複合機のスポット保守とは?費用の相場やメリット・デメリットをご紹介!
業務用フルオプションA3カラー複合機を月額6,900円以下で格安リース・販売している株式会社じむやの堀田です。
スポット保守とは、契約を結ばずに必要なときだけ修理や点検を依頼する保守形態です。
定期的なメンテナンス契約(保守契約)とは異なり、故障したときだけやトナーが詰まったときだけなど、突発的なトラブルへの対応を依頼できます。
本記事では、あまり知られてない複合機のスポット保守について解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機のスポット保守とは?
業務用複合機は精密機械ですので、人間の手によるメンテナンスや修理が欠かせません。
そんな複合機をメンテナンスや修理する事を「保守」と呼びますが、複合機にはいくつかの保守形態があります。
その中の一つにスポット保守というのがあります。
この保守の特徴としてはすべてが都度払いということです。
トナーも感光体もメンテナンスの為の出張費用も部品費用もすべてが都度事の有料となり、ある意味一番シンプルです。
請求料金=基本料金+技術料金+交換部品代金
基本料金:お客様のご依頼に基づく訪問に対する料金です(12,000円/訪問)(消費税別)
技術料金:故障修理及び点検・清掃・調整等の作業に対する料金です(6,000円/30分迄、以降2,000円/10分)
交換部品代金:交換した部品代です
引用元:リコー:スポット保守
複合機における他のメンテナンス保守との違いは?
複合機のスポット保守は、必要なときだけ費用を支払って対応を受ける都度払いのできる仕組みです。
カウンター保守やキット保守など他の保守との大きな違いは、契約不要で自由度が高い一方、コストが読めず割高になりやすいところです。
カウンター保守は印刷1枚ごとに課金される代わりに、トラブル時のメンテナンス費用が定額で安心。キット保守も正規トナー購入が条件ですが、修理費が不要になるため管理しやすいメリットがあります。
一方スポット保守では正規トナーの縛りもなく保守契約も不要な反面、1回の修理に数万円かかるケースもあるため、頻繁に使用する企業には不向きです。
逆に、印刷頻度が低い場合や突発的なトラブル対応には便利な選択肢といえるでしょう。
簡単に下表で特徴をまとめました。
保守形態 | 特徴 | おすすめ度 |
カウンター保守 | 印刷した枚数分の費用が発生するが、メンテナンスは無償 | ◎ |
キット保守 | 高額のトナーの購入代金が発生するが、メンテナンスは無償 | △ |
スポット保守 | 全てが有償 | × |
それでは、さらに詳しく説明していきます。
『カウンター保守』
カウンター保守は、カウンター料金という一枚印刷する毎に課金されるという仕組みの保守です。
詳しくは「複合機・コピー機のカウンター料金の相場」を見て頂ければわかりますが、複合機の保守契約をするにあたり、最も普及している保守となります。
理由は明確で、一番利用者に負担がない保守だからです。
一枚毎に印刷したらお金取られるとか損してる気分という方もおられますが、そんなことはありません。
だいたいお客様でその様な事をおっしゃる方は他の保守だと絶対に文句を言います。
カウンター保守は、急で大きな出費が出ない為、利用者にもメリットがありますので、流通している複合機の90%はカウンター保守で使われております。
『キット保守』
キット保守は、販売店から正規のトナーを購入するとメンテナンス費用が無償となる保守契約です。
ポイントとしては「正規」トナーを購入しなければいけないことです。
リサイクルトナーを買っても無償でメンテナンスはできませんので、実はカウンター保守よりも費用対効果が悪いです。
キット保守契約が出来る機種だと大体本体価格が少し安いです。
ただ、その代わりにトナーが高額となります。
業務用のトナーは一本あたり3万円以上となりますので、一枚当たりの平均単価にすると6円~8円となります。
『スポット保守』
スポット保守は、先ほども説明した通りすべてが都度払いという保守ですが、キット保守のように正規のトナーを購入しなくても保守は受けられます。
契約不要で必要なときだけ保守を依頼できるため、印刷頻度が低い企業や非常用として複合機を導入しているケースにはおすすめです。
また、キット保守のように正規トナーを購入しなければメンテナンスが受けられないといった縛りがないのも特徴的。リサイクルトナーや互換品を使っていても保守を受けられるため、運用の自由度は高いといえます。
しかし、一回あたりの故障のトラブルで保守を依頼すると高額な請求されるので、それであったら業務用複合機を導入した意味がないので、スポット保守はおすすめは全くできません。
ちなみに、一度の故障対応で数万円以上の高額請求になるリスクはデメリットです。
業務用複合機は精密機器であるため、部品交換や技術料が高くつくケースが多く、頻繁に使う現場では保守コストがかえって割高になりかねません。
結果として、せっかく高機能な複合機を導入したのに保守費用が重くのしかかるという状況に陥ることもあります。
そのため、スポット保守は非常用や低頻度利用のケースに限定して検討するべきであり、日常的に使用するオフィスではカウンター保守やキット保守の方が現実的です。
複合機におけるスポット保守のメリットとデメリットを解説!
スポット保守は、故障したときだけ料金を払う保守です。
毎月の費用がかからないので、あまり使わない企業にとってメリットがあります。
しかし、故障したときの修理費用が高くなることが多く、例えば部品交換やトナー代で10万円以上かかるデメリットもあります。
トナー代も高いため、長く使うなら逆に割高になる場合があります。
また、修理の手配を自分で行う必要があるため、トラブル時にすぐ対応してもらえないこともあります。
スポット保守は、あまり使わない場合や短期間だけの利用向けで、頻繁に使うならカウンター保守の方がおすすめです。
下表にスポット保守のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
・経費を落とせる ・必要なときだけ利用できる |
・印刷する際の単価が高め ・修理費用がかかりやすい ・修理手配は自社で行わなければならない |
さらに、詳しくみていきましょう。
『スポット保守のメリット』
スポット保守は、故障やトラブルが発生した際にその都度修理費用を支払う形の保守サービスです。
毎月の保守料金が発生しないため、使用頻度が少ない場合や短期間だけ複合機を利用したい場合には無駄な費用を抑えられるというメリットは大きいです。
また、正規トナーの購入義務がないため、トナーコストを自由にコントロールできるところも魅力的。継続的な支払いが必要最低限に抑えられることから、使用が限定的な企業におすすめです。
『スポット保守のデメリット』
スポット保守には注意すべきデメリットもあります。
最大の問題は、修理が必要になった場合の費用が非常に高額になる可能性があること。
例えば、複合機で印刷に黒い線や筋が入るトラブルが発生し、他社で修理を依頼したケースでは下記の費用がかかる場合もあります。
項目 | 費用 |
感光体ドラム代 | 55,000円(税込)/本 |
トナー代 | 16,500円(税込)/本 × 4本 |
作業費 | 6,600円(税込)/30分 |
出張費 | 19,800円(税込)/1回 |
合計で税込147,400円。メーカーや機種によって費用は異なりますが、これくらいの負担になることも珍しくありません。
トナー代は意外と高額でカラー複合機の場合は4色分のトナーが必要なため、ランニングコストがカウンター保守より倍以上になることもあります。
スポット保守の場合、修理手配を自分で行わなければならずメーカーのサポートが優先されない場合もあるため、トラブル発生時に迅速な対応が受けにくいこともデメリットです。
それに印刷単価が高くなりがちで、故障時の出費が大きいため、長期的に見ると経済的な負担が増す可能性があります。
複合機におけるスポット保守の費用の相場はどのくらい?
スポット保守はすべてが都度払いと書いたように一つ一つの項目毎に費用が発生します。
前述した内容はほんの一例ですが、基本的なスポット保守の相場としては諸々込みで一回当たり3万~5万ぐらいです。
どこのメーカーも大きく費用の傾きがありませんので、大きな破損でない限り、大体このぐらいとみておけばよいでしょう。
ただ、高額な部品もありますから、弊社が抱える案件の個別の費用をご紹介します。
項目 | 費用 |
基本出張費 | 約10,000円 |
技術料金 | 約10,000円 |
感個体(ドラム) | 約200,000円 |
定着ユニット | 約60,000円 |
転写ユニット | 約35,000円 |
その他部品費用 | 約5,000円~ |
『基本出張費』
メンテナンスマンの訪問費用のことです。
こちらの費用は必ずかかってきます。
人口がそれなりにある市町村であれば、これだけの費用で済みますが、あまりにも田舎すぎると別途距離によっての費用の追加が発生します。
『技術料金』
実際にメンテナンスをする調整費のことです。
先ほどの基本出張費と同じく技術料金も必須で発生します。
大体1時間あたり1万円が相場ですが、メーカーによっては30分単位のところもあります。
『感個体(ドラム)』
複合機の心臓部分のことで、これが一番高額になります。
京セラの複合機はカウンター料金がダントツに安いと言われますが、それはアルファシリコンドラムというドラムにしたことにより、ドラムの寿命(約20万枚)が2倍になったので、他社の2倍安くカウンター料金が安いのです。
それほど、コストに大きく関わってくる部品なので高いのです。
これだけを見ても、万が一を考えたらスポット保守はおすすめできませんね。
『定着ユニット』
これは用紙とトナーがはがれないように定着するためのユニットです。
印刷されたトナーを用紙にしっかりと熱と圧力で定着させるためのパーツで、複合機では画像や文字を形成するトナーをまず感光体ドラムに転写して用紙に写した後、この定着ユニットで最終的にトナーを溶かして用紙に密着させます。
この工程には「ヒートローラー(加熱ローラー)」と「プレッシャーローラー(加圧ローラー)」という2つの部品が使われており、ヒートローラーがトナーを熱で溶かし、プレッシャーローラーがそれを紙にしっかり押しつけることではがれにくい印刷が完成します。
定着ユニットは高温を扱うため、長期間使用すると部品が劣化しやすく印刷ムラや紙詰まり、トナーの剥がれなどのトラブルの原因にもなります。
そのため、ある程度の使用枚数を超えたタイミングでの定期的な点検や交換が推奨されており、保守プランによっては定着ユニットの交換が料金に含まれていることもあります。
業務用複合機においては、定着ユニットの性能が印刷品質や機器の耐久性に直結するため、非常に重要な構成部品といえるでしょう。
『転写ユニット』
こちらは定着の前段階に行う工程で、トナーを用紙に移す作業をするためのユニットです。
転写ユニットは、複合機においてトナーを用紙に転写するパーツ。トナーを感光ドラムから用紙へと正確に移す工程を担っており、この転写の流れが正常に行われなければ、文字や画像がかすれたり、ズレたりする原因になります。
摩耗しやすく、一定の印刷枚数を超えると劣化や不具合が起こりやすくなります。
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『その他部品費用』
給紙ローラーの摩耗の場合などは、小さな部品の交換で済みます。
5,000円ぐらいあれば大丈夫です。
そもそも複合機のスポット保守において、比較的軽微なトラブルとしてよくあるのが給紙不良です。
用紙をうまく引き込めなかったり、紙詰まりが頻発したりする場合にみられます。
給紙部分にある給紙ローラーという部品の摩耗が原因。用紙トレイから1枚ずつ紙を正確に送る役割を担っており、通常はゴム製で作られています。
使用頻度が高かったり長期間使われたりすると、ローラーが擦り減ったり硬化してしまい、紙をしっかり掴めなくなるのです。
スポット保守を利用して給紙ローラーのみを交換すれば、比較的安価に修理が可能。部品代は2,000〜3,000円程度で済むことが多く、これに作業費や出張費を加えても、全体の修理費用はおおよそ5,000円から10,000円程度が相場といえるでしょう。
ただし、費用は訪問修理の有無や作業時間によって上下することがあるため、実際に依頼する際は事前の見積もりをおすすめします。
軽微な部品交換にみえても、複合機全体の紙送り機構に汚れや歪みがあると再調整や追加修理が必要になるケースもあります。
複合機のスポット保守はどんなときに契約するのがよい?
正直に言いますと全く契約する意味がありません。
複合機を導入する時に大体の機種では「カウンター保守」か「スポット保守」を選べるようになっています。
ただ、選べるようにはなっていますが、スポット保守で故障があった場合に、使用メーカーの印象が極端に悪くなるため、担当単位ではスポット保守は契約できないようにしていることも多々あります。
スポット保守にしてもよいというときは、極端に印刷枚数が少なく、契約から8年以上経ってカウンター保守が契約できなくなったときに仕方なくスポット保守にするぐらいです。
それで実際に保守を頼むまで使い続けて、新しい複合機までの繋ぎとするのが本来のスポット保守のあり方です。
複合機のスポット契約締結後に修理を依頼する流れは?
複合機のスポット保守契約締結後に、修理を依頼する一般的な手順について下記にまとめました。
- 問題の発生と状況の確認
- メーカーや販売店に問い合わせ
- 見積もりの提示
- 修理の手配(日時調整)
- 現地での診断と修理
- 作業報告
- 費用の請求
- 支払い
- 完了
まず、複合機に不具合や異常が発生した際に、社内で状況を確認します。
例えば、下記のような事例です。
- 印刷に線が入る、かすれる
- 用紙が詰まる
- 電源が入らない
- トナー漏れ など
不具合が確認されたら、複合機のメーカーまたは導入時の販売代理店に連絡します。
「スポット保守で修理を依頼したい」と伝えれば対応可能かどうかを案内されます。
症状や機種によっては、出張費や部品費などの概算見積もりを事前に案内されます。
この段階で金額を聞いて、修理を依頼するかどうか判断することも可能。依頼を正式に出すと、サービスマンが訪問する日程を調整します。
通常は1〜3営業日以内に訪問対応されることが多いです。
技術スタッフが訪問し、不具合の診断を行った後、その場で部品交換や調整などを行って修理します。
その場で直らない場合は、再訪や持ち帰り修理となることもあります。
修理完了後、作業内容の報告書を受け取り、後日または即時で請求書が発行されます。
指定された支払い方法に従い、費用を支払って完了となります。
さいごに|複合機のスポット保守契約は事前によく検討しよう!
複合機のスポット保守は、基本的におすすめできない保守方法です。
都度払いで契約がいらないため一見すると安く感じるかもしれませんが、実際に故障すると修理費が高額になることが多く、結果的に大きな出費になります。
複合機を導入する際は、カウンター保守かスポット保守を選べますが、メーカーや販売店の判断でスポット保守が選べないように制限されていることもあるため注意してください。
理由は、故障時にユーザーが不満を感じやすく、メーカーへの印象が悪くなってしまうため。スポット保守を選んでよいのは、印刷枚数がとても少なく導入から8年以上経っていてカウンター保守が契約できない場合などに原則限られます。
そのような場合、新しい複合機に入れ替えるまでのつなぎとして使うのが現実的です。
長く使う予定があるなら、最初からカウンター保守を選ぶのが安心です。
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