複合機からメール送信できないときの対処法は?仕組みや設定の確認方法も解説!
近年の業務用複合機は、単なるコピーや印刷だけでなくスキャンデータをそのままメールで送信できるなど、多機能化が進んでいます。
複合機から直接メール送信できる機能は、FAXや紙のやり取りを減らし、業務効率化やテレワーク対応にも活用できます。
しかし、実際に複合機のメール送信機能を導入しようとすると、どのような仕組みで動作しているのか?どんな設定が必要なのか?、送信できない場合の対処法は?などの疑問を持つ企業担当者の方もいるのではでしょうか。
本記事では、複合機からメール送信できる仕組みや設定方法、具体的な活用場面、送信ができないときの対処法など解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機からメール送信できる!
複合機には、スキャンした書類や受信FAXを直接メールで送信できる機能が搭載されており、社内オフィス業務での作業効率化しやすくなっています。
従来は、書類をスキャンして一旦パソコンに取り込み、メールソフトで送信する手間が必要でしたが、複合機から直接送信できれば作業時間も短縮できます。
まずは、複合機からメール送信する仕組みから詳しくみていきましょう。
『複合機からメール送信できる仕組み』
複合機からメール送信できるのは、複合機がメールソフトと似た役割を担っているためです。
通常、パソコンからメールを送るときには、OutlookやGmailなどのメールソフトがSMTPサーバーと通信して送信します。
同じように、複合機も内部でSMTPプロトコルを利用し、サーバーを経由して宛先にメールを届けています。
この仕組みを、下記の流れからもう少し具体的にみていきましょう。
- 複合機が原稿をスキャン
- 複合機がメール本文を生成
- SMTPサーバーを介して送信
- 宛先の受信者にメールが届く
紙の文書や受信FAXをデータ化(PDFやJPEG形式など)します。
件名・本文・添付ファイルをまとめ、通常のメールと同じ形式に整えます。
あらかじめ登録した送信元アドレスを使い、外部のメールサーバー(自社のメールサーバー、またはGmail・Microsoft 365 など)に接続します。
最終的に、受信者はパソコンやスマホのメールソフトでスキャンデータを受け取れる仕組みです。
つまり考え方として、複合機はコピー機でありながら簡易的なメールクライアントとしても機能しているということ。近年の機種ではセキュリティ強化のため、SMTP認証やSSL/TLS暗号化通信に対応しており、安全に送信できるところも特徴といえます。
『複合機からメール送信するための設定』
複合機でメールを送信するには、最初にネットワーク環境とメール送信に必要な情報を設定する必要があります。
ここでつまずく企業担当者も多いので、順を追って解説します。
ネットワークの基本設定
複合機をインターネットや社内ネットワークに接続するため、下記の情報を入力します。
- IPアドレス(複合機に割り当てる固定アドレス)
- サブネットマスク(ネットワーク範囲を定義する情報)
- ゲートウェイ(部ネットワークへ通信するための出入口)
これらを正しく設定しなければ、複合機は外部のメールサーバーに接続できません。
SMTPサーバーの情報登録
メール送信の中心となる設定です。
必要な情報は、下記のとおりです。
- SMTPサーバー名またはIPアドレス
- ポート番号
- 送信元メールアドレス
- 認証方式
- 暗号化通信の有無
ポート番号は25、465、587など利用環境に応じて指定し、メールアドレスも複合機専用のアドレスが望ましいです。
また、LOGINやPLAINなどサーバー側と一致させる必要もあり、SSL/TLS を利用することで安全性を確保できます。
SMTP認証情報の入力
メールサーバーでは、不正送信を防ぐために認証情報(ユーザー名とパスワード)が必要です。
ここで入力した情報が正しくなければ、送信エラーが発生します。
GmailやMicrosoft 365の場合は、アプリパスワードの発行が必要になるケースがあります。
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送信テスト
すべて設定したら、実際にテスト送信を行います。
成功すれば送信完了と表示され、受信側で添付ファイル付きメールを確認できます。
失敗する場合は、ネットワーク設定・SMTP設定・セキュリティ設定のいずれかに不備があると考えられます。
複合機のメール送信機能はとても便利ですが、初期設定で送信できないと悩むケースも少なくありません。
『複合機からメール送信する際につまずきやすいポイント』
ここでは、複合機のメール送信にあたり、つまずきやすいポイントをまとめました。
GmailやMicrosoft 365での送信ができない
企業で利用されているGmailやMicrosoft 365は、セキュリティが強化されているため、従来の単純なIDとパスワードだけでは送信できないことがあります。
対処法としては、アプリパスワードを発行し、複合機に登録することで解決できます。
Gmailの場合
Googleアカウントの2段階認証を有効にしていると、通常のパスワードでは認証できません。
代わりにアプリパスワードを発行し、それを複合機に設定する必要があります。
Microsoft 365の場合
多要素認証を有効化している場合、こちらも専用のアプリパスワードを利用しなければなりません。
ポート番号の設定が合っていない
SMTPサーバーは環境によって、下記のように利用するポート番号が異なります。
- 一般的なSMTP(非暗号化)(25番ポート)
- SSL/TLSを利用する場合(465番ポート)
- STARTTLSを利用する場合(587番ポート)
複合機側とサーバー側の設定が一致していなければ、認証エラーや接続エラーが発生します。
対処法として、利用しているメールサーバーの公式ドキュメントを確認し、ポート番号と暗号化方式を合わせることが重要です。
ファイアウォールやセキュリティソフトでブロックされる
社内ネットワークで運用している場合、ファイアウォールがSMTP通信を制限していることがあります。
外部サーバー(Gmailなど)に接続しようとする場合、通信が遮断されるケースもあるためつまずきやすいです。
対処法として、ネットワークの管理者に依頼し、利用するSMTPサーバーのドメインやポート番号を許可リストに追加してもらう必要があります。
送信元メールアドレスが未登録
複合機のSMTP設定には、送信元アドレスの登録を事前にしておかなければなりません。
この設定が空欄だったり、存在しないメールアドレスを設定していると、サーバー側で拒否されてしまいます。
対処法として、複合機専用の送信元アドレスを用意して登録しておきます。
管理上も、どの複合機から送信されたかが分かりやすくなります。
容量制限に引っかかる
複合機から送信する際、スキャンデータが大きすぎるとサーバーが受け付けない場合があります。
メールサーバーは1通あたり20~25MB程度が上限です。
対処法として、複合機のスキャン設定でPDFを圧縮したりモノクロにしたり、解像度を下げるなどの調整が必要です。
どんな用途で複合機からメール送信する?2つのケースで紹介!
複合機のメール送信機能は、通常のオフィス業務において紙のやり取りを減らし、インターネットを介してスムーズな情報共有を可能にします。
具体的には、以下の2つのケースで活用されることが多く、従来のFAX業務やスキャン作業を効率化できます。
- FAX業務のデジタル化
- スキャン書類の即時共有
オフィスの業務効率化を進めたい企業にとって、導入するメリットもあるでしょう。
『FAXからメールに自動転送』
従来のFAXは、紙に印刷された状態で受信するのが一般的でしたが、複合機のメール転送機能を利用すれば受信したFAXをPDFデータなどに変換し、指定したメールアドレスへ自動で送信することができます。
この仕組みによって、紙を出力する必要がなくなり、デジタル上でやり取りできたり印刷コストの削減につながったりします。
また、FAXを受信した担当者がオフィスに不在でも、外出先や在宅勤務中にすぐに内容を確認できるため、業務中の確認業務も素早くできます。
支店や営業所を複数持つ企業では、本社に届いたFAXを自動でメール転送することで、各拠点で迅速に共有できるところはメリットです。
『スキャンデータをメール送信』
紙の書類や契約書、請求書などをスキャンし、そのままメールで送信する機能がある機種もあります。
スキャンしたデータはPDFやJPEGといった形式に変換され、複合機の操作パネルから宛先を選んで送信するだけで、すぐに相手に届けられます。
この機能を活用すれば、紙文書をデジタル化して保存・共有できるため、ファイリング作業の手間を削減し社内の情報管理を効率化できます。
取引先や社内メンバーにも即時に資料を送れるため、郵送や手渡しのタイムロスを解消できます。
セキュリティ面でも、暗号化PDFなどを活用すれば、重要な情報を安全に送信することもできるようになります。
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複合機からメール送信する方法は?5つの手順で解説!
複合機のメール送信機能は便利ですが、初めて操作する場合にはどの順番で進めればよいのか分からないと戸惑う方もいることでしょう。
ここでは、一般的な業務用複合機でのメール送信手順を、下記の5つの手順でまとめました。
- スキャン
- 宛先指定
- 件名・本文入力
- ファイル設定
- 送信
慣れてしまえば数分で操作でき、紙文書のやり取りを効率化できる便利な機能です。
それでは、手順ごとに詳しくみていきましょう。
『手順①|データをスキャンする』
まず、複合機に送信したい書類をセットし、スキャンを行います。
原稿は自動原稿送り装置(ADF)を利用すれば複数ページをまとめて読み込めるため、大量の書類でも効率的に処理できます。
スキャン時には、解像度や両面読み取りなどを設定できるため、送信先の用途に応じて最適化しておきましょう。
『手順②|宛先を選択する』
スキャンしたデータを送信する宛先(メールアドレス)を指定します。
複合機にはアドレス帳機能が搭載されていることもあり、事前に社内や取引先のメールアドレスを登録しておけば、毎回入力する手間を省けます。
誤送信を防ぐためにも、アドレス帳の管理は定期的に見直すことが重要です。
『手順③|件名を入力する』
メールの件名を入力します。
業務での利用を考えると、相手が内容を一目で判断できるよう「案件名+日付」「部門名+資料名」など具体的な件名をつけることをおすすめします。
件名をきちんと設定しておくと相手先のメール管理もスムーズになり、確認漏れを防げます。
『手順④|本文を入力する』
必要に応じてメール本文を入力します。
短い文章でも「資料をお送りします」「FAX転送分をご確認ください」などの補足を記載することで、送信先に安心感を与えられます。
本文の入力を省略できる機種もありますが、業務用の文書としての信頼性を考えると、最低限のメッセージを添えることをおすすめします。
『手順⑤|ファイル形式などの設定後に送信する』
スキャンデータのファイル形式(PDF、JPEG、TIFFなど)を選択し、必要があればパスワード設定や圧縮処理を行います。
設定が完了したら「送信」ボタンを押すだけで、複合機から直接相手にメールが届きます。
送信完了通知やエラー通知を受け取れるようにしておくと、確実に送信できたかを確認できます。
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複合機からメール送信できないときの対処法は?3つのポイントで解説!
複合機からメール送信を行おうとした際に、送信エラーになってしまったり宛先に届かなかったりなどのトラブルが発生することもあります。
こうした不具合は機械の故障ではなく、設定や運用上の問題で起きるケースが多いため、冷静に原因に対して対処しなければなりません。
それぞれの対処法について、詳しくみていきましょう。
『メール送信の容量制限を超えていないか確認する』
メールには添付ファイルのサイズ制限があり、一般的に10〜25MB程度を超えると送信できなくなることがあります。
カラーで高解像度スキャンを行った場合、数十ページで数百MBになるケースも珍しくありません。
そのため、まずは送信しようとしているファイルのサイズを確認し、容量が大きすぎる場合は下記のような対策を取りましょう。
- 解像度を下げてスキャンし直す
- 両面をモノクロで読み取る
- PDFを分割して送信する
- ZIP形式で圧縮する
これにより、ある程度の送信エラーは解決できます。
『セキュリティソフトの設定を確認する』
メール送信エラーの原因として見落としがちなのが、セキュリティソフト設定における制御です。
社内ネットワークで導入されているセキュリティ製品が、複合機のSMTP通信をブロックしてしまう場合があります。
この場合、複合機側の設定をいくら変更しても送信はできません。
複合機のIPアドレスや送信先サーバーがセキュリティソフトの許可リストに登録されているか確認しておきましょう。
『Gmailアカウントの場合はアドレスを変更する』
業務効率化のためにGmailを送信サーバーとして設定している企業もありますが、Gmailはセキュリティ規制が厳しく、複合機からの送信が拒否されるケースもあります。
安全性の低いアプリからのアクセス制限や2段階認証の設定によって、送信できなくなることがあります。
対処法としては、下記の方法がおすすめです。
- 複合機専用にGoogle Workspaceのアカウントを作成する
- 2段階認証を有効にしたうえでアプリパスワードを発行して設定する
- Gmail以外のSMTPサーバー(プロバイダや社内メールサーバー)を利用する
Gmailを利用する場合は、運用において送信先の安定性を考慮するところは注意しなければなりません。
さいごに|複合機からメール送信できる!
複合機は、業務効率を高めるためのオフィス機器して活用できます。
その代表的な機能のひとつに、メール送信機能があります。
FAXを自動的にメールへ転送したり、スキャンデータをそのまま宛先へ送信したりできるため、業務効率化が進めやすくなります。
ただし、導入から運用にあたり初期設定やセキュリティ設定に注意しなければなりません。
本記事でもまとめたように、SMTPサーバーの認証方式やファイルサイズの制限、Gmailなど外部メールサービスの制約などは、担当者がつまずきやすいポイント。これらを理解しておけば、突然メールできないというトラブルにも対応できるようになるでしょう。
複合機のメール送信機能を正しく活用することで、紙に依存しない運用も可能です。
この機会にぜひ、自社に合ったかたちで複合機のメール送信機能を活用してみてください。
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