東芝の複合機の評判や特徴【メリットやデメリットは?】
目次
東芝の複合機の評判や特徴について
「東芝」といえば世界に名だたる日本国内ではトップクラスの家電メーカーとして誰もがご存知の会社ですが、東芝製の複合機を販売していることを知っているか?と問われたら、90%の方はご存知ないという程OA業界の中ではかなりのマイナーブランドなんです。
東芝複合機~複合機ラインナップカラー複合機
引用元:東芝複合機~複合機ラインナップカラー複合機
しかしながら歴史は意外にも古く、複合機業界では販売を開始した時期として最初に始めた企業は富士ゼロックスですがそれと同じ時期から東芝も実は密かに販売を開始していたと言われています。
ただ当時の複合機ではインクジェットを採用していたため、富士ゼロックス製のようにレーザープリンターではなく性能的には低いスペック製品しか取り扱いがありませんでした。
複合機販売の業界で営業マンとして仕事をされている方の中にも知らないというケースも珍しくありません。
ちなみに私は以前販売店に属していた時にたまたま東芝の複合機をメインで販売していた経緯がありますので、
商品に関しては良く知っているつもりです。
実は東芝の複合機は意外にもかなり優秀なのです。
実際に複合機などOA機器の業界シェアで言えば、8位という最下位というポジションを確立してしまい国内シェアは5%も満たないというのが実情ではありますが、アジア圏の中国等では実はシェアが1位でして、世界規模でみると約20%の普及率と東芝製の複合機は国内よりも海外の市場に強いメーカーであることがわかります。
では何故東芝の複合機は国内でこんなにもシェアを獲得出来ていないのかというと、メーカーの意向により複合機の販売事業自体にそこまで力を入れておらず、一般的な家電製品に比べ単純に販促やブランディングにはあまり注力していないからなんです。
他のメーカーでは正直ありえないことなので、複合機の販売PRも行ってほしいとメーカーさんにはお願いすることもありました。
では事業に力をいれてないということは、複合機の性能自体も粗悪なもので評判よくないものなのか?と言われるとそうではありません。
実際に他メーカーの製品と比較しても、耐久性と質でみるとコニカミノルタの複合機にも劣らないクオリティを発揮できているのです。
製品のクオリティランクとしてはシャープの複合機よりも若干上位のクラスという感じなので、なかなかの高品質だと思います。
複合機は基本的に下位メーカーになるほど、印刷や出力時の色写りが弱く性能が低いことがほとんどなのですが、
東芝製の複合機に関しては、様々な特殊用紙に対応出来る上に色写りと複写技術もあり、しっかりとしたデティールを保っています。
特殊用紙への印刷というのは例えば、マグネットシートに印字が出来たり、ラミネート用紙に印刷をすることが可能だということです。
東芝の複合機のメリット
東芝製複合機の良いところは、販売価格やリース契約時の料金が全メーカー中でもっとも安い事です。
業界ではシャープ製の複合機は本体価格が安いと評判ですが、同程度の価格でなおかつ京セラの複合機でおなじみの安価なカウンター料金サービスを併せ持っていると考えるとわかりやすく比較できるかもしれません。
先程もご紹介した通り、東芝は複合機事業に関しては国内でのシェアを拡大して無理に販路を増やしたりこの事業だけで広大な利益を確保しようとはそもそも思っておらず、利益元はすべて海外市場から得られている状態なので
あまり損得勘定がないのだと思います。
その為、取り扱いをする販売代理店にも格安単価で複合機を卸しているほどです。
ただすべての取り扱い販売店で卸値の減額をしているのかはわかりませんが、メーカーサイドでも明確な原価表という基準は特に設けていないようです。
現に私が以前販売店で担当の営業マンとして活動していた際にも、東芝の製品導入に関して交渉中の企業に対して予算の折り合いがつかずに決めきれなかったケースにおいて、メーカーの担当者に原価の相談をしてみると、「じゃあ今回はご提示の金額で大丈夫ですよ!」と比較的あっさりと料金を下げてくれた事もありました。
また、東芝のメンテナンスマンはサポート時の対応スピードが非常に迅速で定評があります。
下位メーカーに分類される企業にしては珍しいことで、複合機業界の常識では「サービス価格が安い=メンテナンスがあまり良くない」というのが一般的に常識だと捉えられていますが、東芝に関しては都市部や地方関係なく何処の地域でも依頼後から約1時間程度で速やかにメンテナンス対応が可能であるというところも大きなポイントとなっています。
メーカーの拠点数でみても、複合機ではマイナーブランドに関わらず全国に110拠点以上も存在しています。
シェア率が低いわりに拠点数が多くある理由として、実は東芝は複合機のメンテナンスのみでなく、全国のスーパーなどで流通しているPOSシステム、つまりレジスターのシステムで国内50%ほどの高いシェアを確立されているということもあり、複合機事業と兼任で連携したサポート対応をしているためと言われています。
そのためPOSシステムを導入しているスーパーやホームセンター、ディスカウントストアなどではついでに複合機の同時導入もよく見受けられる光景なのです。
ただしメンテナンスに関しては製品ごとに担当者が分かれており、メンテナンス技術においても各々の担当でしか
対応できないことから、あくまで拠点の連携のみという状況みたいです。
メンテナンスにおいてはさらにリサーチしていく中で気になる事例を見つけたので合わせてご紹介しておきます。
とある企業が複合機の修理依頼を依頼された際に部品の供給がなかなかできずに2週間以上修理にかかったというケースがありました。
よくよく原因を追究してみると、修理を依頼された時期やタイミングが悪かったようで、ちょうど月末期だったとのこと。
たまたまその時だけ部品供給が遅れたのでは?とも思われましたが同様なケースが各所で多発していることから、どうやら東芝製品のメンテナンスは月末付近になると部品供給ができなくなるという現象が一貫してあるみたいです。
原因としては東芝の企業体制にあるようで、販売店や代理店レベルでは解消できることではないようです。
一時期東芝は各部門に無理難題を押し付けチャレンジと呼ばれる水増し問題で問いただされていた時期もありました。
結果的には無理がたたり、長年にわたり巨額の粉飾決済をしていたという事実も明らかになり、信頼度も低迷するといった騒動もありました。
サポート時の部品供給が滞る原因もこれらの企業体制が関係しているのでは?という見方もあります。
真相においては定かではありませんが、確かなこととして修理やメンテナンスを依頼される際には月末時期はなるべく避けるほうが賢明だということですね。
他にも東芝製品は独自に開発された技術として、消せるトナーを実現した「LOOPS」という複合機が注目されています。
その名の通りの機能を搭載しており、出力の際一旦印字した紙を特殊な装置に再度通す事で、トナーを消せるという画期的な技術を盛り込んだ代物なんです。
プリントミスなどで無駄な紙の排出を抑えられますし、ちょっとした修正なら元データをいじらなくても複合機内で簡潔してしまうため、業務効率化にも役立ちますね。
ただ、この機能を搭載したモデルを使用するとなると、複合機2台分のスペースが必要なことと、導入する際の費用が非常に高額なことがデメリットとなるため、それならば紙代を節約しても意味がないのでは?
という意見も多く、東芝にとっては他メーカーと一線をおく独自の技術ではありますが、正直あまり売れてはいないというのが実情です。
機能面でのメリットとしてはコピー用紙以外のものにも印刷できるという点があります。
主に接客業などで自社活用するオリジナルのポップ制作などに役立てられるシーンが多く、例えば耐水性のある用紙として注目されているエコクリスタルやクリアフォルダ、マグネットシートなどといった素材に直接プリントすることが可能なのは、全メーカー製品のうち東芝製の複合機のみです。
ちなみにキャノン製の複合機でもラミフリー素材への印刷は可能ですが、メーカー推奨はされておらず保証外となりますので万が一印刷時のトラブルが発生した際にはサポートの対象となりません。
その点東芝製の複合機でしたらそういった故障時にも対応可能な点はメリットとして挙げられる点の一つかと思います。
導入事例が多いスーパーやディスカウントストアなどでは店舗に陳列された商品のPR素材として長尺な用紙への印刷機能や耐水性のある用紙への印刷、自社でのオリジナルポップ制作の需要は高いため、そういった業種へのニーズに対応できるスペックに仕上げていったのかもしれません。
もうひとつ、最大の利点といってもいい部分では東芝はパソコンの製造メーカーでもあるということです。
つまり複合機にもその技術が活かされており、OSやHDD、メモリといった複合機本体内の処理機能における技術に長けていること、またそれらの頭脳部品のメンテナンスまで自社で行えるということは他メーカーと比べても
秀でたところではないでしょうか。
東芝の複合機のデメリット
複合機本体の機械的な動作や性能に関しては、正直どのメーカーでもあまりデメリットというのはないものですが、あえてピックアップするとしたら、東芝製の複合機のみ他メーカーに比べてスキャナの機能面の弱さが大幅に目立ちます。
他メーカーであればスキャナをしたデータをオフィス内などで接続設定している各々のPCに送信する事が可能であり、これはほぼどのメーカーでも標準的な性能なんですが、東芝の複合機の場合は、PCに直接データを送信することはできず一旦共有フォルダを作成してそこからデータを飛ばすという形になります。
共有フォルダ内から欲しいデータを選択し各々のPCにドラッグして取り込むという方式になるため、スキャニングと併行して各々のPCに直接送信できないため不便に感じるという意見が多いです。
結果的に各々のPCにスキャンデータを取り込むまことは可能なんですが、設定が複雑な仕様なため使用者自身で行うことは少し難しいのです。
この設定を施す際には東芝のメンテナンスマンにいちいち来てもらわないとできないので、メーカー側としても実は推奨されていません。
更に各PCごとに設定が必要なため、社員数の多い企業やオフィス内で扱うPCの台数が多い企業などには、東芝製の複合機でスキャニング機能を活用されることは、正直あまりオススメ出来ません。
他には印刷時の発色において再現力不足であるとの意見もよく挙げられています。
特に問題視されている点ではCMYK4色のうちシアン(青)の発色において濃度が足りないということです。
再現力においても正確性にかけるということで、評価を下げる原因にはなっていますが全体的なカラー発色としては、再現力に定評がある富士ゼロックス製と比較しても遜色ないという意見も一方ではあるため、使用される方の見方や受け取り方次第ということで意見は割れていますので、一概に悪い点とも言い難いところではあります。
また東芝製のトナーは他メーカーに比べて若干油分の量が多いことから、印刷時の発色では少しテカリがあるように感じるという意見もあります。
テカリは発色の具合をよく魅せる効果もあるのでそれを好ましいととるか、違和感ととるかもまた使用者の好みによって分かれるポイントとなりそうです。
デメリットに感じる点としてはスキャナ部分のみだと思いますので、それ以外の基本的な性能は全く問題ありませんし他メーカーと比べても圧倒的な安さがウリなので、充分競合とも勝負できるスペックの製品であると言えます。
今後もしメーカーサイドでも、複合機事業に対して本腰を上げたPR活動を行うことがあれば、国内でのシェアにおいてもこれまでとは違い急速に拡販されていくのではないかと予想されます。
品質において全体的な評価はお世辞にも高いとは言えない製品ではありますが、その分全体的にコストが安く抑えられる点を考慮しますと、値段相応で打倒な線なのではとも思えます。
万人受けはしないかもしれませんが使用用途や導入において重要視するポイントをどこに置いているのか?によって選択肢の有無が決まってくる複合機ではあります。
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