複合機で受信したFAXを他のFAX番号やメールアドレスに転送する方法とは?
複合機からFAXを転送したいけど、どう設定すればよいのか?また、FAXって本当に転送できるのか知りたいという方は必見です。
複合機には、受信したFAXを他のFAX番号やメールアドレス、サーバーなどに自動で転送する機能が搭載されています。
この機能をうまく活用すれば、業務効率化やペーパーレス化を進められます。
本記事では、複合機に届いたFAXを他のFAX番号やメールアドレスに転送する方法について、メーカー別(リコー・シャープなど)の設定手順含め解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機のFAXは転送できる!
結論からいうと、ほとんどの複合機でFAXの転送は可能です。
対応している機種であれば、受信したFAXを下記のような形式で転送できます。
- FAX宛てに転送(紙でのやり取りを継続したい場合)
- メールに転送(PDF形式などでデジタル保存)
- サーバーに転送(部署内共有・自動保管に便利)
複合機の市場収縮の影響はあるものの、まだまだFAXによる情報のやり取りが依然として残っています。
そしてFAX転送機能は、複合機の操作パネルやWeb設定画面から設定可能。現場では、受信したFAXをそのまま紙で出力して確認するだけでは、業務効率が下がることも懸念されています。
そこで便利なのが、FAXの自動転送機能です。
複合機を使えば、受信したFAXを他のFAX番号やメールアドレス、ファイルサーバーに自動で転送することができます。
この機能を活用すれば、ペーパーレス化や外出先からの資料確認、共有の効率化が可能となります。
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複合機におけるFAX転送の種類とは?目的に応じて使い分けよう!
まずは、下記に複合機で利用できる主なFAX転送の方法をまとめました。
- FAX→FAX転送
- FAX→Email転送
- FAX→サーバー転送
詳しくみていきましょう。
『別のFAX番号に転送する(FAX→FAX転送)』
複合機で受信したFAXを、あらかじめ指定しておいた別のFAX番号にそのまま転送する方法です。
受信したデータは紙に出力されることなく、そのまま他の複合機やFAX機へ送信されるため、手間なくスムーズに情報を届けることができます。
本社で受信したFAXを支社や営業所へリアルタイムで共有したい場合や担当者が部署異動・拠点異動をした際にも、転送設定を変更することで業務を中断せずに引き継げるところはメリットです。
また、複合機で受診したFAXからのFAX転送は、デジタルデータとしての管理が難しい環境や紙ベースの処理が前提となっている業務でも活用しやすく、従来の業務の流れを大きく変えずに導入できるという特徴もあります。
『メールアドレスに転送する(FAX→Email転送)』
複合機で受信したFAX文書をスキャンし、PDFやTIFFといった電子ファイル形式に変換したうえで指定したメールアドレス宛に添付ファイルとして自動送信します。
受信したFAXを紙に出力することなく、デジタルデータとして扱えるところは魅力的。受信者は、自席のパソコンだけでなく外出先のノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末などからもメールを通じてFAXの内容を即時に確認できるため、時間や場所に縛られずに対応が可能です。
営業職や管理職など社外での活動が多い方にとっては、タイムロスを防ぎ、業務効率も上がりやすいでしょう。
また、FAXデータが自動でメール転送されることで紙の保管・仕分けの手間が省け、ペーパーレス化によるオフィススペースの有効活用もできます。
保存されたメールを検索するだけで過去のFAX履歴にアクセスできるため、ファイリング業務の簡略化や情報の迅速な共有にもつながります。
リモートワークや外出先での対応にもおすすめです。
『ファイルサーバーに転送する(FAX→サーバー転送)』
複合機で受信したFAXを指定フォルダへ自動保存する設定です。
部署ごとのサーバーやNASに直接格納することで業務の流れを自動化し、データ管理も効率化できます。
複合機のFAX転送を使うメリットとは?
以前として業務効率や情報伝達を目的に、複合機のFAX転送機能を活用する企業もあります。
なかでも、FAXをメールで受け取れるメール転送機能は、場所にとらわれず印刷代などの経費削減にも繋がるメリットもあります。
ここでは、複合機のFAX転送を導入することで得られるメリットについて、下記のポイントでまとめました。
- 時間や場所に依存しない
- 書類を管理しやすい
- 経費削減できる
- ペーパーレス化を実現しやすい
- 同時転送も可能
それでは、詳しくみていきましょう。
『時間や場所に縛られずFAXを確認できる』
FAXを紙で受け取る場合、オフィスにいなければ内容を確認できません。
しかし、複合機のメール転送機能を使えば、外出先や自宅でもFAXをリアルタイムでチェック可能です。
テレワーク中の社員や出張中の担当者もスムーズに対応でき、業務のタイムロスを減らすことができます。
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『書類管理の手間を削減』
受信したFAXを転送すれば、自動でメールに添付して保存できるため、紙の書類を整理・保管する必要がなくなります。
検索や共有も簡単になり、ファイリングの時間や手間を削減可能です。
FAXをメールで一元管理すれば業務の属人化を防ぎ、情報共有も効率的に行えるようになります。
『導入コストを抑えられる』
クラウド型FAXや専用のFAXサーバーを導入する場合、初期費用や月額利用料がかかることがあります。
一方、既存の複合機にFAX転送機能が搭載されていれば新たな設備投資なしに導入できるため、コスト面でもおすすめです。
設定さえ行えば、低コストでFAX業務をデジタル化できるのが大きな魅力です。
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『ペーパーレス化で運用コストを削減できる』
FAXをすべて紙で出力していると、印刷用紙やトナー代がかさみ、ランニングコストが増えてしまいます。
メール転送機能を使えば、必要なFAXだけを選んで印刷できるため、用紙代・インク代も削減にします。
複合機のFAX転送を活用することで、業務のデジタル化と同時に経費も削減できるのです。
『複数の担当者に同時転送が可能』
部署やプロジェクトによっては、1通のFAXを複数人で共有する必要がある場合もあります。
メール転送を利用すれば、複数の宛先に同時に転送する設定が可能です。
これにより、対応の遅れや情報伝達ミスを防ぎ、チーム内の連携強化にもつながります。
複合機のFAX転送におけるデメリットとは?
複合機のFAX転送機能は業務効率化やペーパーレス推進だけでなく、情報共有にもおすすめですが、導入・運用にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。
ここでは、見逃せない3つのポイントを下記にまとめました。
- 設定が複雑
- セキュリティ対策
- 転送データ容量のひっ迫
詳しくみていきましょう。
『設定が複雑でミスが発生しやすい』
FAX転送を利用するには、複合機側で詳細な設定が必要です。
メール転送の場合はSMTPサーバー情報やポート番号、送信元メールアドレスの認証方式など、ネットワークやメールシステムの知識が求められます。
また、転送先のFAX番号やメールアドレスの入力ミスがあるとFAXが届かなかったり、誤送信してしまう危険性もあったりします。
設定の難易度は機種によって異なり、社内で専門知識が乏しい場合には、設定完了までに時間がかかることがあります。
『セキュリティリスクが高まる可能性』
FAX転送によってデータを外部に送信するということは、情報漏洩のリスクが増えることも意味します。
メール転送では、下記のようなデメリットに注意しなければなりません。
- 転送先メールアドレスの漏洩
- 暗号化されていない通信(SSL/TLS未設定)
- 不正アクセスによるメールアカウントの乗っ取り
これらの問題が発生すると、受信したFAX内容が第3者に流出する恐れがあります。
複合機のFAX転送は便利な反面、セキュリティ設定の徹底が必須です。
『転送データが容量を圧迫する』
FAXデータは通常、画像として処理されるためファイルサイズが大きくなりやすいです。
転送先がメールの場合、下記のような問題が発生することもあるため注意しましょう。
- 添付ファイルが大きくて送信に失敗
- 受信側のメールボックスを圧迫
- クラウドストレージ容量を超えて保存できない
特に、大量のFAXを1日に何件も受信する業種(不動産・医療・士業など)では、システム全体の運用コストやパフォーマンスにも影響を与えるデメリットがあります。
複合機でFAX転送を設定するには?一般的な方法からメーカー別の手順まで解説!
複合機の機種やメーカーによって操作は異なりますが、基本的な手順は下記のとおりです。
- 複合機の操作パネルから設定画面を開く
- 転送先を入力する
- ファイル形式や転送タイミングを選ぶ
- 設定を保存して完了
複合機の操作パネルから「メニュー」「設定」などの項目を選び、「FAX設定」「受信設定」などのメニューに進みます。
転送先として、下記のような情報を入力します。
- FAX番号(FAX宛て転送の場合)
- メールアドレス・SMTPサーバー情報(Email転送の場合)
- サーバーアドレス・共有フォルダのパス(サーバー転送の場合)
また、「常に転送する」「特定の時間だけ転送する」などの条件付き設定が可能な機種もあります。
次に、ファイル形式や通知設定を調整してください。
メール転送を行う場合、PDFやTIFFなどのファイル形式選択や件名・本文テンプレートの設定ができる複合機もあります。
転送完了時の通知メールやログ保存など、管理面の設定も併せて行うと安心です。
設定後は「保存」や「OK」などのボタンを押し、設定が有効になっていることを確認しましょう。
テスト送信をして、正常に転送されるかの動作確認も行っておくと安心です。
それでは、複合機のメーカー別にFAX転送における設定方法を深堀りしてみていきましょう。
『メーカー別|複合機のFAX転送設定方法』
実際にFAX転送機能を設定する際の基本的な手順をメーカー別にまとめました。
ここでは、リコー(RICOH)とシャープ(SHARP)の複合機での設定手順を紹介します。
リコー複合機のFAX受信転送設定の方法
リコーの複合機では、受信転送機能を使ってFAXの自動転送が可能です。
設定手順は、下記のとおりです。
- 「ユーザー設定」メニューを開く
- ファクス設定から「受信転送設定」を選択する
- 転送先の設定で、FAX番号やメールアドレスを入力する
- ファイル形式や転送条件(常時/特定番号のみなど)を指定する
- 設定を保存して機能を有効にする
Web Image Monitorなどのリモート設定ツールを使うと、パソコンからでも設定が可能です。
シャープ複合機のFAX転送設定の方法
シャープ複合機では、FAXの受信時に自動で転送する受信転送機能が使えます。
設定手順を下記にまとめました。
- ホーム画面の「システム設定」をタップする
- ファクス受信設定から「転送設定」を選択する
- 転送方法(FAX番号、メール、FTPなど)を選択する
- 宛先情報を入力して保存する
転送条件やファイル形式を必要に応じて設定してください。
メール転送を使う場合、SMTPサーバー設定が事前に必要です。
『FAX転送を利用する際の注意点』
設定ミスやセキュリティの甘さが原因で情報漏洩を引き起こすリスクもあるため、前述した注意点をしっかり確認したうえで運用を始めましょう。
複合機でFAX転送を使う場合、下記のようなポイントにも注意が必要です。
- 機種別にマニュアルを確認する
- SMTP設定やネットワーク環境を事前に整える
- 暗号化・ログ記録などのセキュリティ対策を徹底する
FAX転送機能を活用し、信頼できるドキュメント管理環境を構築していきましょう。
機種ごとに操作画面が異なる|設定前にマニュアル確認
複合機のFAX転送設定は、同じメーカーであっても機種やファームウェアのバージョンによって画面表示やメニュー名、操作手順が異なることがあります。
転送設定がファクス管理や配信先設定など別名になっている場合もあり、混乱のもとになります。
下記のようなケースでは、製品ごとのマニュアルや公式のサポートページを確認するのが安心です。
- 古い機種でUIが異なる
- 新機能やアップデートによって設定項目が増えている
- 初期設定の項目が異なる
メーカー公式サイトや技術サポート窓口の活用も視野に入れ、スムーズにFAX転送を行える環境を整えましょう。
メール転送にはSMTPサーバー設定が必要|IT部門と連携
FAXをメールへ転送する設定を行う際には、複合機側にSMTPサーバーの情報(アドレス・ポート番号・認証方式など)を正確に登録する必要があります。
このSMTP設定が不完全だったり、社内ネットワーク上で送信ポートが開放されていなかったりすると、FAXのメール転送が機能しないトラブルが発生することがあります。
設定前に確認しておきたい項目を下記にまとめました。
- SMTPサーバーのアドレスとポート(通常は587や465など)
- 認証の有無と方式(PLAIN/LOGIN/OAuthなど)
- 複合機がインターネットに正しく接続されているか
- ファイアウォールやUTMでの送信ポート制限の有無
このような設定には、ITに詳しい方との連携が必須です。
あらかじめシステム環境を確認し、トラブルなく複合機からFAXをメール転送できる状態を整えておきましょう。
セキュリティ対策|暗号化とアクセス制限の設定
FAX転送は利便性が高い一方で、誤送信や情報漏洩のリスクも伴います。
社外へのメール転送や外部サーバーへの保存設定を行う場合は、下記のようなセキュリティ対策もしなければなりません。
- SSL/TLSによる通信の暗号化(SMTP over SSL対応)
- 送信先アドレスのホワイトリスト化(想定外の相手に誤送信を防止)
- 宛先誤り防止機能の設定(ワンクリックで送信しない)
- パスワード付きPDFでの送信(情報漏洩リスクの軽減)
また、複合機には「転送ログの記録」「送信レポートの自動出力」などの機能がある場合もありますので、万一のトラブルにも備えた記録管理体制もあわせて対策しておくと安心です。
さいごに|複合機のFAX転送を活用しよう!
複合機のFAX転送機能は、今や紙のFAXだけに頼らない柔軟な働き方を支える重要な機能です。
- FAXの内容を即時メールで確認
- サーバーに自動保存してチーム共有
- 在宅勤務でもFAX対応が可能に
こうした活用を実現するためには、複合機の設定を正しく行うことが前提です。
メーカーごとのマニュアルやサポート情報も活用しながら、FAX転送機能を自社の業務に役立ててみてください。
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