インクやトナーに「マゼンタ・シアン・イエロー」が使われる理由
業務用フルオプションA3カラー複合機を月額6,900円で、リース・販売している株式会社じむやの堀田です。
複合機やコピー機のトナーもしくはインクで、CMYKという表記をみたことのある方もいるのではないでしょうか。
本記事では、M(マゼンタ)やC(シアン)Y(イエロー)、K(ブラック)というような色の三原色からなる色の仕組みだけでなく、複合機やコピー機でカラー印刷における認識の仕方まで解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
「光の三原色」と「色の三原色」を知る!
複合機ではインクやトナーの原料を「M(マゼンタ)」「C(シアン)」「Y(イエロー)」「K(ブラック)」と呼んでいますが、なぜマゼンタを「赤」、シアンを「青」と呼ばないのか不思議ではないでしょうか?
今回は、その由来を教えたいと思います。
まずは
「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」の光の三原色
「M(マゼンタ)」「C(シアン)」「Y(イエロー)」の色の三原色
という言葉から解説したいと思います。
光の三原色は、R・G・Bを濃い色で混ぜ合わせれば混ぜ合わせる程「白」に近づきます。
これを加法混色と言います。
太陽の光も赤緑青で構成されているのです。
逆に、色の三原色のM・C・Yを濃い色で混ぜ合わせれば混ぜ合わせる程「黒」に近づきにます。
これを減法混色と言います。
これをまず、頭に入れておきましょう。
『光の三原色とは』
光の三原色とは、「赤(Red)」「緑(Green)」「青(Blue)」の3つの色の光のことです。
これらの光を組み合わせることで、人間の目に見えるさまざまな色の光を作ることができます。
前述のとおり、この仕組みは加法混色と呼ばれ、光を加えるほど明るくなり、最終的には白い光になります。
ちなみに、赤と緑の光を重ねると黄色、緑と青を重ねるとシアン、赤と青を重ねるとマゼンタになります。
そして、「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」の光をすべて同じ強さで混ぜると白になります。
三原色の考え方は、人間の目にある三種類の錐体細胞が赤、緑、青の光に敏感であることに由来しています。
そのため、これらの光の組み合わせだけで、非常に多くの色を知覚できるのです。
光の三原色はテレビやスマートフォン、パソコンのディスプレイなど、光を直接発する装置で使われており、画像や映像を表示する際の基本的な色の仕組みになっています。
『色の三原色とは』
前述の比較画像でも分かるとおり、色の三原色と光の三原色が重さならない色があるのが分かると思います。
「シアンは、赤の補色(反対色)」
「マゼンタは、緑の補色(反対色)」
「イエローは、青の補色(反対色)」
というのが分かりますね。
この補色が、それぞれのRGBを吸収する性質を持っているので、印刷物にはMCYが使われるのです。
普段私たちが目に「色」として認識している物は、その物体が発している訳ではなく、光を反射して私たちの目に見せています。
また、反射して見えている色は、他の色を吸収し、その色だけを反射しているのです。
例えば、白紙(赤+緑+青)に青色を表現したいと考えた場合、赤を吸収する色(シアン)と緑を吸収する色(マゼンタ)を加えれば、青となるのです。
本来であれば、3種類であらゆる色の表現が可能ですが、3種類だけで黒を作ろうと思うと薄っぽい黒になるため、真っ黒のブラックを用意することによってしっかりとした色の表現が可能となります。
そのため、インクやトナーは「M(マゼンタ)」「C(シアン)」「Y(イエロー)」「K(ブラック)」で構成されているのです。
『なぜ「ブラック」は「K」なのか』
トナーがMCYか分かったと思いますが、もう一つ疑問がありますね。
何故ブラックは「K」という表記なのか?という疑問です。
普通だったらBrackの頭文字の「B」とするところですが、青(Blue)と被る為、最後の文字のKにしました。
また、ブラックはもともと必須という色ではないため、青の優先順位が高かったことも由来しています。
補色を使用して光の三原色(RGB)を吸収させる役割がインク!
インクは、「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」の光の三原色を吸収するために、それぞれの補色を使っています。
シアンのインクは赤の光を吸収し、マゼンタは緑を吸収。イエローは青を吸収します。
つまり、インクは補色の性質を利用して、どの光を引き算するかを決めて色を表現しているのです。
これが「減法混色」の仕組みです。
そして、複合機からカラー印刷されるには、RGBからCMYKへ変換しています。
詳しくみていきましょう。
『RGBからCMYKへデジタル変換』
パソコンの画面では、RGBの光を混ぜ合わせて色を作りますが、複合機やコピー機で色を表現する場合は、光の補色であるCMYKのインクを使って、RGBの光を吸収する形で色を再現しています。
このため、画面で見える色を紙に印刷するには、RGBからCMYKへと色の変換が必要です。
理由は、RGBは光の三原色で直接光を発して色を作り出す加法混色であるのに対し、CMYKはインクなどの色素を使い光を吸収して色を表現する減法混色のため。加法混色は光の色の重なりで明るくなるのに対し、減法混色は色素が光を吸収することで暗くなるため、色の性質や表現方法が根本的に異なります。
そのため、RGBの色をそのまま印刷に使うことはできず、CMYKに変換してから印刷しなければなりません。
しかし、RGBの色を単純にCMYKに変換しただけでは、画面と印刷結果の色が一致しないことがあります。
インクの性質や紙の材質、複合機の仕様によって、発色の具合が微妙に異なるため。印刷時には紙の種類を設定したり、メーカー指定のインクを使ったりすることで、より正確な色再現が可能になります。
また、高品質な印刷を目指すプリンターでは、CMYKに加えて淡い色やグレーのインクを追加し、画面に近い滑らかな階調や色合いを実現しています。
『複合機への印刷用データはCMYKで作成』
複合機やコピー機で印刷するためのデータは、CMYKの色で作成されています。
インクを混ぜてさまざまな色を再現する仕組みで、印刷用データもそのインクの特性に合わせてCMYK形式で作成されるためです。
画面上におけるRGBの色は、印刷用にCMYKへ変換されてから複合機に送られインクで再現されます。
印刷の際に色を正確に出すには、最初からCMYKでデータを作るか、RGBから適切に変換されたCMYKデータを使うことが重要。CMYKで作成されたデータは、印刷機のインクの特性や紙の種類に合わせて色の調整がしやすいです。
より実際の印刷結果に近い色を表現できるため、印刷用データとして一般的に使われています。
複合機印刷時に色の濃さを調節するドットゲインとは?
ドットゲインとは、複合機で印刷する際、紙にインクが付くときにインクの点が広がってしまう現象のことです。
インクは印刷用紙の表面に吹き付けられた瞬間、完全に止まるわけではなく、紙の繊維や質感の影響でにじみが生じます。
このにじみが原因で、もとの計算通りの大きさよりインクの点が大きくなり、その結果として色が濃く見えたり色のバランスが変わったりすることがあります。
ドットゲインの程度は使うインクの種類や紙の種類、表面の吸収性などによって異なり、印刷の仕上がりが変わります。
さいごに|CMYKは減法混色と加法混色から成り立つ!
今回は、「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」の光の三原色と「M(マゼンタ)」「C(シアン)」「Y(イエロー)」の色の三原色について解説してきました。
パソコン画面で表示されているRGBの色合いは、複合機やコピー機で印刷する際、CMYKへデジタル変換されています。
デジタルにおいて、減法混色と加法混色で色合いが表現されていることは理解しておきましょう。
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