複合機とプリンターの違いとは?プリンターでもコピーやFAXは使える?
会社に印刷機器を導入する際に迷うのが複合機やプリンターなど、どれを導入するのが最適なのかということです。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので会社の使用頻度や目的に合ったものを選ぶ必要があります。
そもそも複合機とプリンターの違いは何なのか、導入費用、どんな職場に向いているのか詳しく解説していきます。
印刷機器の導入を検討している方は是非参考にしてみてください。
目次
複合機とプリンターの違いは?
プリンターとは、印刷(プリントアウト)する機械で、パソコンに接続して作成したプレゼン資料や文書などを転送し、用紙に印刷できます。
複合機とは、プリンターの機能に加えて、FAXやスキャンなど様々な使い方ができる事務機器です。
プリンターとコピー機は一緒に考えられがちですが、一般的にプリンターはコピーなどスキャンしたデータを複写したりすることはできません。
どちらにもメリット・デメリットがあり、使用目的によって使い分けることで事務作業の作業効率向上や経費削減を行うことが可能です。
複合機の特徴
次に複合機の特徴を解説していきます。
『印刷サイズが豊富』
一般的な家庭用プリンターで印刷できるサイズはA4、A5、B5サイズとなります。
複合機の場合はそれに加えてA3、A5、B5サイズと多いです。
そのため、会議資料や証明書だけではなく、パンフレットやレストランのメニューなどを作る場合にも便利です。
『パソコンやスマホとの連動が可能』
最近ではオフィスワークのほとんどがパソコンで行われており複合機との連動は必須となりつつあります。
様々な連動機能が備わったことで仕事を効率良く進めることが可能です。
●クラウド上からデータを直接印刷できる
クラウドを連携させることでパソコンも介さずに直接データを選び印刷ができます。
チームで資料などを作る場合は完成したデータをクラウド上にアップロードすることで、誰でも簡単にデータが共有できてすぐに印刷することが可能です。
●スキャンしたデータをクラウド上に直接保存できる
複合機の特徴でもあるスキャン機能ですが、スキャンしたデータはそのまま直接クラウド上に保存が可能です。
仮に取引先がクラウド上のデータを持っていなかった場合でも、すぐにスキャンを行い全社員でデータの共有が可能となります。
クラウド上に上がったデータは携帯からでも見ることが可能なので、出先でも問題ありません。
良く使用されるクラウドサービスとしては『Google Drive』や「One Drive」があります。
『オフィススペースを抑えられる』
プリンターやコピー機などそれぞれ一つの機能しかない機器をそろえていてはそれなりの場所が必要となり仕事の効率も悪くなります。
複合機はその名の通り、FAXやコピー、スキャン等全ての機能が備わっているので場所が抑えられます。
それだけではなく、仕分け機能やステープル機能(ホチキス機能)が備わっている場合は印刷後の作業効率やスペースも必要ありません。
印刷した後にそのまま資料をホチキスで止めてくれるからです。
わざわざ印刷した後にページごとに振り分けてホッチキスで止めるといったスペースも時間も不要となります。
このような機能はオプションで取り付けが可能です。
『トラブルや故障時に対応してもらえる』
プリンターや複合機はほぼ毎日使用するので次第に消耗して部品の交換などが必要になります。
場合によっては故障などのトラブルが起きる可能性もゼロではありません。
複合機で保守契約をすると故障の際に専門のスタッフが駆けつけてくれたり、トナーの交換等が無料になります。
※保守契約の内容によります。
プリンターの場合はメーカー保証などはついていますが、すぐに駆けつけたりといった保証までは付いておりません。
『操作が簡単』
最近の複合機はどのメーカーでも操作部分がタッチパネルとなっておりその内容もシンプルでわかりやすくなっています。
一つの画面でコピーやスキャン、FAX、設定など全ての作業が完結するので便利でもあります。
『オプション機能が便利』
複合機には様々なオプション機能が備わっており、作業効率を更に上げることが可能です。
●フィニッシャー
印刷された用紙を部数ごとにまとめてくれます。
わざわざページを並べ替えたりする必要がなくなります。
またこれに加えて上記で説明したホチキス留めやパンチで穴あけ処理してくれる機能も取り付けることが可能です。
●ジョブセパレーター
複合機は様々な機能がそなわっているので人数が多い部署で使用すると、印刷物の量が膨大になります。
ジョブセパレーターをつけることでFAXとコピー、プリントで排出口を分けることが可能です。
●ペーパーフィーダー(給紙カセット)
ペーパーフィーダーとは給紙カセットの事です。
基本は4段カセットとなりますが、給紙機能は2段のみ+2段分の高さの置台という形も可能です。
毎日大量に印刷する場合、給紙作業も手間です。
ペーパーフィーダーと利用すると大量にストックできるようになり、印刷の途中で用紙切れといった心配も軽減できます。
この他にもソフトのオプション等様々なものが利用可能です。
その職場にあった複合機にすることができます。
プリンターの特徴
次にプリンターの特徴を見ていきましょう。
『本体自体が小さく持ち運べる』
プリンターの種類にもよりますが、複合機に比べてかなりコンパクトで軽量です。
出張先で数日間の作業がある場合や、ちょっとした出先での作業でも持ち運ぶことができます。
『消費電力や待機電力が少ない』
様々な機能が搭載されている複合機の場合、消費電力はもちろん待機電力もそれなりに掛かります。
使用頻度によって大きく変わりますが、月々では古いもので8,000円前後、最新のものでも4,000円~くらいはかかります。
プリンターの場合、機械自体が小さく使用頻度にもよりますが月に数百円程度で抑えられます。
あまり使用しない場合はプリンターの方が経費削減できます。
『導入費用が抑えられる』
複合機を購入する場合、中古で安くても100,000円くらいはかかります。
それなりの機能を備わっていて現行のものを購入するとなると相場料金で導入しても600,000円ぐらいかかります。
プリンターの場合、安い家庭用のものであれば、数万円でそれなりの性能が備わったものが購入可能です。
サイズが小さい場合は配送料や設置費用なども削減することが可能です。
複合機を導入する場合の費用
次は実際に導入するとなった場合の費用について見ていきましょう。
『中古購入の場合』
複合機を導入する場合、中古のものを購入する方法があります。
どれくらいの価格相場で、どのような性能が期待できるのか見ていきましょう。
【50,000~100,000円の中古複合機】
モノクロであればほとんど使い勝手に問題なく使用可能です。
モノクロで購入する場合、一番人気の価格帯といっていいでしょう。
カラーで使用する場合、性能は超旧型のコピー機程度となります。
【100,000~200,000円の中古複合機】
モノクロでは現行か最新モデルなみで耐久性や機能も備わっています。
カラーで使用する場合、最も人気の価格帯で、基本機能などはほぼ備わっています。
【200,000~300,000円の中古複合機】
ほとんど現行や最新モデルと変わらず、上記で説明したパソコンやスマホとの連携機能や最新オプションなどが選べます。
一概には言えませんが、耐久性もかなり高いと判断してもいいでしょう。
中古複合機の場合、保守契約は任意となります。
契約した場合のカウンター料金はモノクロ単価で約2~3.5円。
カラー料金で18~23円ほどになります。
『新品のリースや購入の場合』
新品の複合機をリースで導入する場合は月々のリース料金と保守契約(カウンター)料金が掛かります。
カウンター料金は印刷1枚に対する料金なので、使用頻度によって大きく変わります。
月々のリース料金に関しては、コピー機の値段によって変わります。
スペック | リース料金 | 現金購入価格 |
安いタイプ 【印刷速度は15~20枚/分】 |
月々9,600円前後/6年 | 60万円前後 |
普通タイプ 【印刷速度は25~30枚/分】 |
月々11,200円前後~12,800円前後/6年 | 70万円前後~80万円前後 |
高いタイプ 【印刷速度は40~45枚/分】 |
月々14,400円~/6年 | 90万円前後~ |
プリンターを導入する場合の費用
次にプリンターを導入する場合の費用について見ていきましょう。
『家庭用プリンターの場合』
月の印刷枚数が百枚程度で一度に大量印刷することがない場合は、家庭用のプリンターでも十分と言っていいでしょう。
性能にもよりますが、数万円程度で新品が購入できます。
ランニングコストとして電気代、用紙代、インク代が必要となります。
使用頻度によって変わります。
最近では定額制で印刷し放題のプランを出している会社もあります。
毎月のレンタル料金やインク代、印刷枚数に上限なしで15,000円前後で使用が可能です。
『業務用プリンターの場合』
月の印刷枚数が300枚を超える場合や一度に大量に印刷する場合は業務用がおすすめです。
印刷性能にもよりますが、300,000円前後で新品を購入することが可能です。
家電よりも少しだけ性能の良いプリンターだと、100,000円前後で購入が出来ます。
ランニングコストに関しては、家庭用プリンターと同じものが掛かります。
プリンターの種類
プリンターには印刷方法によって3種類にわけることができます。
それぞれの特徴などを見ていきましょう。
『レーザープリンター』
プリンターの中でも会社などで使われることが多いタイプです。
複合機の印刷方法と同じで、読み取ったデータをレーザー光線でトナーにあてて静電気で紙に定着させて印刷します。
詳しくは「レーザープリンターの仕組み【トナーや感光体ドラムとは?】」をご覧ください。
高速印刷に向いており、1つのトナーでの印刷可能枚数がインクジェットに比べ25倍ほどとかなり多いです。
本体価格は高めに設定してありますが、その分一枚当たりの印刷コストは低いです。
本体の大きさは大きいものが多いので手軽に持ち運べるものではありません。
『インクジェットプリンター』
家庭用で使われるものに多く粒子化したインクを用紙に直接噴きつけて印刷します。
高速印刷や大量印刷にはあまり向いていないのですが、解像度が高く写真印刷などに向いています。
消費電力が比較的少なめということも特徴です。
高解像度な分印刷スピードは遅く、インク交換や給紙の回数が多いというデメリットがあります。
『ドットインパクトプリンター』
ドットインパクトプリンターは、ドットプリンターとも呼ばれ、一般的な資料の印刷などでは使用できないのですが、複写式伝票の印刷や重ね印刷に使われるプリンターです。
複合機やプリンターの接続の方法
複合機やプリンターで印刷する場合の接続方法について解説していきます。
『LAN接続』
無線と有線があるのですが、プリンターや、複合機でよく使われる接続方法です。
最初に設定さえしてしまえば、すぐに印刷が可能となります。
会社で使用する場合は問題ないのですが、出張先などネット環境が整っていない場合は印刷自体ができなかったり、容量が大きいと遅くなることがあります。
『USB接続』
直接USBケーブルでパソコンと印刷機を接続する方法です。
場合によってソフトをダウンロードしたりする必要はありますが、操作方法は比較的簡単です。
家庭用で1万円前後の安いプリンターにはUSB接続しか出来ないものも多いので注意しましょう。
ネット環境に左右されないので出張先や出先での接続方法として有効です。
複数台のパソコンからの操作ができないのと、印刷機器の近くでしかパソコン操作ができないのがデメリットとなります。
まとめ
●複合機は高いが、プリンター機能の他に「コピー・FAX・スキャン」など複数の機能が備わっている
●複合機の特徴として印刷サイズが豊富であったりパソコンや携帯との連動、オプションが豊富
●プリンターには、「レーザー」「インクジェット」「ドットインパクト」の3種類がある
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