複合機の「廃トナーボックス」とは?替え方や回収の仕方を解説!
業務用複合機を使う上でいずれ必ず交換する必要の出てくるのがトナーカートリッジです。
意外にもトナーの件で「どうしたらいいの?」という声がありますので記事にします。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
廃トナーボックスとは?役割と交換時期について解説!
複合機では、トナーの仕組みによって印刷用紙に印字されたり図が描かれたりします。
また、印刷にインクを使用するタイプとトナーを使用するタイプがあります。
インクタイプでは染料インクか顔料インクのどちらかを使用していて、インクに圧力や熱を加えてプリント用紙に直接吹き付けて印刷を行っています。
トナータイプの方は、トナーと呼ばれる帯電性のあるプラスチックの粒に色粒子を付着させたミクロサイズの粉を使用しており、この粉を静電気を利用して用紙に付けた後、熱によって用紙に定着させることで印刷を行っています。
印刷にトナーを使用する複合機は、その印刷の過程でカスが発生してしまうため、それを回収する廃トナーボックスという部品が搭載されています。
見た目は上図のとおりですが、触った感触としては表面がツルツルしており、少し弾力があって強く押せばへこむ程度の強度があります。
大きさも人間が片手で持てるほどで、子どもでも持てるような軽さが特徴的。ここでは、廃トナーボックスについて解説しています。
『廃トナーボックスとは』
初めて業務用複合機を使用する方は馴染みがないと思いますが、一定期間で交換するものはトナーやドラムの他に「廃トナーボックス」というものがあります。
これは日々、印刷する際に出るトナー粉のカスを貯める容器になります。
過去にはこの容器がなくて複合機にトナーのカスが溜まって不具合が出るということがありましたが、最近の複合機にはどのメーカーも付いています。
また、複合によってはトナーカートリッジと廃トナーボックスが一体となっているものもあります。
容量がいっぱいになったら、複合機の操作パネルでアニメーションで表示がされます。
こちらもトナーと同じく無料で引き取りは可能です。
気を付ける点としては容器を傾けないこと。廃トナーBOXに関しては、月間500枚ぐらいの印刷枚数の少ない企業だったら、次の複合機の入れ替えまでに替える必要もないでしょう。
『トナー粉カスの発生理由』
複合機で印刷を行うと、大小はありますが必ずトナー粉のカスが発生します。
どうして発生するのかといえば、トナータイプの印刷の仕組みが要因のひとつ。トナーを使った印刷では、まず静電気を利用してトナーを用紙に付着させた後に熱で定着させますが、静電気を利用しているため、どうしても熱定着までに用紙から剥がれてしまうものが出てしまいます。
また、用紙に付着・定着できなかったものの以外にも、カートリッジから多めに出てしまったものや、用紙まで辿り着けつけなかったものも出ているのです。
印刷の過程でどれぐらいカスが発生しているのかというと、カートリッジ内にあるトナーの約10%が印刷には使われていません(トナー粉カスとなっている) 。
付着・定着しなかったことでカスとなったトナーは、もう印刷には使用不可能。理由は、複合機内に溜まっているガミや汚れが混ざってしまった可能性があるためです。
もう印刷に使えないのですから、廃棄するしかありません。
そのため、印刷に使えなくなったトナー粉カスは廃トナーとも呼ばれています。
『廃トナーボックスの役割』
廃トナーボックスの役割は、複合機内に溜まるトナーのカスを処理すること。そもそも複合機は、印刷やコピーをするためにトナーが使用されますが、そのトナーを使用することで、どうしてもトナー粉カスが出てしまいます。
トナー粉カスは、もう印刷には使えませんから、カートリッジには戻せません。
しかし、使うたびに出るカスをそのままにしていたら、複合機内にどんどん溜まっていき、内部を汚してしまいます。
カスによって内部が汚れた場合、印刷の際に用紙を汚してしまったら、不具合の原因となる可能性があります。
また、量が多くなると複合機の外に漏れ出してしまうでしょう。
トナー粉末はミクロサイズの粉のため、外に漏れ出た場合、人が吸い込んでしまう危険性があります。
粉末そのものに有害物質は使われていませんが、人によっては大量に吸い込んでしまうとアレルギー反応が出たり、肺の狭い器官にまで入りこんで炎症を起こしてしまうことがあるため注意が必要。そのため、使用することで発生するカスで内部が汚れないように・外部に漏れ出ないようにするための収集場所が必要になります。
その役目を担っているのが廃トナーボックスです。
使用することで発生したカスは廃トナーボックスでトナー粉末が収集され、メーカーによって適切に処理されますが、このことについては後述します。
まずは廃トナーボックスの役割についての詳細を、下記にまとめました。
- 人体への健康被害の抑制
- 環境保護に貢献
- リサイクルによる資源の確保
トナー粉末は、環境や健康に悪影響を与える可能性があるため、適切な処理が必要とされています。
また、廃トナーボックスを使用することで、環境保護にも貢献できるとされています。
さらに廃トナーボックスに収集されたトナー粉末は、環境に悪影響を与えることがあるといわれていますが、適切に処理されることでその影響度を最小限に抑えることができます。
また、リサイクルにおける循環型社会の構築に貢献するともいわれています。
廃トナーボックスに収集されたトナー粉末は、再利用可能な資源として再生産されため、廃トナーボックスを使用することで、廃棄物の最小化や資源循環に繋がります。
このように、複合機の廃トナーボックスはトナー粉末を適切に処理し、環境保護や健康面の観点からも重要な役割を果たしています。
『廃トナーボックスの交換時期』
廃トナーボックスの交換時期は、メーカーが推奨する交換サイクルに従う必要があります。
一般的には、複合機の使用頻度や印刷量に応じて異なります。
例えば、廃トナーボックスの交換サイクルが2万枚の場合、1ヶ月に1,000枚の印刷を行う場合は、20ヶ月ごとに交換する必要があります。
ただし、使用状況によっては、交換時期が前後することがあります。
また、廃トナーボックスの交換時期は、液晶画面に表示される交換メッセージやLEDランプの点灯状態などで確認することが可能。
交換時期が近づいた場合、画面に「交換してください」というメッセージが表示されたり、LEDランプが点滅したりします。
交換時期がきた場合は、メーカーが指定する廃トナーボックスを用いて交換しなければなりませんが、その具体的な内容については後述します。
廃トナーボックスの替え方は?廃棄方法についても解説!
廃トナーボックスは、複合機から交換のサインがみられれば替えなければ使用できません。
複合機のパネルに表示されるため、交換時期の目安としては分かりやすいのですが、実際に替え方や廃棄の方法についてお困りの方もいることでしょう。
ここでは、トナーの替え方や廃棄する手順について解説しています。
『トナーの替え方』
最近の複合機はトラブルや何かしらの交換が必要なときには、操作パネルのモニター上にアニメーションとして指示が表示されます。
しかし、2013年以前のモデルの複合機にはアニメーションがあっても、分かりにくくパネルも見にくいことがありました。
まず替えるには、新しい廃トナーボックスの用意が必要。新しい廃トナーボックスを箱から出したら、複合機のどこかにあるボックスカバーを開けます。
ボックスカバーは、複合機のお腹の辺りにあることが多いですが、機種によって場所が違っているので取扱説明書などで事前に確認しておきましょう。
また、交換を行う時には本機の電源が入っていることを確認し、もし電源が入っていなかったら電源を入れてください。
処理中であったらのなら、絶対に交換を行ってはいけません。
もし、複合機の状態が節電中であったら、節電状態を解除した後に作業を開始しましょう。
開けたらトナーを交換するわけですが、東芝やゼロックス等のメーカーではレバーでトナーをがっちり留めてあるので、レバーを引かなければならずコツがいります。
一見するとすぐに取れる見た目になっていますが、無理やり引っこ抜くと破損しますので注意が必要。少し力を入れて抜けなさそうだったら、周辺にレバーらしきものがないか確認してください。
レバーを引いてロックを外したら、まず古い廃棄トナーボックスを取り出します。
そして袋から取り出した新しい廃トナーボックスをセットするのですが、この時、複合機と接触する部分には触らないように注意してください。
奥まで押し込むとカチッという感触があるので、カチッという感触があったら、カバーを閉めれば交換完了。トナーを新しいのに変えたら、通常通り複合機は使用できます。
『トナーの廃棄の手順』
トナーの廃棄については実際、過去に2件ぐらい経験があります。
そのなかでよく質問される内容が「使用済みのトナーはどうすればよいの?」という問い合わせです。
各複合機メーカーの違いはありますが、結論としてはメーカーが無料で空のトナーを引き取ります。
分からなければ複合機のお腹の辺りにある電話番号に「空のトナーを回収して欲しいのですがどうすればよいでしょうか?」と言えば、オペレーターが指示をしてくれるでしょう。
また、気をつけなければいけないのが、トナー粉は非常に落ちにくく、非常に細かい粉なので床に落としたら掃除が大変です。
あらかじめ新聞紙を敷いておくことをおすすめします。
メーカーによっては、新しい廃トナーボックスが入っている箱のなかに交換方法のシートが入ってるものもあるので、入っている場合には活用することをおすすめします。
また、新しい廃トナーボックスを取り出した袋は捨てず、古い廃トナーボックスを廃棄するのに使えば廃棄の際にトナー粉が床に落ちる心配がなくなります。
それから、トナー粉は引火性がありますので、火気は厳禁です。
有害物質は含まれていないので人体に無害だと言われていますが、大量に吸い込んだ場合、人によっては健康に影響が出る可能性があるので注意しましょう。
交換や廃棄作業時に、廃トナーボックスからカスが本機内部にこぼれてしまった場合、そのままにしていたら印刷結果を汚してしまったり、不具合の原因となる可能性があります。
作業の際にはトナー粉がこぼれないよう注意が必要ですし、こぼれた場合は、きれいにふき取りましょう。
また、廃棄トナーボックスやこぼれ落ちたトナー粉は絶対に再利用しないでください。
もし、体や衣服に付着したときにはすぐに水で洗い流しましょう。
複合機の廃トナーボックスを交換しなかったらどうなる?
複合機の廃トナーボックスが、トナー粉末の廃棄物を収集する役割があることについては前述したとおりです。
しかし、定期的な交換が行われないと、下記のような複合機のさまざまな問題が発生する可能性があるため注意が必要です。
- トナーが漏れ出す
- 印刷の品質低下
- 複合機の故障
トナーが漏れ出す 廃トナーボックスがいっぱいになると、トナーが漏れ出すことがあります。
漏れたトナーは機器内部に付着して、複合機の動作に支障をきたす可能性があるため注意が必要。仮にトナーが漏れた場合には内部清掃が必要になり、複合機全体を修理しなければならないほどの大惨事になる可能性もあります。
また、トナーが機器内部に留まることができなくなるため、印刷時にトナーが不十分になり印刷品質が低下します。
例えば印刷物が汚くなるなど、ビジネス上のトラブルに繋がる可能性もあります。
定期的な交換が必要ですが、トナーが付着したまま複合機の使用を続けると、機器のパーツが劣化する要因となり得るため取り扱いには十分注意しましょう。
このように、定期的な廃トナーボックスの交換が重要であることが分かりまが、その交換時期はメーカーの指示に従うことをおすすめします。
さいごに|複合機の廃トナーボックスは正しく取り扱うことが重要!
今回は、複合機の廃トナーボックスの特徴や交換するタイミング、そして実際に取り換える手順までの一連の流れを紹介してきました。
結果的に、メーカーが無料で回収してくれますが、実際のところ会社側から「回収してください」と言われなければメーカー側も分かっていないケースがあります。
そのため、オフィスに中身が大量に詰まった廃トナーボックスが残ってしまうという事例もよくみられます。
本記事を参考にして、ぜひ正しい方法で廃トナーボックスをお取り扱いください。
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