複合機のフィニッシャーとは?ステープル機能(ホッチキス機能)の種類と選び方
業務用フルオプションA3カラー複合機を月額6,900円でリース・販売している株式会社じむやの堀田です。
今回は、フィニッシャーの機能についての記事になります。
それでは、最後までご覧ください。
目次
複合機のフィニッシャーとは?
フィニッシャーとは業務用複合機から印刷した物を自動でステープル(ホチキス)してくれるオプションの事です。
冊子を大量に印刷する企業なんかは、印刷後に自力でホチキスで留める作業が発生しますので、一度に50冊ぐらい印刷するのであれば導入した方が費用対効果は高いと思います。
複合機におけるフィニッシャーの種類
種類 | インナー型 | サドル型 (中綴じ無し) |
サドル型 (中綴じ有り) |
---|---|---|---|
画像 | |||
機能 |
|
|
|
定価 | 15万前後 | 25万前後 | 50万前後 |
実売価格の相場 | 定価の60%前後 | 定価の70%前後 | 定価の70%前後 |
フィニッシャーには
- インナーフィニッシャー(小型の内蔵タイプ)
- サドルフィニッシャー中綴じ無し(大型の外付けタイプ)
- サドルフィニッシャー中綴じ有り(大型の外付けタイプ)
の3種類があります。
インナーフィニッシャーは名前の通り、複合機の排出口に装着するフィニッシャーで場所を取らないというメリットが存在しますが、基本的なステープル機能しかないのが特徴です。
サドルフィニッシャーには大きく分けて2種類あり、「中綴じ」の有無によって20万以上価格が上昇します。
また、複合機の真横に設置をする為、複合機をもう1台分置けるようなスペース(140㎝程)が必須となります。
複合機でフィニッシャーを使える機能
機能1 | ステープル機能(ホチキス留め) |
機能2 | 針なしステープル機能 |
機能3 | 製本・小冊子機能(中綴じ) |
機能4 | 折り機能(中折・三つ折り) |
機能5 | パンチ機能 ※追加オプション |
機能6 | ソート機能 |
機能7 | ジョブ終了通知機能 |
どのメーカーも上記の様な機能が使えます。
また、パンチ機能も、さらに別途オプションとなっております。
逆に一つメーカーが出来て、他のメーカーにない機能というのがフィニッシャーにありません。
ゼロックスの場合はフィニッシャーに付けるオプションが細かく分かれているぐらいの違いですね。
以下それぞれの機能の説明です。
『ステープル機能(ホチキス留め)』
「フィニッシャー機能=ホチキス機能」と思っている方も多いのではないでしょうか?
まさしくご想像の通りで、ソート機能によって排出された用紙をステープル(ホチキス)で留める機能となります。
このステープル機能が活躍する場面としては、社内資料を大量に出すときに一部ずつホチキスをする手間がなくなるという事です。
どのタイプのフィニッシャーを選んでも、もちろん使える機能です。
主に用紙の端の箇所にホチキスで留める事をコーナーステープルと呼びますが、「斜め留め」「平行留め」「2点平行留め」が可能です。
ホチキス針の価格はどのメーカーも「5,000針×3セット」で4,800円ぐらいですが、中綴じ用のホチキスは2倍ぐらいの費用がかかります。
『針なしステープル機能』
フィニッシャーで面白い機能と言えば、針なしステープルという機能です。
これはホチキスの芯が無くても紙をくっつけられるという機能です。
どうやって留めるのかというと、用紙の端を細かくギザギザに切り、そこを折って留めています。
どのメーカーでもフィニッシャーを付けたら標準で付いてくる機能なんですが、案外知らない人も多いです。
ただ「ステープルなしでも十分!」という認識で書いてますが、割と性能に疑問が残る機能ではあります。
何社かメーカーの研修所でこの機能を見ましたが、どのメーカーも一枚0.5円のコピー用紙で3枚までが限度で、一枚だけを持ってゆらゆさせると剥がれてきます。
メーカーの担当も「話が違うじゃん!」と爆笑してましたね。
もともと環境対策で考案され、ステープルがない時の緊急時に役立つという事で、そこまでの実用性がないのは、メーカーの共通の認識らしいですね。
研修所に置いてある紙は大抵色写り見本用なので、しっかりした紙を使っている事も原因ですが、私も面白いだけで実用的ではないと思いますね。
ちなみに公式では5枚までいけるとアナウンスしています。
『製本機能(中綴じ)』
出典:株式会社イシダ印刷
この機能は製本(小冊子)にした印刷物の真ん中にステープルをする機能です。
一番グレードの高い「サドルフィニッシャー中綴じ有り」にしか装備されておりません。
自分たちの手でホチキスを行う場合だと、どうしても端でしか留められないですが、中綴じ機能があれば綺麗に真ん中に芯が留まるので、見栄えと作業効率が非常に良くなります。
「リーフレット」「パンフレット」等で中綴じ機能を使う事が多いですね。
『折り機能(中折・三つ折り)』
出典:吉田印刷所
この折り機能が使えるのであれば、基本的に中綴じも使えます。
ただ、中綴じ機能と同様に一番グレードの高いフィニッシャーにしか付いておりません。
中折はコピー用紙の真ん中から均等に2つに折って排出する機能で、2つ折りとも呼ばれております。
この中折りと中綴じをセットに印刷する事が一般的です。
「DM」「チラシ」「リーフレット」「パンフレット」等で中折りをします。
三つ折りは、用紙を3等分して折る機能で請求書等に適しており、長形3号サイズの封筒にピッタリと入れる事が出来ます。
請求作業の多い企業に喜ばれる機能です。
『パンチ機能(※追加オプション)』
フィニッシャーにはパンチ穴を空ける機能もオプションがあれば付ける事が出来ます。
縦や横にパンチ穴を空ける事が出来ます。
過去1000台ぐらい複合機を売ってきましたが、フィニッシャーを付けられる方は50台に1台、パンチ穴のオプションを付けられる方は今だ見たことがないぐらい超レアなオプションです。
『ソート機能』
印刷した用紙を1部ずつ揃った状態で印刷してくれるのがソート機能です。
例えば1~3のページで1部となる資料を印刷したい場合、ソート機能を使うことで「123、123…」と1部ずつ印刷してくれます。
排紙方法は2パターンあります。
- 回転ソート: 1部印刷するごとに用紙の角度を90度変えて排紙します。
- シフトソート:1部印刷するごとに用紙の位置を左右に少しずらします。
枚数を数えながら一部ごとに分ける手間がなくなり、資料作成や小冊子作成などの業務効率は格段に向上します。
『ジョブ終了通知機能』
フィニッシャーだけに限った機能ではありませんが、大量印刷をすることを前提に考えているフィニッシャーを使用した際に、便利に使える機能がジョブ終了通知機能です。
この機能は作業の完了をメールで通知してくれる機能です。待ち時間を有効活用したいというようなケースで活用されています。
複合機のジョブ終了通知機能を設定する方法は、機種によって異なりますが、一般的には以下のような手順で設定できます。
- 管理者モードにログインする
- ホーム画面の設定を選択する
- システム設定から「ジョブ終了時のメール通知設定」を選択する
メール通知の設定を行えば、完了です。
フィニッシャー付き複合機を導入するにはどうしたらよいの?
フィニッシャーは、前述したとおりオプションとして取り付けることができ、大まかに分けるとインナーフィニッシャーとサドルフィニッシャーがあります。
インナーフィニッシャーは複合機内部に装着しますので、印刷枚数が少ない場合やスペースが限られている場合に適しています。
サドルフィニッシャーは印刷枚数が多い場合や製本機能が必要な場合などに選択するとよいでしょう。
導入方法は新品購入・中古購入・追加購入の3パターンがあります。それぞれ解説していきます。
『新品購入』
新品の複合機を購入する際に、オプションとして選択できます。仕様を自由に選択できるため、作業内容に合わせて導入が可能です。
検討時点で販売業者と相談することができ、オフィスに必要な機能を熟考することができるのがメリットとも言えます。
『中古購入』
比較的安価で複合機を購入する方法です。中古でフィニッシャーを装着したモデルを選ぶことで、導入コストを抑えながらフィニッシャーを利用できます。
中古市場に左右されますので、オフィススペースに合った製品をすぐに購入できない可能性がありますし、新品同様の機能は見込めません。
『追加購入』
既存の複合機に後付けで装着する方法です。使用している複合機がフィニッシャーに対応していない場合もありますので、事前の確認が必須となります。
追加購入については販売業者と相談のうえ検討するのがおすすめです。
複合機にフィニッシャーを導入するメリット・デメリット
フィニッシャーは面倒な事務作業を引き受けてくれる便利なオプションですが、導入前にはコストやスペースの観点から検討していくことが重要です。
ヒューマンエラーがなくなると考えれば、総合的にみてよい評価が上回るのではないでしょうか。
以下では、フィニッシャーのメリットとデメリットを紹介していきます。
『フィニッシャーのメリット』
フィニッシャーは、印刷した用紙を後加工してくれる出力オプションです。
下記のようなメリットが挙げられます。
- 作業効率が向上する
- 外注する必要がなくなる
- 資料の仕上がりがよくなる
ホチキス止めや中綴じなどの作業を自動で行うため、手作業の時間と労力を削減できます。
資料作成や仕分け作業が多いオフィスでは特に効果的。その他、外注コストの削減、仕上がりのよさなど、フィニッシャーを利用することで資料作成に関する問題点を解決してくれます。
『フィニッシャーのデメリット』
一方で、フィニッシャーのデメリットは、下記のとおりです。
- オプションとしてのコストがかかる
- 広い設置スペースが必要
- 管理の手間が増える
フィニッシャーはオプションで追加するため、導入時にはもちろんコストがかかります。
特にサドルフィニッシャーは高額。複合機本体の横に取り付けるためにも、十分な設置スペースが必要となります。
使用頻度によっては、ホチキス針の詰まりや用紙詰まりのリスクが高まるでしょう。
定期的な掃除やメンテナンスをする必要があるので、管理項目が増えるのもデメリットです。
さいごに|複合機にフィニッシャーを装着して作業効率を上げよう!
今回は、複合機のオプションであるフィニッシャーについて解説してきました。
メリット・デメリットはそれぞれありますので、導入前にしっかりと考える必要はありますが、人の手で作業しているものがなくなるのは大きなメリットです。
フィニッシャーを導入して、作業効率や作業の質をあげてみてはいかがでしょうか。
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