複合機で手差し印刷するときの向きは?設定方法など徹底解説!
オフィスや自宅で複合機を使っていると、「手差し印刷」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
手差し印刷は、普段は使わないけれどいざという時に便利な機能です。
ですが、「用紙の向きがわからない」「設定方法が複雑そう」と感じている方も多いはずです。
実は、手差し印刷は思ったより簡単にできます。 正しい知識さえあれば、誰でも使いこなせる便利な機能なんです。
本記事では、複合機の手差し印刷について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
用紙の向きや設定方法はもちろん、さまざまな用紙での印刷テクニックまでふれています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
手差し印刷って何?複合機の便利な機能を知ろう!
手差し印刷とは、複合機の側面や前面にある給紙トレイを使用して印刷する方法です。
通常の給紙カセットでは対応できない特殊な用紙や少量の印刷におすすめです。
特殊な用紙を通常の給紙カセットで使用すると紙詰まりの原因になりますが、手差しトレイを使用することでこのリスクを軽減できます。
特殊な用紙とは、主に下記のようなものを指します。
- 厚紙
- 薄紙
- 封筒
- はがき
- OHPフィルム
手差し印刷では、通常の給紙カセットでは扱いにくいこれらの用紙に印刷できます。
また、用紙の種類や大きさを簡単に切り替えられる柔軟性が特徴です。
複合機の便利な機能である手差し印刷を使いこなし、印刷の幅を広げてください。
手差し印刷する際、複合機によって向きに違いがあるため注意しなければなりません。
手差し印刷についての詳しい解説は、こちらの関連記事でも触れていますので、ぜひご確認ください。
手差しトレイはどこにある?印刷時の向きは?複合機の仕組みから解説!
手差し印刷を効果的に活用するためには、複合機の仕組みを理解している必要があります。
仕組みを理解していなければ、向きを間違ってしまい反対に印刷されてしまうため注意しなければなりません。
ここでは、複合機の一般的な構造と手差しトレイの位置、特徴について解説します。
『複合機の構造』
複合機は、精密機械がいくつも絡み合い構成されています。
それぞれの部位について、下表でまとめました。
部位 | 説明 |
操作パネル | 印刷設定や機能選択を行う。 |
原稿台 | コピーや読み取りを行う際に原稿をセットする。 |
給紙カセット | 通常の印刷で使用する用紙をセットする。 |
排紙トレイ | 印刷された用紙が排出される。 |
手差しトレイ | 特殊な用紙や少量の印刷に使用する。 |
『手差しトレイの位置と特徴』
手差しトレイは、ほとんどの複合機では右側面に配置されています。
ただし、機種によって位置が異なる場合もあります。
手差しトレイの特徴を下記にまとめました。
- さまざまな種類や大きさの用紙に対応している
- 少量印刷に適している
- 特殊用紙(厚紙、封筒、はがきなど)の印刷が可能
- 紙詰まりのリスクが低い
手差しトレイの幅は約30cmあり、使用時には完全に開く必要があります。
一部の機種では使用しないときは閉じておけるタイプもあり、見た目もスマートです。
用紙の向きはこれでOK!複合機で手差し印刷する手順も解説!
手差し印刷を行う際、ほとんどの複合機では用紙の印刷面を下向きにセットします。
具体的な手順は、下記のとおりです。
- 手差しトレイを開く
- 印刷したい面を下に向けて用紙をセット
- 用紙のサイズに合わせてガイドを調整
- 操作パネルで用紙サイズと種類を設定
特殊な用紙の場合、封筒とはがきを印刷するときの向きには注意しましょう。
封筒は下部(開け口と反対側)を機械側に向け、開け口は開いた状態でセットします。
一方ではがきは印刷面を下向きにし、上端を機械側にセットします。
ただし、すべての機種が同じ仕様ではありません。
一部の複合機では、手差しトレイも上向きにセットする仕様になっている場合がありますので注意してください。
『用紙の向きを間違えたらどうなる?』
用紙の向きを間違えると、下記のような問題が発生する可能性があります。
- 白紙が出てくる
- 印刷が回転してしまう
- 印刷品質が低下する
- 紙詰まりの原因になる
特に不定形サイズの用紙を使用する場合、回転して印刷されることがあります。
この場合の対処方法としては、用紙のセット方向を変更したり、プリンタードライバーの設定を変更するなどしましょう。
『プリンタードライバーの設定』
プリンタードライバーの設定変更では、不定形サイズを2パターン(縦向きと横向き)登録し、適切な方向を選択することで問題を解決できます。
手差し印刷は便利な機能ですが、用紙の向きや設定には注意が必要です。
また、必要に応じて試し印刷を行うことでミスプリントを防ぎ、効率的な印刷作業が可能になります。
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また、複合機においてドライバーの状況確認や更新が必要となる場合もあります。
確認する手順や更新方法については、こちらの関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
『出力設定を使えば向きの調整ができる』
印刷したい向きを出力設定で合わせることで、複合機での印刷ミスを防ぐことができます。
機種によって設定方法は異なるため注意してください。
ここでは、SHARPのMX-2650FNを例にみてみます。
- タッチパネルでシンプルコピーを選択する
- 「詳細」「原稿」の順で操作する
- 用紙の向きを選択して「OK」ボタンを押す
上記の設定を行うことで、間違えて原稿をセットしていたとしても指定した向きで印刷することができます。
複合機ではいろいろな用紙を手差し印刷できる【向きには注意】
手差し印刷の大きなメリットは、普通紙だけでなく厚紙や封筒、はがきなどさまざまな種類の用紙に対応できることです。
普通紙から特殊紙まで、幅広い用紙を使用できます。
用紙の種類に応じて適切な設定を行うことは特に重要です。
これによって、高品質な印刷結果を得られるだけでなく、機器の故障や紙詰まりを防ぐことにも繋がります。
『普通紙から特殊紙まで印刷可能』
複合機の手差しトレイでは、下記のような用紙を使用できます。
- 普通紙
- 再生紙
- 色紙や画用紙
- 厚紙(106~300g/m²)
- コート紙
- ラベル用紙
機種によって設定は若干異なりますが、厚紙は重さによって4種類に分類されます。
参考までに、一般的な印刷用紙は1㎡あたり64~68gです。
富士フイルムビジネスイノベーションの複合機を例にみてみましょう。
厚紙について、下表でまとめてみました。
用紙の種類 | 説明 |
厚紙1(106~176g/m²) | 普通紙より厚く、はがきより薄い用紙 |
厚紙2(177~220g/m²) | 郵便はがき |
厚紙3(221~256g/m²) | はがきより厚い用紙 |
厚紙4(257~300g/m²) | はがきより厚い用紙 |
『封筒やはがきの印刷方法』
複合機において封筒やはがきの印刷には、向きなどの特別な注意が必要です。
封筒の場合
封筒の形状に応じてセット方法が異なります。
- 和封筒(短辺側にフラップがある)は、フラップを開き、下向きに印刷面を置いて封筒の下部を機械側にセットします。
- 洋封筒(長辺側にフラップがある)は、フラップを閉じ、印刷面を下向きにして機械側に封筒の上部をセットします。
フラップにのりやシールが付いている場合は、必ずフラップを閉じた状態でセットします。
はがきの場合
複合機ではがきを手差し印刷する場合、厚紙2(177~220g/m²)の設定を使用します。
印刷面を下向きにしてセットします。
『OHPフィルムや厚紙の扱い方』
OHPフィルム、ラベル用紙、コート紙は特に扱いに注意が必要です。
OHPフィルム、ラベル用紙、コート紙の場合
用紙をよくさばいてから端を揃えます。
こうすることで、用紙が重なって送られることを防いでくれ、紙詰まりを回避できます。
少量ずつさばいて、平らな場所で軽く数回たたいて端を揃えます。
厚紙の場合
用紙の重さに応じて、適切な厚紙設定(厚紙1~4)を選択します。
プリンタードライバーの設定画面で、手差しトレイと適切な用紙種類を選択します。
もう複合機で失敗しない!手差し印刷における向きに関する注意点とコツを紹介!
手差しトレイを使用する際に気を付けていただきたいことは、トレイを完全に開くことです。
トレイは約30cmの横幅が必要なので、十分なスペースを確保しましょう。
用紙をセットする際は、下記の手順を守りましょう。
- 用紙をよくさばき、端を揃える
- 用紙ガイドを調整し、用紙サイズに合わせる
- 「ピッ」というブザー音が鳴るまで軽く差し込む(機種による)
用紙は印刷面を下向きにしてセットするのが一般的ですが、機種によっては上向きの場合もあるので注意してください。
『用紙サイズと給紙容量の確認方法』
手差しトレイにセットできる枚数は用紙の種類によって異なります。
上限表示を超えないようにセットしてください。
また、自動的に読み取れないサイズの用紙をセットする場合は、操作パネルで用紙サイズを指定する必要がありますので注意が必要です。
『紙詰まりを防ぐ』
複合機では、手差し印刷時に向きを間違えると紙詰まりしてしまう場合もあります。
紙詰まりしないよう、下記の点で注意しましょう。
- カールした用紙は使用前に必ず直す
- 用紙を一枚一枚よくさばく
- 静電気でくっついている場合は、用紙を裏返すか向きを変えてみる
- 給紙ローラーを定期的に清掃する
- 用紙ガイドを正確に合わせる
はがきや封筒などの小さい用紙は紙詰まりが起きやすいです。
紙詰まりは、複合機トラブルにおいてよくある問題です。
原因や解消する方法については、こちらの関連記事をご確認ください。
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『きれいに印刷するための調整方法』
複合機の手差し印刷できれいに出力するには、下記のような設定調整をしなければなりません。
- 用紙の種類に応じて適切な設定を選択する(例:厚紙1~4)
- OHPフィルム、ラベル用紙、コート紙は特に注意が必要
- レターヘッド紙を使用する場合は、セット方向に注意する
- 封筒やはがきは正しい向きでセットする
いずれにせよ、正しい向きで手差し印刷することは前提としてあります。
特殊用紙のなかでもOHPフィルムやラベル用紙、コート紙は、一般の設定だけでなく、詳細設定という項目から用紙を選択して印刷する必要がありますのでご注意ください。
複合機の手差し印刷は原稿の置き方で変わる?用紙のセット向きを覚えよう!
正しい用紙のセット向きを覚えておくことは、効率的で無駄のない印刷作業をするうえでも大切です。
また、一部の複合機では「自動画像回転機能」が搭載されています。
この機能を使えば、原稿の向きに関わらず、用紙の向きに合わせて自動的に画像を回転させて印刷してくれるため便利です。
それでは、印刷方法ごとに詳しく解説していきます。
『原稿ガラスを使うときの注意点』
原稿ガラスを使用する場合、読み取る面を下向きにしてセットします。
原稿の端をセット基準に合わせて配置してください。
また、原稿ガラスで読み取り中は特定の部分に触れないよう注意が必要です。
触れると静電気が発生し、読み取り結果にすじが入ってしまう場合があります。
厚みのある本や立体物をセットする際は、自動原稿送り装置(ADF)の奥側が持ち上がり、隙間ができることがあります。
この隙間に手を入れたまま開閉操作をしないよう注意しましょう。
『自動送り装置を使う場合の向き』
自動原稿送り装置(ADF)を使用する場合、印刷したい面を上向きにしてセットします。
原稿ガラスとは逆の向きになるので、間違えないよう注意が必要です。
ADFを使用すると、自動的に原稿を読み取ってくれるため、コピー時間を短縮できる利点があります。
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『パソコンから印刷するときの設定』
パソコンから印刷する際は、プリンタードライバーの設定で用紙の向きや両面印刷の設定を行います。
長辺綴じや短辺綴じの選択も注意してください。
縦に印刷する際の短辺綴じと、横に印刷する際の長辺綴じは、表と裏で印刷の上下が逆になります。
プレビュー機能を活用すると、印刷前に出来上がりを確認できますので、向きの間違いを未然に防ぐことができますよ。
『スマホやタブレットからの印刷』
スマートフォンやタブレットから印刷する場合は、専用のアプリケーションを使用することが多いです。
これらのアプリでは、用紙サイズや向きの設定が可能です。印刷前に必ず設定を確認し、必要に応じて調整してください。
手差しトレイは複合機によって違う?向きの重要性と設定方法を解説!
手差しトレイの形状は、複合機の機種によって異なります。
また、手差し印刷時において用紙の向きもミスを防ぐためにも、間違えてはなりません。
ちなみに、一般的な配置は複合機の右側面ですが、一部の小型機種では前面に配置されていることもあります。
また、使用時のみ開くタイプと常時開放型のトレイがあります。
開閉式トレイ |
|
常時開放型トレイ |
|
他、パネルやボタンについても操作しますので、深堀りしてみていきましょう。
『タッチパネルやボタンの操作方法』
操作パネルの種類も、機種によって異なります。
タッチパネル式 |
|
ボタン式 |
|
ハイブリッド式 |
|
操作手順の一例として、下記にまとめました。
- 手差しトレイに用紙をセット
- 操作パネルで用紙サイズと種類を設定
- 必要に応じて詳細設定(両面印刷、部数など)を行う
- 印刷を実行
あとは、用紙の向きを意識しながら手差し印刷を行えば、何も問題ありません。
『対応用紙と給紙容量の違い』
対応用紙サイズと給紙容量は、機種によって大きく異なります。
対応用紙サイズについて、下表でまとめました。
広範囲対応型 |
|
標準対応型 |
|
また、給紙容量については、下記のとおりです。
- 大容量タイプ:100枚以上
- 標準容量タイプ:50枚程度(一般的なオフィス向け複合機)
- 少量印刷用タイプ:10枚程度(一部のコンパクト複合機)
手差し印刷の設定方法は機種によって異なるため、使用前に取扱説明書を確認することが重要です。
また、不明な点がある場合はメーカーのサポートを活用することをおすすめします。
用紙の向きだけではない!複合機の手差し印刷でよくある問題と対処法を解説!
複合機では用紙の向きの間違いだけで、印刷がうまくいかないということでもありません。
主なトラブルとして、紙詰まりや手差し印刷時のエラーなどが挙げられます。
ここでは、複合機に関連した対処法について、原因別に紹介していきます。
『紙詰まりの場合』
複合機の手差し印刷において、紙詰まりした場合の対処法は、下記の手順です。
- 手差しトレイの内側や周囲に詰まっている紙をゆっくり取り除く
- 用紙を再セットし、印刷を再開する
思い切って強く引っ張ると、紙が破けたり手差しから排紙口までの故障となる原因となったりする場合もあるため注意しましょう。
『印刷エラーが発生した場合』
手差し印刷において、印刷エラーが発生する場合もあります。
- コピー機本体の用紙情報設定を確認・修正する
- プリンタードライバーの設定を確認・変更する
上記の手順で対処しましょう。
『印字不良の場合』
複合機の手差し印刷で、印字不良となる場合の対処法を下記にまとめました。
- 用紙種類の設定が正しいか確認する
- ローラーを掃除する。
例えば、ラベル紙を普通紙設定で印刷すると不具合の原因になるため注意が必要です。
『メーカーサポートの活用方法』
複合機関連のトラブルは、自社で解決できない場合もあります。
そのようなときは、下記のような手順でメーカーに問い合わせます。
- 取扱説明書やメーカーの公式Webサイトで対処法を確認する
- 解決しない場合は、メーカーのサポートセンターに問い合わせる
- 機種名と発生している問題を具体的に説明し、適切なアドバイスを受ける
必ず、公式サイトもしくは公式ホームページで確認するようにしてください。
さいごに|用紙の向きを確認して手差し印刷を使いこなそう!
今回は、複合機の手差し印刷について、基本的な知識からトラブル時の対処法まで詳しく解説しました。
手差し印刷は、特殊な用紙や少量の印刷に最適な機能です。上手に活用することで印刷の幅を広げ、効率的なオフィス作業が可能になります。
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