebDAVとは?
WebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)は、インターネットを介してファイルの共有や管理を行うための通信プロトコルであり、HTTPを拡張して設計されている仕様です。
1999年にIETFによって標準化され、遠隔地からでもネットワーク越しにファイルへアクセスし、操作が可能となるのが特徴。単なるファイル転送にとどまらず、ファイルのロック機能やバージョン管理、メタデータの利用などの共同作業やファイルの整理に役立つ機能を備えています。
複数人でファイルを同時編集する際には、編集の競合を防ぐためにファイルをロックし、他のユーザーによる同時変更を抑制することが可能。ファイルの更新履歴を追跡する機能もあるため、過去のバージョンに戻すこともできます。
また、WebDAVはHTTPS(SSL/TLS)による通信暗号化に対応しており、安全性の高いファイル共有手段としても注目されています。
第三者による盗聴や改ざんを防ぎながら、安全にファイルの送受信を行えるようになります。
実際は、企業の文書管理システムやチームでのプロジェクトファイル共有、さらには家庭内ネットワークでのメディアファイル管理など、多岐にわたって利用されています。
クライアントとサーバー間のやり取りはインターネット経由で行えるため、外出先からオフィスのファイルにアクセスする用途にもおすすめ。複合機においては、WebDAVは主にスキャンした文書の保存先として使われやすいです。
ユーザーが複合機でスキャンした文書をネットワーク上のWebDAV対応サーバーに直接アップロードすることで、個別のパソコンを経由することなくファイルを管理することも可能。文書管理やワークフローの効率化がしやすいです。
WebDAVサーバーを構築するには、ApacheなどのWebサーバーに専用モジュール(mod_davなど)を導入し、設定ファイルを編集して専用ディレクトリを作成して公開しなければなりません。
クライアント側は、OS標準の機能や専用ソフトウェアを使って接続でき、Windowsであればネットワークの場所を追加することで設定が可能。そもそも、運用時にはセキュリティ対策が欠かせません。
アクセス権限の適切な管理、複雑なパスワードの設定、SSL/TLSによる暗号化、そしてファイアウォールやIDS(侵入検知システム)などのセキュリティ機器の導入をおすすめします。
また、WebDAVは他のファイル共有プロトコル(FTP、SMB、NFS)と比べて、HTTPベースであることからファイアウォールの設定に柔軟であり、インターネット越しの利用に強いという特性があります。
つまり、WebDAVは利便性とセキュリティを兼ね備えたリモートファイル操作におすすめの技術ということ。複合機と連携させることで、文書の電子化やファイル共有がよりシームレスに行えるようになり、業務効率も向上するでしょう。
さいごに|複合機のスキャナー欄にある英語表記の意味を理解しよう!
今回は、複合機のスキャナー欄にあるSMBやFTP、SMTP、WebDAVについて解説してきました。
複合機のホームパネルの画面からスキャナーを設定できます。
必要に応じて、ネットワーク設定を行うようにしてください。
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