コロナ禍で複合機業界の主要メーカーの業績はどうなった?
新型コロナウイルスが世界中で感染したことにより、在宅勤務が奨励され当たり前となりつつあります。
会社出勤が無くなったことにより、大きな影響を受けているのが複合機業界です。
感染者数の減少やワクチン開発への希望から徐々に人は戻りつつありますが、今後新しい働き方へと変わっていくことは間違いないと言えます。
徐々にペーパーレス化が進む現在、各複合機メーカーの業績はどうなっているのでしょうか。
また、今後の方向性についても調べてみました。
目次
コロナ禍で複合機業界の主要メーカーの業績はどうなった?
オフィス向けの複合機需要が大幅に減少したことにより各主要メーカー共に業績は悪化しています。
キャノンが発表した6月までの3ヵ月決算によると、プリンター部門の営業損益は去年と同時期と比べて約400億円の黒字から9億円の赤字となっています。
リコーに関しても複合機関連の部門で約80億円の赤字となりました。
富士ゼロックスは129奥円の営業利益となりましたが、昨年に比べると40%減となっています。
ビジネス機械、情報システム産業協会(JBMIA)によると、2020年の1~3月の複合機・複写機の世界出荷台数は去年の同時期に比べ21%減の88万台となりました。
この減少率はリーマン・ショック以来のものとなっています。
日本よりも特に世界向けの販売の方が落ち込んでいるようです。
RICOH(リコー)の現状と今後の展開
リコーでは3月の複合機販売台数が去年の同時期に比べ、18%減少しています。
ですが、様々な企業の複合機使用状況を調べてみると、そこまで落ちていないところもあれば大幅に落ちているところもあり、逆に増えている業界もあるようです。
各月のデータを元に今後の方向性を検討しているようです。
各国ごとにその需要にも違いがあり、営業利益も2つのパターンを視野に入れて安定性を確保しています。
働き方が大きく見直されることとなり、リコーでは「デジタルサービス」を強化していく方針。
今まで会社対会社でやりとりしていたのが、今後は自宅にもつなぐ必要が出てきています。
ペーパーレス化に伴う情報データのやり取りなどを潤滑に行えるようなデジタルサービスを中心に展開していくようです。
また、今まで様々な企業への導入実績から今現場で必要とされているアプリケーションやITサービスを把握し、中小企業と共に前進するスタンスになっていくでしょう。
各国によってもその需要は大きく変わるため、いかに柔軟な対応ができるかが今後の課題となりそうです。
FUJI WEROX(富士ゼロックス)の現状と今後の展開
業界をリードしてきた富士ゼロックスは、2021年の春に社名を「富士フィルムビジネスイノベーション」に変更します。
6月以降、複合機の需要は徐々に戻りつつあるとのこと。
富士ゼロックスの販売地域は、日本とオセアニア地域だけということもあり比較的影響が大きかった欧米が含まれていないため、業績の落ち込み幅が50%を上回ることはなかった。
来年の4月からは欧米地域へのOEM供給を中心に事務機器の販売を開始していくとのこと。
他の複合機メーカーと競争するのではなく、共存する形で今後はソフトウエアやITサービスの伸ばしていく方針。
具体的なサービスとしてあるのが「ドキュサイン」で会社間の契約をオンラインでできる電子署名サービス。
大手企業だけではなく中小企業の関心も次第に増えてきているとのこと。
また、在宅ワークに関するサービスとしてあるのが「ペーパーレスファックス」で会社に届いたFAXを自宅でも確認することが可能となる。
他にもオフィスワークを支援するツール「ドキュワークス」など、新しい働き方に対して柔軟に対応していくようです。
コニカミノルタの現状と今後の展開
複合機の中堅メーカーであるコニカミノルタは今回のコロナ渦により2020年の3月期決算は30億円の赤字となった。
そのような中で新しく発売を開始したのが「Workplace Hub Smart(ワークプレイス ハブ スマート)」で、サーバーを搭載した複合機です。
従来通りの複合機需要にプラスして、オフィスのIT化を支援する形の新複合機です。
今回のコロナウイルスが流行する前から、オフィスでのプリント需要は減少していくと予想していたコニカミノルタは2018年からオフィスのIT化を推進する「デジタルワークプレイス」を新規事業として立ち上げています。
ワークプレイスハブ(WPH)というコンセプトのもと、複合機とITマネジメントが一体化したプラットフォームとして企業に提供していく。
そうすることで、プリント需要は減少しても業務効率化などに今後必要となるアプリなどの使用料で売り上げを増加させていく方針。
どの複合機メーカーも、様々な現場に基づいた戦略を立てており、そのほとんどが今後の業務IT化へ関係するものでした。
激しく移り変わる需要で今までにない新しい複合機が誕生するのは間違いないようです
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