複合機でスキャンが横向きになる原因は?直し方や解決方法など解説!
複合機でスキャンしたデータを確認したら横向きになってしまっている、という経験はありませんか?
書類を取引先に送るときや社内で共有するときに、いちいち回転させるのは面倒ですし、原因が分からないとストレスも溜まります。
実は複合機でスキャンが横向きになるのは、原稿の置き方や設定のちょっとした違いが大きく関係しています。
本記事では、複合機のスキャンが横向きになる主な原因と正しい直し方、メーカーごとの仕様や注意点まで解説しています。
横向き保存のトラブルをなくして、快適に複合機を活用しましょう。
目次
複合機でスキャンしたら横向きになるのはなぜ?
スキャンしたデータが横向きになるのは、多くのオフィスでよくあるトラブルです。
実はその原因は複雑なものではなく、原稿の置き方や設定方法、あるいは保存後の表示の仕方に関係していることがほとんどです。
下記に、原因をまとめました。
- 原稿の置き方の向き
- スキャン設定
- 保存形式やPDFビューアでの表示方向
詳しくみていきましょう。
基本的なスキャン方法については、こちらの関連記事をご確認ください。
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『原因①|原稿の置き方の向き(ガラス面またはADF)』
スキャンの横向きになる理由で最も多いのが、原稿を置くときの向きの間違いです。
ガラス面(フラットベッド)の場合、四隅に基準マークがありそこに合わせて原稿を置くのが基本ですが、縦横を逆に置くとそのまま横向きのデータになってしまいます。
自動原稿送り装置を利用する場合も、差し込む方向を間違えると横向き保存になるケースが多いです。
冊子をコピーするときや横長の資料をスキャンする際は、普段の感覚でセットすると向きが逆になることがあるため注意が必要です。
『原因②|スキャン設定(縦・横の向き指定)』
複合機には、スキャン時に読み取り方向を設定できる機能があります。
縦方向にスキャンか横方向にスキャンかを選べるのですが、この設定を原稿の置き方と逆にしてしまうと、保存されたデータが横向きになる原因になりかねません。
また、OCR機能や自動回転機能を使う場合でも、文字の向きを正しく認識できないと横向きデータとして保存されることがあります。
イラストや表だけの資料など文字が少ない原稿では、自動判別がうまく働かないことがあり、設定の見直しが必要になります。
『原因③|保存形式やPDFビューアでの表示方向』
実は、原稿の置き方やスキャン設定に問題がなくても、保存形式や閲覧するソフト側の仕様によって横向きに見えるケースもあります。
PDFで保存した場合、内部データの向きとビューアが表示する方向が一致していないと横向き表示になってしまうのです。
また、画像ファイル(JPEGやTIFFなど)でも、Exif情報と呼ばれる画像の向きデータをパソコンやソフトが正しく解釈できず、横向きに表示されることがあります。
この場合は、実際にはデータそのものが壊れているわけではなく、ソフトの表示の仕方によるものなのでビューアの回転機能や保存し直しで解決可能です。
複合機でスキャンしたデータが横向きになるときの解決方法は?3つの対策で解説!
スキャンが横向きになる原因を理解すれば、解決策もシンプルです。
ここでは、実際の操作で確認すべきポイントを下記にまとめました。
- 原稿のセット方法を確認する
- スキャン設定で「原稿の向き」を指定する
- PDFや画像ファイルの回転機能で修正する
詳しくみていきましょう。
『対策①|原稿のセット方法を確認する』
スキャンの向きトラブルは、原稿の置き方ひとつで大きく変わります。
ガラス面に置く場合は、四隅にある矢印やガイドマークを必ず確認しましょう。
複数ページを続けてスキャンするときは、1枚目と2枚目で縦横を逆にしてしまうケースがよくあります。
自動原稿送り装置を使うときも、差し込み方向を間違えるとすべてのページが横向きで保存されてしまいます。
横長の資料や見開きページを扱うときは、通常の文書とはセット方向が違うことがあるため、事前にサンプルで1枚だけスキャンして向きを確認するのがおすすめです。
『対策②|スキャン設定で「原稿の向き」を指定する』
複合機の操作パネルやパソコン側のスキャンソフトには、「縦方向」「横方向」「自動検出」といった設定があります。
普段は自動検出に任せている方も多いですが、イラストや表など文字が少ない原稿だと正しく認識されない場合があります。
そのため、確実に縦で保存したいときは「縦方向に固定」と設定することをおすすめします。
冊子やプレゼン資料のように横長が基本の文書をスキャンする場合は、あえて横方向に指定しておくと無駄な修正作業を減らせます。
光学文字認識を利用する場合も、言語設定と向き指定が一致していないと誤認識の原因になるので要チェックです。
『対策③|PDFや画像ファイルの回転機能で修正する』
もし横向きで保存されてしまっても、ファイルを開いて回転すれば簡単に修正できます。
PDFなら「Adobe Acrobat」だけでなく、無料の「Adobe Acrobat Reader」や「Google Chrome」で開いて回転保存が可能です。
画像ファイルの場合も、WindowsのフォトアプリやMacのプレビューで回転機能を使えば数秒で修正できます。
ただし、単に表示を回転させただけでは再度開いたときに戻ってしまうことがあるため、回転後に上書き保存するのを忘れないようにしましょう。
大量のファイルを一度に修正する必要がある場合は、無料のPDF編集ソフトや画像一括変換ツールを活用すると効率的です。
スキャンしたら横向きになる複合機の特徴とは?メーカーごとに注意点など解説!
スキャンが横向きになる現象は、メーカーごとの仕様やデフォルト設定によっても起こりやすさが変わります。
ここでは、下記の主要メーカーごとの特徴や注意すべき点をまとめました。
- 京セラ
- コニカミノルタ
- シャープ
- 富士フイルムビジネスイノベーション
- キャノン
- リコー
詳しくみていきましょう。
『京セラ』
京セラの複合機は、アモルファスシリコンのような耐久性とランニングコストの低さが特徴的ですが、スキャンに関してもシンプルな操作性が重視されるなかミスしてしまう恐れもあります。
そのため、原稿の置き方次第で横向きになりやすいケースがあります。
ADF使用時には、操作パネルで原稿方向を選び直すと防止しやすいです。
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『コニカミノルタ』
コニカミノルタの複合機は、UI(操作画面)がわかりやすく直感的に操作しやすいです。
一方で、冊子や横長原稿をスキャンするときにデフォルト設定が横向き保存になることがあります。
クラウド連携やメール送信時は、受け取った側が閲覧しやすいように向きを確認しておくことをおすすめします。
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『シャープ』
シャープの複合機もスキャン機能が充実しており、OCRやクラウド保存に強みがあります。
ただし多機能ゆえに、初期設定のまま使うと横向き保存になる場合があるため、スキャン設定を一度見直すことをおすすめします。
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『富士フイルムビジネスイノベーション』
富士フイルムビジネスイノベーションの複合機は、大手コンビニにも導入されるほどスキャン機能に定評があります。
基本的に自動認識の精度は高いですが、写真や冊子など非定型サイズをスキャンすると横向きになることがあります。
サイズ指定を手動で設定すると安定します。
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『キャノン』
キャノンの複合機は、世界シェアが高く、ソフト面の安定性に強みを持っています。
ただし、PDF保存時に縦横を自動判別する機能が標準でオンになっていることがあり、原稿の向きによっては横向き保存になるケースがあります。
スキャン直前にプレビューで確認するのが確実です。
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『リコー』
リコーは業務システムとの親和性が高く、ネットワークスキャンやクラウド連携を多用する企業に人気です。
注意点としては、ドライバーやビューア側の設定が影響しやすいところです。
複合機の設定だけでなく、パソコン側の表示設定も合わせて確認しましょう。
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複合機でスキャンしたら横向きになる処理をしても解決しないときはどうすべき?
基本的な操作や設定を見直しても、スキャンしたデータが横向きのままになることがあります。
その場合は、より根本的な部分を確認する必要があります。
そこで、見落とされがちなポイントを下記にまとめました。
- ドライバーやソフトの更新
- 管理者設定の確認
- サポート窓口に相談する
詳しくみていきましょう。
『ドライバーやソフトの更新』
複合機とパソコンを接続している場合、スキャン結果の向きがドライバーやソフトの不具合に左右されることがあります。
古いドライバーを使っていると、正しい設定をしても意図しない保存方向になるケースも少なくありません。
メーカーの公式サイトで最新版のドライバーやスキャンソフトを確認し、必要に応じてアップデートしてください。
『管理者設定の確認』
複合機には、利用者が変更できない管理者用の初期設定が存在します。
ここでスキャン方向や保存形式のデフォルトが固定されていると、ユーザーが操作パネルで調整しても反映されない場合があります。
管理者モードに入って設定を確認するか、社内のIT担当者に相談して初期値を見直してもらうとよいでしょう。
『サポート窓口に相談する』
どうしても解決できない場合は、メーカーや販売店のサポート窓口に相談するのが確実です。
複合機の型番や発生状況を伝えると、リモートサポートや技術者派遣で対応してもらえるケースがあります。
業務に支障が出ている場合は、早めにプロの業者に任せることで無駄な時間を減らせます。
さいごに|複合機のスキャンが横向きになる原因を理解して正しく使おう!
複合機でスキャンしたデータが横向きになるのは、原稿の置き方や設定の指定ミス、そしてファイル表示の仕組みといったちょっとしたことが原因であることがほとんどです。
原稿のセット方法やスキャン設定を見直し、それでも改善しない場合はドライバーや管理者設定の確認を行えば、多くのトラブルは解決できます。
また、メーカーごとにスキャンの仕様や初期設定の癖があるため、自社で使っている複合機の特徴を理解しておくことも大切です。
正しい知識を持って運用すれば、横向きのスキャンデータに悩まされることなく業務をスムーズに進められるでしょう。
複合機はオフィスの効率を支える重要です。
小さなトラブルでも放置せず、原因を理解して正しく対応することで、日々の作業を安心して行える環境が整います。
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