複合機の高圧縮PDFとは?デメリットや解像度の違い等を解説!
複合機の主な使い方としてFAXやコピー、プリントがありますがそれに次ぐほど今必須となりつつあるのが圧縮PDFです。
今回は、複合機の高圧縮PDFについて説明していきます。
スキャンとの組み合わせなどで今まで以上に仕事の効率を向上させることが可能になります。
PDFとは何なのか?高圧縮PDFとの違いなどについても詳しく解説していきます。
複合機のレンタルなどを考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
複合機でもできる!仕事の効率を上げられる高圧縮PDFとは?
高圧縮PDFとは文字通りPDFを圧縮したものです。
その中でも注目を集めているのが、キャノン独自の画像分析圧縮方式というもので『高圧縮PDF』といいます。
高圧縮PDFとは、高画質でスキャンしたデータを、そのまま約1/10の容量まで圧縮することが可能なPDF形式です。
複合機におけるPDFって何?高圧縮PDFとの違いやメリット・デメリットについて解説!
PDFとはよく使われている電子ファイルの一つです。
圧縮PDFとは出力後の画質など、少し違いがみられます。
それと、もう一つ似た機能にアウトラインPDFというものがあります。
スキャンしたファイルの文字や画像などを不可視レイヤーとしてアウトライン化、分割してPDF作成します。
例えばですが、グラフをアウトラインPDFすると色などは消えて外枠のふちなどだけが残ります。
データのサイズが小さくなるだけではなく、イラストレーターで再度デザインし直すことが可能です。
それら総称して、Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)を略してPDFと呼ぶこともあります。
今まで紙に印刷して相手に渡していたものを、そのまま電子的な用紙として相手に送ることができます。
『PDFにするメリット』
紙ではなくPDFファイルにすると仕事を進めるうえで下記のようなメリットがあります。
ペーパーレス化でコスト削減
一つの会社には様々な部署があり、商品開発や今後の企画など書類を用いて話し合ったり会議をおこなっていました。
そんな書類を作成する段階でさまざまな訂正がおこなわれるのですが、その都度印刷していては大量の紙を使用してしまいます。
PDFにしてしまうことで作成段階では、データで確認することができるので毎回印刷する必要がなくなりコスト削減につなげることが可能です。
仕事の効率化を大幅に改善
会議書類などを作成して上司に確認してもらう場合など、毎回印刷する必要があり直接見てもらう必要がありました。
仮に上司が外出してしまっていたりすると、すぐに確認してもらうことができません。
PDFにすると、パソコンなどクラウド上で確認可能となり出先でも問題ありません。
違う部署や取引先に確認してもらう場合も、わざわざ紙に印刷して会社まで行く必要もなくなりスピーディーな作業が可能になりました。
『PDFに関する悩み』
仕事を効率よく進めるうえでPDFがとても便利であることが分かりました。
ですが、職場によってはPDFに関する悩みもあるようです。
PDFデータはとにかく重い
PDFデータはその内容にもよりますが、とにかく容量が大きくサーバーに負担をかけてしまいやすいことがあります。
相手から送ってもらう場合もこちらから送る場合でも、パソコンの性能によっては開くまでにかなりの時間がかかります。
また、重すぎて他のパソコン作業が進めにくくなることがありました。
相手がPDFを使用していないと全体の作業が遅れてしまう
自分の会社ではPDFを使用していても、取引先がそうでない限り全体の作業が遅れてしまいます。
今までの場合相手が用紙で提出してくると、それ以降はFAXなどで対応するしかありませんでした。
PDFに関する悩みの解決方法が圧縮PDFとスキャン機能!
上記で説明したような悩みは複合機を使用することで解決することが可能です。
圧縮PDF機能を使用すれば、容量を小さくすることが可能です。
簡単に開きやすくなり、パソコンの動作が遅くなり作業が進められないということもなくなります。
高圧縮PDFを使用すれば、画質等も落とさず1/10ほどの容量にすることが可能です。
スキャン機能は用紙で資料が送られてきた場合等に便利です。
複合機でその用紙をスキャンすることにより、PDF化することが可能です。
そこからはPDFで共有できるようになるだけではなく、デザインの一部だけを用いて新しい資料を作ったりもしやすくなります。
複合機はさまざまな職場で欠かせないものとなっています。
複合機で書類を高圧縮PDFにするメリットを紹介!
複合機に搭載された高圧縮PDF機能を活用することで、ファイルの扱いやすさが向上し、オフィス全体の生産性もあがりやすくなります。
ここでは、高圧縮PDFを活用するメリットについて、解説していきます。
『PDFよりもさらに容量を抑えられる』
高圧縮PDFのメリットは、スキャンしたデータのファイルサイズを大幅に縮小できる点です。
従来のPDFでは、画像や図表の多い資料ほど容量が膨らみがちで、メール送信やクラウド保存時に制限を受けることもありました。
高圧縮PDFを使えば、画質を保ったままもとの10分の1程度まで軽量化することも可能。その結果、下記のようなメリットがあります。
- オンラインストレージの使用容量を抑えられる
- 大容量ファイルでもスムーズに送信できる
- ファイルの開封や転送が速くなる
容量の悩みを軽減することで、資料のやりとりや管理がしやすくなります。
『画質を保ったまま共有できる』
圧縮といえば、どうしても画質が落ちるのでは?とご質問いただくことがよくあります。
複合機の高圧縮PDFは、重要な画像や文字の鮮明さを維持したまま容量を削減できるのが特徴です。
通常のJPEG形式で同じ容量を目指して画像を圧縮した場合、細かな文字や線がにじんでしまうことがあります。
一方、高圧縮PDFでは画像分析技術により視認性を維持しつつ不要な情報を効率的に省くため、資料としての品質を損なうことがありません。
そのため、社外への資料送付やプレゼン資料の共有でも安心して活用できます。
『OCR(光学文字認識)機能と連携して編集しやすくなる』
OCR(光学文字認識)機能と連携することで、PDF内の文字をテキストデータとして認識し、検索や編集も可能になります。
業務上よくある「過去の資料が見つからない」「修正作業に時間がかかる」といった悩みを解消できます。
社内文書の管理や顧客との資料共有など、多様な業務フローを支えるツールとしても非常に有効です。
【関連記事】
『クラウドサービスとの連携でどこからでも資料にアクセスできる』
高圧縮PDFで作成された軽量なデータは、クラウドストレージとの親和性が高くアップロードや共有がスムーズです。
複合機でスキャンした高圧縮PDFをクラウドへ直接保存する設定も可能なため、オフィスにいなくてもすぐに資料を確認できます。
営業先や出張先、自宅などからでも業務を滞りなく進められるようになり、遠隔業務がしやすくなります。
【関連記事】
『印刷回数の削減でインクや用紙コストの節約につながる』
従来、社内共有や確認のたびに紙で印刷していた資料も、複合機の高圧縮PDFを活用すればデジタルデータとして回覧・保存できます。
印刷にかかるインク代や用紙代などの消耗品コストを削減することが可能です。
社内のやり取りや会議資料などは頻繁に更新されるため、PDF化によるコスト削減効果は大きく、中長期的にも経費を落とせます。
『大容量データでもスムーズにやりとりできてテレワークにもおすすめ』
容量の大きな画像や図面が含まれるPDFでも複合機の高圧縮PDF機能を活用することで、軽量化された状態で相手に送信できます。
メールやチャットツールへの添付が容易で、ファイル転送による時間ロスが減少します。
また、軽いデータであればスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でも素早く閲覧可能となるため、テレワークや外出先での作業にもおすすめです。
書類を複合機で高圧縮PDFにするデメリットも紹介!
複合機で高圧縮PDFを活用する場合、下記のような運用ルールを設けるとデメリットの影響を抑えられます。
- 初期設定をマニュアル化し誰でも同じ条件でスキャンできるようにする
- 圧縮率と画質のテスト運用を事前に実施しておく
- 処理負荷を分散させる
- ファイルの命名規則・保存先ルールを徹底する
複合機の高圧縮PDFは、業務効率化やペーパーレス化を後押しする便利な機能ですが、使用する上で把握しておきたい注意点も存在します。
メリットだけでなくデメリットや制限も理解しておくことで、導入後のトラブルを防ぐことができます。
『圧縮によって画質が劣化する可能性がある』
高圧縮PDFは、前述のとおり基本的には画質を落とさずデータ圧縮できます。
しかし、容量を削減できる一方で細かい文字情報や写真・グラフなどのビジュアル要素を多く含むデータをスキャンした場合、圧縮の過程で一部がぼやけたり、色味が変わってしまうことがあります。
また、スキャン時にテキストの識別がうまくいかないと、文字が不鮮明になることもあるため注意しなければなりません。
商品カタログやチラシ、ポスターなど見た目のクオリティを重視する資料を扱う際には、慎重に設定を見直すことが大切です。
『古いソフトウェアでは開けないことがある』
高圧縮PDFファイルの互換性も懸念点です。
複合機で生成したPDFファイルのなかには、古いバージョンのPDFビューアでうまく表示できないものもあります。
一部の機種で作成された高圧縮PDFはAdobe Acrobat Readerの旧バージョンでは開けないという報告もあり、社外とのやり取りに使う場合には注意しなければなりません。
取引先や関係部署がどのソフトウェアを使用しているか、PDFの閲覧環境が最新に保たれているかなどを事前に確認しておくことで閲覧トラブルを回避できます。
『スキャン設定に慣れるまで時間がかかる』
高圧縮PDFの設定は、通常のスキャンより細かくオプションが分かれていることがあります。
文字優先や画像優先、圧縮率の調整など複数の設定項目があり、画質と容量のバランスを取るには慣れが必要です。
ITリテラシーの低い会社にとっては、操作ミスによる画質劣化や保存ミスの危険性も高くなりやすいです。
『OCRとの併用時に処理が重くなることがある』
高圧縮PDFをOCR(文字認識機能)と組み合わせて使う場合、処理に時間がかかることがあります。
圧縮とテキスト抽出の両方を行うため、複合機のスペックによっては処理速度が落ちるまたはフリーズすることもあります。
大量の書類を一括スキャンする業務では出力までに時間がかかり、作業効率が落ちてしまう場合もあります。
『再編集の自由度が下がることがある』
高圧縮PDFは、画像やテキストを一体化して軽量化するため、編集ソフトでの再加工がしづらくなるケースもあります。
ちなみに、Adobe Acrobatなどのソフトで文字修正や画像の差し替えを行う際、通常のPDFより編集操作が限定される場合があるためレイアウト変更などを前提に使うには不向きです。
【メーカー別】複合機で高圧縮PDFを設定する手順は?活用する方法まで解説!
ペーパーレス化が進む現代のオフィス環境において、高圧縮PDFは便利でおすすめです。
ファイル容量を抑えながら、視認性の高い資料を共有できるため、社内でも活用の幅が広がります。
ここでは、下記の主要メーカーの複合機における高圧縮PDFの設定方法をメーカーごとにまとめました。
- リコー
- キヤノン
- 富士フイルムビジネスイノベーション
それでは、複合機で高圧縮PDFにする手順についてみていきましょう。
『リコーの高圧縮PDFの設定手順』
リコーの複合機では、文書蓄積機能を経由して、高圧縮PDF形式での保存・送信が可能です。
操作手順は、下記のとおりです。
- 「ファイル形式/ファイル名」をタップ
- 「PDF」を選択し、次のメニューで「高圧縮PDF」を指定
- 送信方式として文書蓄積
- 本体に蓄積送信を選ぶ
- OKを押してスキャンを実行
ファイル形式を指定した後、「PDFファイル設定」で圧縮レベルや検索可能なPDFへの変換なども細かく調整できます。
『キヤノンの高圧縮PDF設定手順』
キヤノンの複合機を使用している場合、「スキャンして送信」機能から高圧縮PDFを簡単に指定できます。
設定手順は、下記のとおりです。
- 操作パネルから「スキャンして送信」をタップ
- 宛先を指定(メールや保存先)
- 「ファイル形式」メニューでPDFを選択
- 表示されるオプションから「高圧縮」を選ぶ
- スキャン開始を実行する
宛先は相手先のメールや自分の使用しているメールを入力します。
必要であればOCR(文字認識)機能も合わせて設定してください。
機種によっては高圧縮PDFがあらかじめ初期設定になっていることもあります。
スキャン前にオプション画面で確認しておきましょう。
『富士フイルムビジネスイノベーションの高圧縮PDF作成手順』
富士フイルムビジネスイノベーションの複合機では、MRC圧縮という形式を利用することで、画像の鮮明さを維持しつつファイル容量を減らすことができます。
設定方法を下記にまとめました。
- ホーム画面で「スキャナ(PC保存)」を選択
- 画質調整のカラーモード(自動)から「解像度(300dpi)」を設定
- 出力ファイル形式の項目で「高圧縮(MRC)」を指定
- 保存先や送信先を設定し、スタートボタンでスキャン開始
注意点として、ボックス保存機能では高圧縮PDFが使えません。
スキャン送信時は「PC保存」「メール送信」「URL送信」いずれかを選びましょう。
さいごに|複合機で高圧縮PDFを活用しよう!
複合機の高圧縮PDF機能は、ファイル容量を大幅に削減しながら高画質を維持できる便利な機能です。
ペーパーレス化の推進やデータ共有のスピードアップ、ストレージの節約などオフィス業務にメリットもあります。
一方で、画質の劣化や互換性の注意点もあるため、導入前に自社の業務環境との相性を確認することが重要です。
各メーカーの複合機には、高圧縮PDFを簡単に設定できる機能が備わっており、日々の業務にすぐに取り入れることができます。
複合機の高圧縮PDFを上手に活用して、効率よく書類管理や情報共有をしていきましょう。
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