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複合機のトナーを廃棄(処分)するには?捨て方や回収方法もメーカー別に解説!

社内オフィスでも日常的に利用される業務用複合機において、大量の印刷業務を支えるうえで欠かせないのがトナーカートリッジですが、使用後の捨て方を正しく理解していない企業担当者の方もいるのではないでしょうか。

 

トナーは一般ごみとして廃棄できないうえ、粉じん爆発などの危険性も伴うため、企業にとって適切な処分方法が求められます。

 

また、トナーとインクでは性質に違いがあるため、捨て方には注意しなければなりません。

 

本記事では、業務用複合機トナーの捨て方やメーカー別の回収方法などについて解説しています。

 

企業の総務担当者やオフィスを管理している方は、ぜひ社内ルールの策定や実務の参考にしてください。

 

複合機のトナーは廃棄できる?インクとの捨て方の違いについても解説!

複合機のトナーは廃棄できる?インクとの捨て方の違いについても解説!

 

複合機のトナーは、カートリッジごと産業廃棄物として処分したり取引先メーカーに改修してもらったりします。

 

リース契約している企業のほとんどは、メーカーによる回収が主です。

 

そもそも、トナーとインクは粉状か液状かで特性が違いますし、捨て方もインクに限っては燃えないゴミとして出せる場合もあります。

 

まずは、トナーとインクの違いから詳しくみていきましょう。

 

 

『トナーとインクの違い』

オフィスで使用される業務用複合機の多くはトナーを使いますが、家庭用プリンターに多いインクとは性質が違います。

 

インクは液体を紙に吹き付けて定着させるのに対し、トナーは粉末状の樹脂を熱で溶かして紙に定着させます。

 

そのため、廃棄の方法も違い、インクは一般的にリサイクルボックスや不燃ごみで処分できるケースがあるのに対し、トナーは粉末状の性質から環境や健康に悪影響を与える危険性もあるため、産業廃棄物扱いとして適切な捨て方で処理しなければなりません。

 

具体的には、インクは自治体や家電量販店での回収ボックスに入れることで処分できる一方、トナーはメーカーや専門業者を通じた回収が基本です。

 

この違いを理解せずに処分すると、法令違反や環境破壊につながる可能性があるため注意が必要です。

 

トナーとインクの違いについては、こちらの関連記事でも詳しく解説しています。

 

【関連記事】

複合機のトナーとは?インクジェットとの違いを11か所解説!

 

 

『トナーは適切な方法で処分すること』

企業で使用される複合機のトナーカートリッジは、一般ゴミとして捨てることはできません。

 

粉末トナーは静電気や火気で引火の危険性があるだけでなく、細かい粉塵が飛散すると健康被害の恐れもあります。

 

また、廃棄物処理法では、事業活動で生じた廃棄物は産業廃棄物として扱われるため、社内オフィスで使用したトナーを不燃ごみや家庭ゴミに混ぜて捨てることは違法となります。

 

企業は、必ずメーカーによる回収や産業廃棄物処理業者への委託など、法令に則った正しい捨て方で処分しなければなりません。

 

適切な処理を行うことで、環境破壊の懸念を減らすだけでなく、企業のコンプライアンス遵守にもつながります。

 

 

複合機のトナーを処分する方法は?5つの捨て方で解説!

複合機のトナーを処分する方法は?5つの捨て方で解説!

 

業務用複合機のトナーは、一般ごみとして処分できないため、企業は正しい捨て方を知っておかなければなりません。

 

ここでは、代表的な捨て方について、下記のポイントにて解説します。

 

  • メーカー回収
  • 産業廃棄物として処理
  • 回収ボックスの利用
  • トナー販売代理業者へ回収依頼
  • 不用品回収業者へ回収依頼

 

詳しくみていきましょう。

 

【関連記事】

複合機のゴミとして捨てる場合はどうする?廃棄前に確認すべきことと注意点についても解説!

 

 

『捨て方①|メーカーに回収してもらう』

複合機をリースした際でもほとんどのケースが、メーカーの回収サービスを利用する方法です。

 

複合機メーカーとしては、資源循環や環境保全を目的に純正トナーの回収やリサイクルを行っています。

 

使用済みカートリッジを専用の袋や箱に入れて送付する、もしくは訪問の際などに直接引き取ってもらうだけで、その後はリサイクル工場で再資源化される仕組みです。

 

メーカーに回収を依頼するメリットは、確実に法令に適した処理がなされるところと、環境配慮の姿勢を企業として示せることにあります。

 

コンプライアンスを重視する企業にとっては、最もおすすめの捨て方です。

 

 

『捨て方②|産業廃棄物として捨てる』

事業活動で排出されたトナーは法律上、産業廃棄物とみなされます。

 

そのため、産業廃棄物処理業者と契約して廃棄する捨て方もあります。

 

この場合、処理委託契約書やマニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行してもらう必要があり、法的に適切な処理ルートを確保できます。

 

大量にトナーを消費する大規模オフィスや印刷関連の事業者は、産廃業者との契約が現実的な選択肢となり得るでしょう。

 

 

『捨て方③|回収ボックスを利用する』

家電量販店やオフィス機器の販売店には、使用済みトナーカートリッジの回収ボックスが設置されていることがあります。

 

ただし、一般消費者向けの回収を想定しているケースが多いため、法人が業務用複合機のトナーをまとめて処分する場合には利用条件の確認が必要です。

 

少量の廃棄であればコストもかからず便利ですが、企業として大量に廃棄する場合はメーカー回収や産廃業者に依頼する方がおすすめです。

 

 

『捨て方④|トナー販売代理業者に回収を依頼する』

トナーを販売している代理店のなかには、販売と同時に回収サービスを行っているところもあります。

 

新しいトナーを購入するタイミングで古いカートリッジを回収してもらえるため、在庫管理や廃棄処理をまとめて効率化できるのがメリットです。

 

普段から特定の代理店と取引している企業にとっては、もっとも手間のかからない捨て方といえるでしょう。

 

 

『捨て方⑤|不用品回収業者に回収を依頼する 』

複合機のトナーをカートリッジごと捨てるには、不用品回収業者に依頼するケースもあります。

 

ただし、不用品回収業者はトナー専用のリサイクルルートを持たない場合もあり、処理方法によっては法令違反につながる危険性も伴います。

 

利用する際は必ず、産業廃棄物収集運搬の許可を持っている業者かどうかを確認しておきましょう。

 

安易に依頼すると、企業責任が問われる可能性があるため注意してください。

 

 

正しい捨て方で廃棄した後に複合機のトナー交換をする方法とは?7つのポイントで注意点も解説!

正しい捨て方で廃棄した後に複合機のトナー交換をする方法とは?7つのポイントで注意点も解説!

 

使用済みトナーを適切に廃棄したあとは、新しく交換して業務に支障が出ないようにする必要があります。

 

ただし、トナー交換は複合機の精密部品に直接関わる作業であり、注意を怠ると本体の故障や印刷不良につながることもあります。

 

複合機におけるトナー交換の手順は、下記のとおりです。

 

  1. 複合機のフロントカバーを開ける
  2. 空になったトナーカートリッジを取り出す
  3. 新しいトナーカートリッジを正しい向きでセットする
  4. フロントカバーを閉じる

 

複合機のトナーカートリッジを交換する詳しい手順は、こちらの関連記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

【関連記事】

複合機のトナー交換方法のやり方は?注意点や廃棄方法についても紹介!

 

さらに、ここでは交換時に必ず意識しておきたい下記のポイントで注意点をまとめました。

 

  • 静電気には要注意
  • 火気は絶対に厳禁
  • 正規品トナーで交換する
  • 複合機電源はONの状態
  • 稼働している最中は交換してはならない
  • 複合機内部に素手で触れない
  • トナーは掃除機で吸わない

 

詳しくみていきましょう。

 

 

『静電気に注意する』

複合機のトナー交換を行う際、静電気には注意しなければなりません。

 

トナーは微細な粉末で構成されており、その仕組み自体が帯電と放電を利用して紙へ定着させる技術で成り立っています。

 

つまり、静電気は印刷の根幹に関わる重要な要素でありながら、作業中に不要な形で発生すると印刷品質の低下や機器内部の損傷につながってしまうということ。

 

冬場の乾燥した環境では、人の体に数千ボルト規模の静電気が溜まることは珍しくありません。

 

そうした状態で複合機に触れると、放電の瞬間にトナーが弾け飛んで飛散し、内部の基盤や感光ドラムに付着してしまいます。

 

その結果、印刷にムラやかすれが出るだけでなく、部品の寿命を縮める要因となるのです。

 

また、大量の粉が空気中に舞い上がることで吸引事故や発火のリスクを招く恐れもあります。

 

このようなトラブルを防ぐためには、交換作業に入る前に必ず静電気を逃がしておかなければなりません。

 

複合機の金属部分やアース端子に触れるだけでも放電は可能であり、習慣として身につけておいてください。

 

作業環境の管理も重要で、社内オフィス内の湿度を40〜60%程度に保つと静電気の発生を大幅に抑えられます。

 

さらに、乾燥の激しい季節には加湿器を活用したり、帯電防止用の手袋やリストストラップを用いたりすると静電気も発生しにくいです。

 

ちなみに、トナー装着の際は一気に押し込むのではなくまっすぐゆっくりと差し込むことが望ましく、摩擦を避けるよう意識してください。

 

ちょっとした油断で生じた静電気が、思わぬ機器トラブルや清掃コストを招くケースは少なくありません。

 

静電気対策についての詳細は、こちらの関連記事をご覧ください。

 

【関連記事】

複合機の静電気対策はどうすれば良い?3つのポイントで解説!

 

 

『火気は厳禁』

複合機のトナーを扱う際に、絶対に守らなければならない注意点が火気を近づけないことです。

 

トナーはただの粉末状インクと思われがちですが、実際には細かい樹脂と着色材を主成分としており、特定の条件下では可燃性の粉塵として注意しなければなりません。

 

つまり、ほんのわずかな火花や高温の熱源によっても着火する危険性があるということ。作業中にトナーが飛散した場合は要注意です。

 

トナーの粒子は微細であるため、空気中に浮遊しやすく濃度が高まると粉塵爆発を引き起こす可能性があります。

 

これは工場などでよく知られる事故ですが、オフィス環境でもトナーが大量にこぼれた状態で喫煙や火花が発生すれば、同じような事象も起こり得ます。

 

また、複合機自体が熱を発生させる機械であるところにも注意が必要です。

 

レーザープリンターや複合機では、トナーを紙に定着させるために定着器(ヒーター)が組み込まれており、内部は200℃近い高温になることもあります。

 

もし誤って交換中のトナーがヒーター付近にこぼれ落ちれば、瞬時に煙や発火を伴うトラブルに発展しかねません。

 

 

『原則として正規品トナーで交換する』

コスト削減を目的に互換トナーやリサイクルトナーを利用したくなるケースもありますが、業務用複合機を安全かつ安定的に使用するためには、正規品(純正)を選んでください。

 

そもそも、正規品の純正トナーは複合機メーカーが自社の機種に合わせて開発・調整しているため、印刷品質が安定しています。

 

トナーの粒子サイズ、融点、帯電特性などは非常に精密に設計されており、純正でないトナーを使うと色合いや濃淡にムラが出たり、トナーがうまく定着せずに擦れたりすることがあります。

 

ちなみに、互換トナーや粗悪なリサイクルトナーを使用すると、機器内部に粉漏れや詰まりが発生しやすくなります。

 

 

『複合機本体の電源はONの状態』

複合機はトナー交換を行う際、交換モードに自動で切り替わります。

 

電源がOFFの状態ではカートリッジがロックされて外せなかったり、正しい位置にセットできなかったりすることがあります。

 

取扱説明書に従って電源を入れた状態で交換を行い、電源を入れたままでも、複合機が待機状態であることを確認してください。

 

また、印刷ジョブが実行されていないタイミングで交換することで、安全にカートリッジを交換できます。

 

 

『印刷時など稼働している最中は交換NG』

印刷中にカートリッジを外すと、内部で粉末が飛散したりドラムや定着器のギアが破損したりする恐れがあります。

 

また、進行中のジョブが強制停止して、データの再送が必要になるケースもあります。

 

印刷ジョブがすべて終了してから作業に移るようにしましょう。

 

また、忙しい時間帯を避け、メンテナンス可能なタイミングで交換することを心掛けてください。

 

 

『複合機内部の精密機器に素手で触れない』

複合機内部には感光ドラムやレンズなど、繊細な精密機器が存在します。

 

素手で触ると皮脂や汗が付着し、印刷ムラや黒いスジの原因となります。

 

カートリッジは持ち手部分を持ち、内部のドラムやレンズには絶対に触れないよう注意してください。

 

どうしても内部清掃が必要な場合は、メーカーや専門業者のサポートに依頼することをおすすめします。

 

【関連記事】

複合機で印刷した時に「黒い筋・黒い線」が入る原因は?自分で治すやり方をご紹介!

 

 

『交換時にこぼれ落ちたトナーは掃除機で吸わない』

トナー粉末は細かく、家庭用掃除機のモーターに吸い込まれると摩擦熱で着火する恐れがあります。

 

乾いた布やトナー専用のクリーナーで優しく拭き取るようにしてください。

 

ちなみに、広範囲にこぼれた場合は、専用の業務用クリーナーを使用すると綺麗に拭き取れます。

 

おすすめのクリーナーは、こちらの関連記事で紹介しています。

 

 

トナーカートリッジの捨て方を複合機のメーカー別回収方法と併せて解説!

トナーカートリッジの捨て方を複合機のメーカー別回収方法と併せて解説!

 

業務用複合機で使用済みになったトナーカートリッジは、通常のゴミとして廃棄することはできません。

 

トナーは微細な粉末であり、環境にも悪影響を与える可能性があるため、各メーカーが独自に回収しています。

 

企業の担当者は、このメーカーごとの回収方法を理解し、適切に対応することをおすすめします。

 

ここでは主要メーカーごとの回収方法について詳しく解説していきます。

 

 

『キャノン』

キャノンでは、トナーカートリッジを回収しており無料です。

 

使用済みカートリッジは、専用の回収ボックスや宅配便でメーカーに返送可能です。

 

法人向けには大量回収にも対応しており、環境負荷低減に配慮したリサイクル体制が整っています。

 

キャノンのトナー回収はこちら

 

 

『シャープ』

シャープは、リサイクル拠点を通じて回収を行っています。

 

販売店や保守サービス業者を経由して引き取ってもらうのが一般的。使用済みカートリッジは、新品納入時に同時回収されるケースも多く、定期交換サイクルに合わせて効率的に廃棄できます。

 

シャープのトナー回収はこちら

 

 

『リコー』

リコーも、全国的なトナー回収ネットワークを整備しています。

 

法人契約の場合、定期的にまとめて回収してくれるサービスもあり、大量使用するオフィスにはおすすめです。

 

Webで回収を申し込むと宅配便の送り状や回収箱を手配してくれるため、担当者の手間を最小限に抑えられます。

 

リコーのトナー回収はこちら

 

 

『東芝』

東芝は、販売代理店や保守サービス網を通じて回収を行っています。

 

保守契約を締結している場合、定期訪問の際にカートリッジを回収してもらえるため、担当者は捨て方を気にする必要がありません。

 

回収後はメーカー主導でリサイクルされるため、環境面でも安心です。

 

東芝のトナー回収はこちら

 

 

『京セラ』

京セラも、全国の拠点でカートリッジ回収を実施しています。

 

販売代理店経由で回収依頼が可能で、リサイクル率の高さが特徴です。

 

大量のカートリッジをまとめて廃棄する場合にも柔軟に対応してくれます。

 

京セラのトナー回収はこちら

 

 

『コニカミノルタ』

コニカミノルタも、使用済みトナーの回収を行っています。

 

法人向けに専用の回収箱を提供しており、一定数が溜まったら宅配便で回収依頼する仕組みです。

 

資源循環型社会を意識した取り組みで、CSRの観点からも評価されています。

 

コニカミノルタのトナー回収はこちら

 

 

『富士フイルムビジネスイノベーション』

富士フイルムビジネスイノベーションも、トナーのリサイクルを行っています。

 

販売店やサービス担当者を通じて回収され、リユース・リサイクル工程を経て新しいカートリッジへと生まれ変わります。

 

法人契約では回収スケジュールを調整できるため、大量印刷を行う大企業にもおすすめです。

 

富士フイルムビジネスイノベーションのトナー回収はこちら

 

 

さいごに|複合機トナーの捨て方を理解しておこう!

さいごに|複合機トナーの捨て方を理解しておこう!

 

業務用複合機の使用済みトナーカートリッジは、単なるゴミではなく、適切な方法で回収・処分する必要がある産業廃棄物に近いです。

 

誤った捨て方をすると、環境への悪影響だけでなく企業のコンプライアンス違反につながる恐れもあるため、担当者は注意しなければなりません。

 

トナーとインクでは、性質も捨て方も異なります。

 

家庭用インクカートリッジのように気軽に廃棄することはできず、各メーカーが用意している回収の仕組みや販売代理店のサービス、不用品回収業者などを通じて、責任を持って廃棄する心掛けてください。

 

また、廃棄後のトナー交換作業についても、静電気や火気、複合機の精密機器の配慮が必要です。

 

とりあえず廃棄するではなく、正しく回収してリサイクルに回す姿勢を持つことが、現代の企業担当者に求められるスタンスといえるでしょう。

 

 

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業界歴10年以上の生粋の複合機営業マン。勤めていたOA機器会社のあまりの悪徳営業っぷりに嫌気がさし「株式会社じむや」を設立。 複合機業界の赤裸々なコラムを発信し続け、価格崩壊を招いた張本人。 競合他社から2週間に1回はクレームが入る程の激安正直価格で複合機を全国にリース販売しています。

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